多摩川クラシコ4試合連続無得点で4連敗、今季も4試合無得点。
川崎をホームに迎えての第45回多摩川クラシコは、後半に3得点を挙げた川崎が快勝し、多摩川クラシコで4連勝、3試合連続3得点無失点とFC東京への相性の良さを発揮した。一方、FC東京は序盤から20分位まではチャンスを作ったものの、この試合でもアタッキングサード以降の攻撃にスピードとアイディアがなく、シュートを打って攻撃を終わらせることが出来ないもどかしい展開を重ねるのみに終わった。
前半は川崎も決して良い立ち位置ではなかったが、FC東京の中盤からのカウンターも持ち運ぶスピードが減退するために守備が間に合う形に。高井を中心に我慢強くFC東京のチャンスを凌ぎ切ると、前半25分頃より次第に川崎も攻勢の時間が出始める。28分には三浦の左FKに高井が頭で合わせるも、FC東京はGK野澤大志ブランドンがビッグセーヴで持ちこたえた。
FC東京がボールを保持する時間をやや多く持ち、川崎は思ったほど中盤からの連係が活かせない前半だったが、後半は川崎が前半はそれほど積極的ではなかった前線からのプレスを活発化させて、FC東京の繋ぎを慌てさせる。FC東京は51分にペナルティエリア前でFKを得ると、安斎が右サイドネットへ惜しいシュートを放つ瞬間もあったが、55分の失点からボロボロと崩れ始めることになった。右サイド奥へ進出した佐々木のグラウンダーのクロスをペナルティボックス内で脇坂が触れると、そのボールに反応した山田が土肥を背にしながら振り向きざまに左脚を振ると、これが土肥の足に当たってコロコロとゴールマウスへ。GK野澤大志ブランドンはシュートコースへ身体を寄せていたため、ディフレクションに反応出来ず、そのままゴールへ吸い込まれ、山田の多摩川クラシコで3試合連続ゴールで川崎が先制した。
反撃に出たいFC東京は、俵積田がゴールに迫るシーンなどもあったが、なかなか流れを引き戻すことが出来ない。65分に橋本を東慶悟、俵積田を小柏に、71分に佐藤恵允を塚川にスイッチするも、さほど有効とはならず。逆に、川崎は71分にマルシーニョに代わって伊藤達哉を投入すると、その2分後、右サイドからの佐々木のクロスを東慶悟が頭で軌道を変えるが、そのボールが落ちてきたところを伊藤がダイレクトでゴール左下へ蹴り込んで、川崎が追加点。伊藤は途中交代から2分後でJリーグ初得点を記録した。
川崎は前半序盤の連係が嘘のように躍動し、さらに大島、山田を橘田、エリソンにそれぞれ代えて、フレッシュな選手を投入。エリソンを中心に前からプレスを掛け続けると、83分に東慶悟がセンターライン付近で出し手が見つからずに緩めのバックパスを木村へ送ったところを脇坂がプレス。木村のパスを脇坂が奪うと、そのままドリブルでカウンターへ。ペナルティエリアに侵入すると、脇坂に並走していたエリソンへ横パスを送り、これをエリソンがゴールへ流し込んで3点目。川崎は多摩川クラシコ3試合連続で3得点を挙げて、勝利を確実なものにした。
FC東京は、仲川、土肥を下げ、常盤、野澤零温を入れ、塚川が1トップに、4バックで応戦を試みるが時すでに遅し。全体としての意思疎通も取れず、前半よりも縦へのパススピードが若干早くなってはいたが、それもギャンブル性が高く、アバウトな粗さも目立ち、ミスパスとなりボールを回収されてしまう。単騎で勝負してファールをもらったことはあったが、連動性は見られず。結局、ペナルティボックス前でスローダウンして、時間を費やしてパスを回し続けているうちに、守備が戻って対応され、シュートを打てずにカウンターを喰らうというシーンに終始。チグハグな印象が拭えないまま、タイムアップの笛を聞くことになった。
