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IoT(Internet of Things)時代のM2Mデバイス

2014-07-09 11:25:58 | Java API
歴史は繰り返す、というのはどの業界業種でも同様であるが、ソフトウェア業界には15-20年周期で姿形を変えながら繰り返されているものがある。システム構成の集中と分散の歴史だ。

かつて1980年代は汎用コンピュータが各社1台どーんと本社に設置され、支店や各部署から入力用されたデータ処理を一手に担っていた集中の時代だ。それがパソコンの登場と処理性能の向上、ネットワーク技術のオープン化などが相まってサーバとクライアントで相互に処理を行うクライアントサーバシステムが1990年代後半に全盛を迎える。分散の時代である。

その後、インターネットの普及や各家庭までブロードバンド化されたことで比較的大容量なデータ通信も低コストで行うことが出来る様になり、それまで専用線で通信していたネットワークがインターネットへシフトすることになった。またムーアの法則に代表されるようにコンピュータの処理能力自体が倍々ゲームの如く高くなってくるに至り、ここで世界のどこかに居る気の利いた方がつぶやいた。
「あれ?サーバに処理を集中させて結果をブロードバンド経由で返しても応答時間はほとんど同じじゃね?」

クラウドコンピューティングと呼ばれて再び集中の時代が到来してきていると思うが実は違う。全ての業務を一つのクラウド事業者に委ねていれば集中だが、複数の事業者に跨いでいれば分散になる。またクラウド事業者の中から見れば当然複数のサーバでサービスを構成しているので分散ということになるが、ユーザからはサービスそのものしか見えないので集中している様に見える。この様に集中と分散という議論自体が最近は霧散しているのだ。

クラウドコンピューティングの隆盛により最近何かと話題なのがビッグデータだろう。猫も杓子もビッグデータを叫んでいる気もするが、有用な活用事例もポツポツ現れているのを目にすると今後益々もてはやされることになるだろう。そこでそのビックデータをどうやって収集して新しい価値を創造していくのか、という議論がある。

多種多用な「モノ」(パッと思いつくのは自動車や家電だろうか)がインターネットにつながり、互いに情報を収集分析して例えば事故直後でこれから渋滞が予想される道路がリアルタイムで通知されたり、スマホを持って玄関に近づくと家族に限定して自動で自宅の鍵が開いたり、モノとモノがつながってより便利で高い付加価値のサービスを享受できる「モノのインターネット」がIoT(Internet of Things)と呼ばれている。

もう一つM2M(Machine-to-Machine)というのもIoTよりちょっと前から巷間を賑わせていて、最近はワイヤレスM2Mという産業分野が出来上がった様にも見える。M2Mも機械と機械が通信するというコンセプトなので同じ事を違う言葉で言っている様にも見える。

数年前はユビキタスという言葉も流行ったので、どれがどれだか正確なところを表現するには各社の製品サービスが互いに住み分けが完了した時点になってしまうかもしれないが、大変大雑把に行ってしまえば、M2Mを包含したユビキタスをさらに包含したのがIoTということになりそうだ。

このIoTが徐々に姿を現してくるためにまず必要になるのが、様々な情報をセンシングするためのセンサーそのものである。センシングする対象に拠ってセンサーの種類は異なるだろうが、温度センサー、湿度センサー、加速度センサー、人感センサー、近接センサー、などなど無数のセンサー群がある。

次に必要になるのが、センサーが出力するデータを収集しクラウドに設置されたセンターサーバへ伝達するための装置だ。シスコシステムズは「フォグコンピューティング」としてクラウドとデバイスの間をつなぎ、事前に分散コンピューティングを行う機器をフォグ(霧)と呼んでいる。またデバイス近傍のエッジに存在するコンピュータとしてエッジコンピュータやエッジサーバと呼ぶこともある。

最後にクラウドに設置されたセンターサーバが必要だが、各メーカーも顧客を囲い込んで自社のサービスを提供しているが、メーカーと関わりないオープンな世界ではIoT向けクラウドサービスとしてAPI経由でデータを送信すればデータを集約してグラフ化までしてくれる「xively」が無料で使える。かなり簡単で便利だということで既にIoT向けのクラウドサービスとしてデファクトスタンダードを形成している気配だ。

これからのIoT向けソリューションで各社が知恵を競い合うのはシスコシステムズの言うフォグでの分散コンピューティング分野だろう。センサーは各種揃っている。センターサーバもメーカ独自ないしxivelyの様なクラウドサービスが使えるとなると、必然的にここに差別化の視線が向けられる。またここにどんなデバイスを使用するのか、商用で使えそうなデバイスを日本国内で探すとなると正直心許ない。

安価で使えるものとしてはArduinoやRaspberry Piが挙げられるが双方一長一短がある。そもそも筐体が無いので、基盤を剥き出しにしたまま顧客に提供することに抵抗がある。

そこで弊社が販売しているGuruPlugである。USB、Wi-Fi、Bluetoothが使えるのでセンサーとセンターサーバを接続し、かつ収集したデータをある程度集計したのちにセンターサーバに送れる。なにより安価なため導入へのハードルが低いことが魅力になっていると考えられる。具体的に国内においてM2M分野でのGuruPlugが利用されている事例が増えつつあることがその証左だろう。

M2Mデバイスの候補やIoTプラットフォームを検討している場合は、まずはGuruPlugではじめてみるということをしては如何だろうか。


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株式会社ジェイエスピー
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