Zeiss Ikonta達

アナログ写真(銀塩写真)。80年に近い大昔からやや古いカメラ達と遊んでいます。
世界を席捲した名機達の紹介です。

Zeiss Ikonta 幻の516型

2012年05月27日 17時08分46秒 | クラッシクカメラ
Zeiss Ikonta 幻の516型

Ikontaの祖型と成った機種が「Icarette」・「Kocarette」・「Ikonette」です。
型番はフォーマットにより異なり206・207・209・488・493・495・496・498・500・501・502・504・509・512・514・517・518・519・521・522・551(註1)
フォーマットは6×6・6×9・116(6.5×11)。

ICA社の成立、Zeiss Ikon社の成立頃には、ICA社、コンテッサ ネッテル社などの主要メーカーがおびただしい量でおびただしい種類のカメラを生産していました。
(註1:詳細は以下に詳しいです。小林昭夫 「ツァイス・イコンに集められたロールフィルムカメラ・ホールディングカメラ」『クラシックカメラ専科81 ツァイス・イコンカメラ総特集-イカレッテ・コカレッテ・コンテッサ35・ボックス・テンゴール編』2006 朝日ソノラマ)

1956年のドイツカメラ業界の大統合により成立したZeiss Ikon社は、500種以上にわたった種類のカメラの整理し、新たに登場したのが「Ikonta」。
初期Ikontaは、1932年8角形型520/2が初出。
1934年にSupper Ikonta530/2が発売され、1936年初期531/2が発売。この時に、多重露光防止措置が付けられる。真鍮に黒塗装(エナメル?)を施した装置である。
後に、この多重露光防止装置がクロームメッキのシルバーになり、一般的に知られる「531/2」となり、戦後に生産が再開されている。
この間に、530/2にはレリーズがボディー左上に付き、1937年には、レンズを繰り出す装置が「波形」から「曲線」に改良されている。
Supper Ikontaには「530/2」と「530/2改」・「初期531/2」・「531/2」の4タイプが存在する(戦後生産は除いて)。


幻の「516」型

般的に知られている型番の中で「516」は欠番とされる事があります。Icarette・Kocaretteの型番は上記の通りです。それと、Ikontaシリーズの型番は以前に記しました。WEB上でも「516」を載せる記事は有りません。
世界中のカメラの型番を記した本にも出てこない(書籍名は不明ですが、東京L社で調べて貰いました)。
「516」は初期「531」のレンジファインダーを取り除いた形。「521」(1938年発売)の多重露光防止装置のクロームシルバーを真鍮に黒塗装にし、レンズの繰り出し装置=「襷」は「曲線形」です。
基本形状は、「初期531」の特徴と「531」の特徴を併せ持つのが「516」。
この特徴から、生産は、1936年から1937年の頃、特に「襷」が「曲線形」に成るのが1937年中頃と言われています(註2)。

(註2:片山良平 「スプリングカメラを主導した「イコンタ」の変遷」・「スプリングカメラを主導した「イコンタ」の変遷」<続>『クラシックカメラ専科80』・『クラシックカメラ専科81』2006)
上記内容を検討すると、「516」型は、1937年後半頃に開発された、「521」型に先行する型式と考えられます

型番一覧からも見られない「516」。
「516」には、6×4.5・6×6・6×9の3機種が存在することが確認出来ました。

今日は、写真を掲載します。

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