東京が熱狂。アルベル東京2年目、2023年シーズン始動。
FC東京が、1月7日(土)に公式YouTubeチャンネルにて「2023FC東京新体制発表会」をライヴ配信。ファン・サポーターへ向けて、新チーム体制や新加入選手などを発表した。アルベル・プッチ・オルトネダを監督に迎えた2022年を改革初年度と位置づけ、リーグは6位。コロナ禍が依然続く中で、改修後の新国立競技場で初となるJリーグでの単独試合を開催し、FC東京ホームゲーム最多の50,994名の観客動員に成功。カタールW杯の日本代表には長友を送り込み、JリーグやFC東京の認知度も高めた。
昨年末のクリスマス直前、12月23日にはJリーグの2023シーズンの開幕戦が発表され、FC東京は2月18日あるいは19日に浦和とホームゲームを行なうことが決定。その後も選手の移籍や加入などの契約状況が公表され、この1月7日に2023シーズンの体制がほぼ明らかになった。以下に、トップチームの陣容を列記し、FC東京の戦力についても軽く言及しておく。
◇◇◇
【FC東京 2023シーズン】
☆新加入 △復帰 ▲背番号変更
■GK
01 GK 児玉 剛
27 GK ヤクブ・スウォビィク ▲(←24)
41 GK 野澤大志ブランドン △(←岩手・育成型期限付き移籍)
■DF
02 DF 中村帆高 ▲(←37)
03 DF 森重真人
04 DF 木本恭生 ▲(←30)
05 DF 長友佑都 ※1/12契約更新
17 DF 徳元悠平 ☆(←岡山)
28 DF 鈴木準弥
32 DF 土肥幹太 ☆(←FC東京U-18)
44 DF エンリケ・トレヴィザン ▲(←50)
47 DF 木村誠二
49 DF バングーナガンデ佳史扶
50 DF 東 廉太 ☆(←FC東京U-18)
■MF
07 MF 松木玖生 ▲(←44)
08 MF 安部柊斗 ▲(←31)
10 MF 東 慶悟
11 MF 渡邊凌磨 ▲(←23)
15 MF アダイウトン
16 MF 青木拓矢
20 MF レアンドロ
26 MF 寺山 翼 ☆(←順天堂大学)
33 MF 俵積田晃太 ☆(←FC東京U-18)
35 MF 塚川孝輝
36 MF 西堂久俊 ☆(←早稲田大学)
37 MF 小泉 慶 ☆(←鳥栖)
48 MF 荒井悠汰 ☆(←昌平高校)
■FW
09 FW ディエゴ・オリヴェイラ
22 FW ペロッチ ☆(←シャペコエンセ・期限付き移籍)
29 FW 熊田直紀 ☆(←FC東京U-18)
39 FW 仲川輝人 ☆(←横浜FM)
42 FW 野澤零温 △(←相模原・育成型期限付き移籍)
【移籍・退団】
■GK
GK 林 彰洋(→仙台)
GK 波多野豪(→長崎・期限付き移籍)
■DF
DF ブルーノ・ウヴィニ
DF 岡崎 慎(→熊本)
DF 蓮川壮大(→甲府・期限付き移籍)
DF 大森理生(→大宮・育成型期限付き移籍)
DF 岡庭愁人(→大宮・期限付き移籍・延長)
■MF
MF 紺野和也(→福岡)
MF 梶浦勇輝(→金沢・育成型期限付き移籍)
MF 高萩洋次郎(→栃木)
MF 品田愛斗(→甲府・期限付き移籍)
MF 内田宅哉(→名古屋・期限付き移籍・延長)
MF 安田虎士朗(→栃木・育成型期限付き移籍)
MF 三田啓貴(→横浜FC)
MF アルトゥール・シルバ (→富山・期限付き移籍・延長)
■FW
FW ルイス・フェリッピ(→スポルティングCP・期限付き移籍・満了)
FW 山下敬大(→湘南・期限付き移籍)
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GKは、長期怪我で戦列を離れていたヴェテランの林と、長崎へ期限付き移籍となる波多野がチームを離れたが、岩手に育成型期限付き移籍していた野澤を呼び戻して、ヤクブ・スウォビィク、児玉との3名体制に。スウォビィクが万全なだけに、林、波多野の出場機会を考えると、1st GKにスウォビィク、ヴェテランの児玉、若手の野澤の組み合わせで問題ないだろう。波多野は長崎で出場と経験を重ねて、より成長度を高めて再び復帰してもらいたいところ。
