週間少年ベジータ
■第⑭-①話■
『筋肉の向こう側』前編
~登場人物紹介~
■「タイツ」(♂ 凍狂選手)
タイツはいわゆる不良のレッテルをはられている、、ケンカの相手を必要以上にブチのめし、いまだ病院から出てこれねえヤツもいる、、イバルだけで能なしなんで、、気合を入れてやった教師はもう2度と学校へ来ねえ
料金以下のマズイめしを食わせるレストランには、、代金を払わねーなんてのは、、しょっちゅうよ。。。
だが、奴の出現によって、、、タイツは、、、海をみた。。。
■「サム」(♂ 富山選手)
『最強』の名を欲しいままにしている富山の鬼。
パワー、スピード、ブレイン、メンタル、スキル、、、全てにおいてパーフェクトな超人である。
戦闘力53万 第2形態120万 第3形態200万 第4形態(最終形態)ボン!!
■「テンマ」(♂ 水戸選手)
一見テリーマン。。手の付けられない不良でミルデュラ市民を恐怖のどん底に陥れたが、タイツとの死闘により友情が芽生え仲間になった。戦闘力45万
■「シンシティ君」(♂ サイタマ選手)
スピードだけならミルデュラNo1だった。戦闘力18000
■「ケニー」(♂ 鳥取選手)
パワーはないが、料理に造詣が深いので、、暴力が蔓延しているミルデュラを生き延びることができた。戦闘力5
■「淡路」(♂ 淡路選手)
元暴走族。虎視眈々とサムの命を狙っている。戦闘力41万
■「保険医」(♀ 名古屋選手)
偶然にもサムと同じ飛行機で渡豪。しかも隣同士だったらしい。戦闘力4万2千
2007年9月17日(月)
今日もフルタイム。。ランチ中に突然「サム」が現れた、、、神出鬼没、、、
そう、実に半年振りの再会や。。。あいかわらず鬼に似ていた。。。
仕事終わった飲もうぜと、一方的に約束してサムは消えていった。。
『筋肉の向こう側』
・・・強いって・・・どんな気分ですか・・・?
サム、、、奴は化け物だ、、、バイクで日本を5週、豪州50000キロの旅を敢行したのもそうだが、最たるは、、強力無双、、鍛えに鍛えられた肉体は、、正にダイアモンド!! 富山の鬼!!
腕相撲戦績5000戦!!! 100キロオーバーの恐竜たちを軽々と屠る体重僅か65キロの鬼!!それがサム!!!
サムは富山県生まれの上流階級の生まれ、、、何不自由ない幼年時代を過ごして来た。。
勉強もできる、、ルックスもイケメンだ。。(当時は鬼の顔ではなかった)
誰もが、、エリート街道猫まっしぐら、、、だれもがサムの将来を期待していた。。。
だが、、、サムは疑問を覚える、、、こんな勉強だらけ人生、、本当に正しいのだろうか?
そんな折、、放課後の習慣である図書室での読書、、、読み終わった哲学書を本棚に返却した際、ある本に目をやる。。。なぜか、、その本が気になった、、、理由は解らない、、、気がつくとサムはその本を手に取った。。食い入るように読みふけった、、その一冊の本はサムの心を震わせた。。
本の題名は「疵(きず)- 花形敬とその時代」、、、花形敬という日本史上最強のヤクザの武勇伝と背景の歴史が綴られた内容である。 暴力がものを言わせた時代、、、腕力なくしては生き残れない、、、戦後の日本。。。
『腕力』!その素敵な好奇心がサムを行動させたッ!
翌日、、サムはボクシングジムに願書を出す。。 勉強よりも金よりも恋愛よりも、、、ただ『腕力』が欲しかった、、『力』が欲しかった、、、そう、、誰にも負けない『鬼の膂力』を。。。
そんなサムの豹変振りに、、周囲は驚きを隠せない、、、もちろんサムに共感するものも多分にいた、、、が、、サムから去って行く者も少なくはない、、、サムの年上の彼女もその一人だった。。。
最初のうちはサムを否定するものもいた、、、だが、、サムはある形で、、認めさせた。。。
中学生であるサムが、高校の不良グループをたった一人で、、、屠った。。。 サムは認められた、、テストで満点取ったときよりも、、徒競走で1位を取ったときよりも、、サムは充実していた。。。
最高に『ハイッ』な気分だった。。
たとえ、テストで満点を取ろうと、、認めてくれるのは教師と親だけ、、しかも、、勉強ができるという一面だけ、、、 他の生徒は、、表向きには褒めるが、、内心穏やかではない、、、なんせ、、、進学の際の強力なライバルだからな、、、祝福などされるわけがない、、、サムが過ごした富山の中学時代は、、日本をそのまま小さくしたかのような本音と建前の世界だった。
だが、今回の事件、、、『腕力』による結果、、、生徒たちはついにサムを認めた。。。
サムは感じた、、、『もっと、、、褒めてくれ、、、、』
今回のように俺の存在を認めさせてやるんだ!! だれよりも強く、、ひたすら強く、、、ただ強く!!!!
