シネマティックかふぇ

映画の感想を中心に日々更新中。是非おくつろぎを♪

最悪

2005年03月13日 | 
タイトルはズバリ「最悪」!「空中ブランコ」で直木賞を受賞した奥田英朗の代表作です。

うんうん、これまた大当たり♪読む本はいつも何となく選んでるんですが、3冊連続で当たりが続くと嬉しい気分。傑作に出会えれば、次もまた読みたいって思える。逆に駄作に出会っちゃうと、なかなか読み終わらず、そのまましばらく読書離れ状態が続いてしまいます。でも、今回は大丈夫。凄く面白い作品でした。

この「最悪」の主役は3人。人生のどん底まで堕ちて行く3人の人生が、それぞれ順番に語られていきます。読んでいて気分が悪くなるほど最悪な出来事に見舞われる3人に、まるで自分の身に起こるかのごとく感情移入してしまいます。登場人物の心情の描き方が素晴らしく、実にリアルです。おいおい、どうなっちゃうの~この3人・・・とハラハラしながら読んでいくと、全く異なる人生を歩んでいた3人が、やがてある時点で交わってしまいます。ちょっと鳥肌もの。

おー、「めぐりあう時間たち」だ!

”最悪”でない終わり方が逆に不満だったりもするが、読後感は悪くないのでグー。とても”最悪”で素晴らしい作品なのでオススメです。ぜひぜひ♪

奥田英朗の作品がもっと読みたくなりました。次は「邪魔」を読もうかな~


独断評価:★★★★☆