DFは、ややピークを過ぎた感のあるものの森重がCBの中心。その相方や、後釜となる人材の成長が課題だったが、昨年は木本がCBのポジションを確保。怪我で長期離脱していたエンリケ・トレヴィザンが無事に復帰したことに加え、既に試合に出場している木村、東廉太の若手で計算が立ち、森重を休養させても充分対応出来る。SBは、まだ契約に至っていない長友の動向にも拠るが(前向きに契約に向かっているとのこと)、W杯後「やはり東京でどうしてもシャーレを掲げたいという熱い気持ちがあらためて湧いてきた」として1月12日に契約更新した長友のほか、ロングスローの武器も持つ新加入の徳元、左右どちらもこなせる中村、成長著しいバングーナガンデが先発候補。精度の高いキックを持ちながら、昨季はなかなか試合に絡めなかった鈴木準弥の成長次第では、底上げも期待出来る。CBで森重と木本が万全の場合は、エンリケ・トレヴィザンを回してくる可能性もあるか。
MFは、青木の怪我で流動的だったアンカーのポジションに入った東慶悟が覚醒。昨季後半のキープレイヤーとして活躍したが、今季はその東慶悟、怪我から復帰の青木との争いに、鳥栖から獲得した小泉が加わる形か。ボール奪取力もあるハンタータイプの小泉だが、個人的にはアンカーというよりもダブルボランチでより輝くイメージもあるのだが、果たしてどうだろうか。アンカーとして成功すれば、この上ない戦力になるし、思ったよりもハマらない場合は、もう1つ前のポジションで起用することも考えられそう。
インサイドハーフはタレントが豊富。昨季終盤は、もはや替えが利かない存在となりつつある松木、塚川のコンビが躍動したが、松木同様豊富な運動量を誇る安部も先発として起用したいところ。昨季はルーキーイヤーでいきなり松木が開幕戦となった川崎戦からポテンシャルの高さを見せ、その後レギュラーを勝ち取ったが、高卒ルーキーとなる荒井も同じような存在になれるか。昨季もFC東京の選手としての出場も経験済ゆえ、上を脅かす存在になれば、面白い。
MF、FW含めた前線は、外国人戦力としてディエゴ・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロのブラジリアン勢に、シャペコエンセからの期限付き移籍でペロッチが加わった。ディエゴ・オリヴェイラの不調・怪我を補う期待を寄せられたルイス・フェリッピは、実力の片鱗は見せたものの僅か2ゴールに終わり、残念ながら期限付き移籍期間満了となったが、ペロッチはどうか。186センチの長身とスピードが持ち味で、ブラジル・セリエBでは今季26試合6得点。といっても、出場時間もそれほど多くなく、チーム自体が下位に低迷しているようで、即戦力としては未知数なのは否めない。ゴール前、ボックス付近で勝負するタイプだったりすると、湘南へ期限付き移籍した山下のようにもなりかねない感じもするが、チームに上手く溶け込んでその杞憂を晴らしてもらいたいところ。
目玉となるのは、何と言っても仲川だろう。23(ニッサン)から39(ミクシィ)へと背番号を替え、優勝とMVPを経験したという勝者のメンタリティを伝えるべく、横浜FMから移籍加入してきた。おそらく前線の右サイドで勝負することになるだろうが、昨季の紺野とはまた異なるスタイルで相手の脅威になることが期待される。アダイウトンの12得点に続く6得点を決めた渡邊は、背番号11に変更。この番号をつけたからには、昨季以上の得点が求められる。ブラジリアンや仲川らとのポジション争いは熾烈だが、覚醒しつつある実力をより強固なものにしたい。
FC東京U-18からは4名が昇格したが、そのなかでもFWの熊田はスケール感があっていい。タレント豊富なポジションゆえ、最初から試合に絡むのは難しいかもしれないが、183センチの上背と力強さを持つレフティのストライカーで、U-18ではシャドーも経験。上手くチャンスをものに出来れば、2020年にリーグ26試合3得点を決め海外へ移籍した原大智くらいの活躍も見込めるのではと個人的には考えている。
これまでユース昇格組が思ったほどFC東京で実績を残せていない印象もあり、U-18昇格組には先発固定を揺るがすような突き上げをしてもらいたい。特に年齢的にもあまり猶予がなくシビアな大学出身勢、ユース出身でもある寺山や早稲田から来た西堂には奮起してもらいたい。