WBの安斎、白井は頻繁に上下動し、なんとかチャンスメイクしようと奮闘してはいたが、ボールを収められるCFがいないなかでの浮き球クロスは、あまり効果的ではなかった。そのCFのポジションに入った仲川は、ボールを受けに中盤へ下りることも多く、前線に攻撃の枚数と高さも不足。シュートへの道筋が明快でなく、全体的にボールを持つものの重心は後ろで、共通理解とスピードの欠如が、最後まで決定機の演出に重くのしかかってしまった。バックパス全てが悪とは言わないが、楔のパスを出しても、パスを受けた後のベクトルが後ろか横が多く、手数と時間がかけるうちにパスコースに蓋をされる手詰まり状態から脱却出来ず。土肥から俵積田への逆サイドへの展開などで揺さぶるいい展開もあったが、チャンスメイクをシュートに繋げられないことには、得点は生まれない。また、細かいことだが、GK野澤大志ブランドンはセーヴは素晴らしいが、ビルドアップでの起点となる際の球出しの遅さは気になった。それに加えて、前線の動きの少なさもあり、パスコースを生み出せない要因の一つにもなっていたように感じた。
これで4試合連続で無得点。ルヴァンカップを含めれば、90分以内での得点は5試合連続でゼロだ。CKからの攻撃も得点の匂いを感じないが、何よりも得点力を上げるためにはシュートを打たないと始まらない。ペナルティエリア手前から崩せないならばミドルシュートを積極的に打つなど、ゴールを狙う姿勢を多く見せることで、相手の対応も変わってくる。大事にボールを運ぶのも大切ではあるが、あくまでもシュートを放ってゴールを奪うための手段であって、目的ではない。その意識を再度強く持っていかないと、ゴールには繋がらない。
昨年はなかなかホーム味スタで勝てないシーズンだったが、まだ序盤とはいえ、味スタ4試合で勝利は名古屋戦1試合のみ。得点もその名古屋戦で挙げた3点があるものの、それ以外では7節を終えて、開幕戦の横浜FC戦の1点のみだ。攻撃の軸と予想していたマルセロ・ヒアンのベンチ外が続き（おそらく怪我だろう）、当初の目論見が外れる形となったが、現有戦力でこの重い空気を払拭せねばならない。
その意味では、次節は東京ヴェルディとの東京ダービーは鬱屈した空気を跳ねのける好機となるはずだ。東京ダービーは内容よりも結果。たとえ奪われても奪い返す、魂と魂のぶつかり合いとなる。今季のFC東京は、システムや戦術を意識し過ぎるあまり、少々頭でっかちになっていたところもあるだろう。ただ、東京ダービーはそれらは度外視して挑まねばならない。とにかく90分間走り続け、ゴールを追い求めた先に、おのずと結果がついてくるはずだ。大いに闘志を漲らせるメンバーで闘い、奮闘、躍動して勝利を掴み取り、低迷からの脱却の一歩としなければならない。
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明治安田J1リーグ 第7節
2025年3月29日（土）17:03KO
味の素スタジアム
入場者数： 33,632人
天候：曇 ／ 気温：9.4℃ ／ 湿度：54%
主審：福島孝一郎
副審：梅田智起、坊薗真琴
第4の審判員：川俣 秀
VAR：吉田哲朗
AVAR：淺田武士
FC東京 0（0-0 / 0-3）3 川 崎
【得点】
（東）：
（川）：山田 新（55分）、伊藤達哉（73分）、エリソン（83分）
〈試合経過〉
55分 得点 川崎 山田 新
65分 交代 東京 橋本拳人 → 東 慶悟 ／ 俵積田晃太 → 小柏 剛
71分 交代 東京 佐藤恵允 → 塚川孝輝
71分 交代 川崎 マルシーニョ →伊藤達哉
73分 得点 川崎 伊藤達哉
78分 交代 川崎 大島僚太 → 橘田健人 ／ 山田 新 → エリソン
83分 得点 川崎 エリソン
86分 交代 東京 仲川輝人 → 常盤亨太 ／ 土肥幹太 → 野澤零温
86分 交代 川崎 家長昭博 → 瀬川祐輔 ／ 山本悠樹 → 河原 創
◇◇◇
【FC東京メンバー】
〈スターティングメンバー〉
ＧＫ 41 野澤大志ブランドン
ＤＦ 30 岡 哲平
ＤＦ 32 土肥幹太
ＤＦ 47 木村誠二
ＤＦ 99 白井康介
ＭＦ 07 安斎颯馬
ＭＦ 08 高 宇洋
ＭＦ 18 橋本拳人
ＭＦ 33 俵積田晃太
ＦＷ 16 佐藤恵允
ＦＷ 39 仲川輝人
〈控えメンバー〉
ＧＫ 13 波多野豪
ＤＦ 04 木本恭生
ＤＦ 44 エンリケ・トレヴィザン
ＭＦ 10 東 慶悟
ＭＦ 27 常盤亨太
ＭＦ 35 塚川孝輝
ＭＦ 36 西堂久俊
ＦＷ 11 小柏 剛
ＦＷ 28 野澤零温
