6月30日の土曜日の夜9時からフジテレビで、
土曜プレミアム
「世界がもし100人の村だったら5」を見ました。
世界中の不幸な子供を集めてきて、
平和な日本でお涙頂戴するという、
「世界残酷物語-子供編」みたいな作りの番組です。
金を掘るための深さ15mの穴で仕事をする9歳の男の子や、
ロシアで兵士として軍事訓練を受ける10歳の男の子が紹介されましたが、
やっぱり世界の貧困と云えば大トリを勤めるのは、
フィリピンのスモーキーマウンテンになるんですね。
どうして彼らが100人の村の1人になのかは分かりませんが。
2年前に同取材をした女の子を捜すところから、
フィリピンの話は始まりました。
トンドに住んで家族のために、
ゴミの山から売れる物を掘り出して、
生計をたてている14歳の少女マニカちゃんが主人公です。
彼女の一家はお母さんのノラさん(41)と、
弟のアンボ(12)、末っ子のアルマンド(5)の4人暮らしです。
お父さんは殺されてしまいました。
寝たきりのお母さんは、
重度の貧血なのだそうですが、
家族で一番恰幅が良く見えたのはJJだけでしょうか。
はじめにトンドを紹介する映像が流れましたが、
JJにも見覚えのあるような景色もありました。
以前に住んでいたバラックの家を訪ねると、
そこには別人が住んでいます。
彼女の消息が知れません。
夕方のスモーキーマウンテンで彼女を探し、
半分諦めかけたとき偶然にマニカちゃんと弟に会えました。
彼女は貧民層のために建てられたアパートに移り住んでいたんです。
ここはJJの彼女Cの家の近所・・・
とういか同じ並びです。
以前に
空中写真で紹介したました。
このKatuparanに今回の主人公も住んでいるんですね。
だけどビルの外壁がオレンジ色に塗られ、
彼女のBLDGよりは綺麗な感じです。
懐かしいスタッフに会った彼女は、
早速自分の家へ案内するために、
アパートの玄関にあたる階段から入りました。
この場面・・・おやっと思いましたよ。
もし録画をされている方は検証してください
レポーターの酒井美紀が階段の手すりに摑まった瞬間を。
彼女の家についてこのブログに書いたときに、
「汚いから階段の手すりは絶対にさわるな」
と注意をされたことを話しました。
ホコリか何かが人間の垢に水分を加えたような物質となって、
分厚く積もっていたんです。
階段は共有部分ですから、
誰がが掃除をしないと汚れますね。
子供たちが気にしないで手すりに触ったということは、
それなりに清掃してくれるシステムがあるということです。
マニカちゃんの家は小さいながらも二部屋(一つはロフト)になっていました。
JJの彼女の家の方が少し広いですが、
一部屋ですから二部屋はある意味リッチなんですね。
家賃は月3000ペソ(約7500円)だそうで、
引っ越した事によりこの家賃が重く圧し掛かり、
家計がさらに苦しくなったんですって。
電機・水道は止められ、食べる事さえままならないようです。
(注-コメントでDreamersさんから間違いのご指摘を頂きました。
本当は1000ペソです。
訂正すると共に関係者の皆様?にお詫び申し上げます・・・4/16)
ちなみにJJの彼女Cの家は家賃が、
月2000ペソ(約5000円)ですから、
トンドの中でも底辺であるこの撮影現場より、
さらに安いところに住んでいるってことですね(涙)
マニカちゃんはアンボと階段の隙間から下の階を覗き、
廊下で他の家族が子供にスイカを食べさせているを黙ってみていました。
この時にも手摺?にもたれ掛かっていますね。
このシーンを見たテレビのスタジオでは、
ゲストが「可哀想だ」とメソメソ泣いていましたが、
JJは廊下部分も綺麗なことへの驚きの方が大きかったですよ。
ここでJJの推理ですが・・・
この貧困層アパートはなかなか空きが出ません。
たぶんマニカちゃんの一家は、たまたま空いた3000ペソの部屋を、
なんの計画もなく勢いで借りてしまったのでしょう。
後先のことは考えないフィリピン人ならではですね。
ゴミ山の中からまだ履ける靴下を見つけたマニカちゃん。
「とっても嬉しいわ」
と早速履いていましたね。
そんなに靴下が欲しかったのでしょうか?