『強くなりたい』、、、その思いは、、サムを更なる高みへと押し上げた。。。
しかし、学校という小さな社会ではそれで十分だったかもしれない、、、、、
いや、その話はまた別の話、、、別の機会にお話しましょう。。。。
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タイツとサムはビクトリア州の『ミルデュラ』で出会った。。。
ここからは『ミルデュラ』回想編、、、ポワンポワンポワン。。。。
テンマよりも強い男がいる、、、そうシンシティ君は言った。もちろんタイツの好奇心は動いた。。
タイツは、、SEXより、、、食事より、、、水より、、、酸素よりも、、、闘争を優先させる男!!!黙っているわけがない、、、
「タイツ」:
テンマよりも強い男か、、、、それはそそるな。。。
「シンシティ君」:
期待に添えると思いますよ。。
そしてサムはタイツの前に現れた。。。鬼の貌と共に。。。
タイツは戦慄した、、、ただ相見えるただけ、、、時間にしてコンマ7秒
仙水のS級ぶりを感じた時の飛影ばりに汗まみれになっているタイツをサムは一瞥して言い放った。。
まだ早い。。。
その瞬間、、二人の『格』が決まった。。。戦うまでもなかった。。。
サムの出現によりタイツは日陰の生活を余儀なくされた、、、こんな屈辱は初めてだった。完全に戦意を喪失していた、、涙を流した、、、それも初めてのことだった。。。。
認めるのか、、、負けを、、、まだ、、戦ってもいない相手に。。。
タイツは自問自答する。
No! 断念!! 認めない、、、認めたくない!!!
タイツは筋トレの量をその日から三倍に増やした。 あの化け物に勝つために。。。
16日後、タイツはサムの前にいた。。 不思議と恐怖は、、無かった、、、落ち着いていた。。。こんなにすがすがしい気分は生まれて初めてかもしれない。。。
・・・サム・・・俺と・・・戦ってください・・・
タイツの声が言う、、同時に周囲の喧騒が止んだのは時間にして2秒、、、その次には、、周囲の話題はタイツに向けられた。
「シンシティ君」:
あいつ、、死ぬ気か、、、、
「淡路」:
ほうっておけ、、、すぐに気づく。。。
ザワザワ、、、ザワザワ、、、
「サム」:
タイツ、、、お前、、、覚悟して来ているんだよな、、、相手を屠ろうとするってことは、、、自分も屠られるかもしれないっていう、、、覚悟をしてきているんだよな?
「タイツ」:
サム、、、その逆も然りだ、、、あんたは、、どーなんだ? 屠られるかもしれないっていう『覚悟』はできているのか? 俺はできている!!!
「サム」:
Really?、、、
サムが怒髪する、、、
「ケニー」:
あ、、あの阿呆!! あかん、、サム怒ってるよ、、、ハアハア、、、息が、、詰まりそうだ。。。
「テンマ」:
タイーツ!!!!!
「サム」:
遊ぼうか。。。
シンシティ君が率先してアームレスリング用の台を用意する。。
「シンシティ君」
は、、、始まる。。。。
サムとタイツはお互いの右手を出す、、、そして組む、、、、それだけで、、たったそれだけで、、解ってしまった。。自分の敗北を、、、だが、、タイツはその事実を無視する、、、たとえ敗けると思っていても、、、漢には、、戦わなくてはいけないときがあるからだ。。
その瞬間タイツとサムが世界から遮断された、、、周囲の音が意味をなくす、、、、薄い光に包まれた箱の中にはタイツとサムだけがいる。。。。
「サム」:
Come On
「タイツ」:
俺の全てをぶつける!!!!
続く!!!
参考書籍:
『範馬刃牙-SON OF OGRE-』
『疵(きず)- 花形敬とその時代』
『トゥギャザーアローン』