〈監督〉
松橋力蔵
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【FC東京 2025シーズン 試合日程】
◇2025明治安田J1リーグ
第01節 02月15日(土)14:00〇FC東京 1-0 横浜FC（Ａ・ニッパツ）
第02節 02月22日(土)15:00✕FC東京 0-1 町 田（Ｈ・味スタ）
第03節 02月26日(水)19:00〇FC東京 3-1 名古屋（Ｈ・味スタ）
第04節 03月01日(土)14:00✕FC東京 0-2 鹿 島（Ａ・カシマ）
第05節 03月08日(土)16:00△FC東京 0-0 湘 南（Ｈ・味スタ）
第06節 03月15日(土)14:00✕FC東京 0-1 福 岡（Ａ・ベススタ）
第07節 03月29日(土)17:00✕FC東京 0-3 川 崎（Ｈ・味スタ）
第08節 04月02日(水)19:00 FC東京 ✕ 東京Ｖ（Ａ・味スタ）
第09節 04月06日(日)13:00 FC東京 ✕ 岡 山（Ａ・ＪＦＥス）
第10節 04月11日(金)19:00 FC東京 ✕ 柏 （Ｈ・国 立）
第11節 04月20日(日)15:00 FC東京 ✕ Ｃ大阪（Ａ・ヨドコウ）
第12節 04月25日(金)19:30 FC東京 ✕ Ｇ大阪（Ｈ・国 立）
第13節 04月29日(火)13:05 FC東京 ✕ 清 水（Ｈ・味スタ）
第14節 05月03日(土)14:00 FC東京 ✕ 新 潟（Ａ・デンカＳ）
第16節 05月10日(土)15:00 FC東京 ✕ 神 戸（Ｈ・味スタ）
第17節 05月17日(土)16:00 FC東京 ✕ 浦 和（Ａ・埼 玉）
第18節 05月25日(日)15:00 FC東京 ✕ 広 島（Ｈ・国 立）
第19節 05月31日(土)19:00 FC東京 ✕ 京 都（Ａ・サンガＳ）
第20節 06月14日(土)19:00 FC東京 ✕ Ｃ大阪（Ｈ・味スタ）
第21節 06月22日(日)18:30 FC東京 ✕ Ｇ大阪（Ａ・パナスタ）
第15節 06月25日(水)19:30 FC東京 ✕ 横浜FM（Ａ・日産ス）※1
第22節 06月28日(土)19:00 FC東京 ✕ 横浜FC（Ｈ・味スタ）
第23節 07月05日(土)19:00 FC東京 ✕ 柏 （Ａ・三協Ｆ柏）
第24節 07月19日(土)19:00 FC東京 ✕ 浦 和（Ｈ・味スタ）
第25節 08月10日(日)19:00 FC東京 ✕ 鹿 島（Ｈ・味スタ）
第26節 08月16日(土)19:00 FC東京 ✕ 湘 南（Ａ・レモンＳ）
第27節 08月24日(日)19:00 FC東京 ✕ 京 都（Ｈ・味スタ）
第28節 08月31日(日)19:00 FC東京 ✕ 名古屋（Ａ・豊田ス）
第29節 09月13日(土)・14日(日)・15日(月)00:00 FC東京 ✕ 東京Ｖ（Ｈ・味スタ）
第30節 09月20日(土)00:00 FC東京 ✕ 川 崎（Ａ・Ｕ等々力）
第31節 09月23日(火)00:00 FC東京 ✕ 福 岡（Ｈ・味スタ）
第32節 09月27日(土)・28日(日)00:00 FC東京 ✕ 横浜FM（Ｈ・味スタ）
第33節 10月04日(土)・05日(日)00:00 FC東京 ✕ 清 水（Ａ・アイスタ）
第34節 10月18日(土)・19日(日)00:00 FC東京 ✕ 広 島（Ａ・Ｅピース）
第35節 10月25日(土)・26日(日)00:00 FC東京 ✕ 岡 山（Ｈ・味スタ）
第36節 11月09日(日)00:00 FC東京 ✕ 町 田（Ａ・国 立）
第37節 11月30日(日)00:00 FC東京 ✕ 神 戸（Ａ・ノエスタ）
第38節 12月06日(土)00:00 FC東京 ✕ 新 潟（Ｈ・味スタ）
※1 横浜FMが「AFCチャンピオンズリーグエリート 2024/25」準々決勝以降進出の際は6月25日（水）19:30に、敗退時は5月6日（火）14:00に開催
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