この日は稼ぎが良かった方で、
150ペソになりました。
現役の方のスモーキーマウンテン
マニカちゃん一家はあまりに生活が苦しいので、
一番下の子供を近所の家へ預けようとしますが、
子供がグズッたので断念しました。
スタジオは涙なみだのシーンです。
「あぁ、世の中にこんな事があってはいけない」ってね。
でもフィリピンでは近所や親戚に子供を預けるのなんて、
日常茶飯事で良く聞く話ですよね。
実際にフィリピンで生活をされている方のブログを見ても、
遠い親戚の子供を預かっている人が大勢居ます。
Cだって生活にちょっと余裕が出たと部屋を借りて、
田舎から親戚のおばさんと従姉妹を呼んで、
従姉妹が学校を卒業するまで面倒をみようと計画したんですって。
JJには相談なしに話が進んでいましたが止めたんですよ。
だって余裕が出たのはJJの民間援助金のお陰ですから、
止めさせる権利がありますものね。
普段は自分が食べられないとボヤイテいるくせに、
生活が多少向上した途端に他人の面倒をみたがるんです。
フィリピンの「美徳」だからしょうがないんですけれどもね。
そう、ここの国民はすごい裕福でなくても、
少しの余裕があれば他人の面倒を見たがる人々です。
連れ帰られたマニカちゃんの弟にとっては、
それが幸せだったのか長い生涯でみたら分かりません。
預ける方も預かる方も日本人が考えるほどには、
そんなに深刻ではないのかもしれません。
日本人の尺度で勝手に「可哀想な話」にしているんですね。
見ず知らずの国の子供のことに涙しますが、
日本だって100年ほど前は「おしん」のように、
養子や奉公に出されたんですけれどもね。
このテレビ局は2年前にも取材をしていて、
その後一時期ですがお母さんの体調がよくなり、
働きに出て家計にゆとりができたので、
マニカちゃんも少しだけ学校に通える時期があったそうです。
(・・・ふ~ん・・・)
12歳ですが小学校2年生のクラスに入りました。
数ヶ月は学校に通える幸せを味わうのですが、
ふたたびお母さんの具合が悪くなり、
またゴミの山を掻き分ける生活に戻りました。
ここでもゲストの涙ぐむ場面を映しています。
再びJJの推理ですが・・・
「同情するなら金をくれ」
当事者ならそう考えても当然でしょう。
トンドでなくても日本人とみたら、
何とかしてお金がほしい国です。
写真を撮ったというだけでお金を要求するマニラです。
めったに外国人なんか来ないトンドで、
日本のテレビが取材なんか来たら、
当然のように出演料?を請求するでしょうね。
「国際友好のためにタダで映していいよー」
なんて有り得ませんから。
前回の取材では多少のお金を家族に払ったのでしょう。
(地域の長や近所の人だって黙ってみていないですよね)
そのお金は家族全員のものですが、
主人公のマニカちゃんが褒美に学校に行かせてもらったと推理しても、
どこに無理があるでしょう。
前回の取材は2年前だと言っていましたね。
実際にマニカちゃんが学校に通ったのは、
2005年~2006年です。
マニカちゃんと弟そして末っ子と三人は、
スモーキーマウンテンで大人たちに混ざって、
ゴミ拾いを行うようになりました。
トラックから降ろされるゴミの山を、
金になる物を探し出すために、
皆が先を争って拾っています。
機械に巻き込まれたり、トラックに撥ねられたりと、
危険と隣り合った作業です。
食べるためとは言え、幼い兄弟には大変でしょうね。
「仕事が無い」
「給料が安くて働くのが馬鹿らしい」
といろいろな理由をつけて働かない人の多い国で、
この兄弟は立派だと思いますよ。
でもCに聞いたら
「あそこで働く子供は沢山居る」んだそうで、
「じゃあ、あなたもスモーキーマウンテンで働いたら」と聞いたら、
「それは格好悪いし、あそこは臭いでしょ」
と言われました。
世界の人々からみると、
日本人は自分で人生をある程度決められる数少ない国の民です。
そして世界の大半は生まれ落ちたときから人生が決まっていて、
普通の努力では何も変えることの出来ない一生をおくる人々です。
ですから可哀想に思うのは勝手ですが、
フィリピンにはそんな人々が沢山居るということは、
現地組の方々は十二分に承知されていますよね。
テレビ局も本当にマニカちゃんのことを考えているなら、
当日は昼間より予告していたゴールデンタイムの番組ですから、
制作費の中の海外取材費を少し倹約して、
出演料として100万円でもマニカちゃんにあげられたでしょう。
そうしたらマニカちゃんが二十歳になるまで、
毎月々1万円の生活費が得られますよね。
これで家賃や光熱費は充分賄えますから、
ふたたび学校にだって通えます。
それをテレビ局がしないのは、
マニカちゃんの生活が今のままであってほしいからでしょう。
番組チャリティーキャンペーンとして、
0990-588-883に電話すると315円の寄付が出来るんだそうですが、
世界155ヶ国の恵まれない子供たちにあげるそうで、
なんで今回紹介した子供たちに多くないのよ!
とはフィリピン贔屓のJJの意見です。
しかも寄付の紹介があったのは番組の初めです。
まだ番組に感動も何もない時に流しちゃっています。
番組の最後に特別にマニカちゃんの支援として、
視聴者に募金を呼びかけるわけでもないし、
NGOにマニカちゃんを紹介する訳でもありませんでした。
それが彼女の決められた人生ならば、
簡単に生涯を変えてはいけないと判断したのでしょう。
日本でテレビを見ていた人々へは、
遠い国の子供に涙するだけで、
テレビ局もそれ(視聴率)以上は望んでいないのでしょうね。
しかし「
天国に一番遠い島」のHELLさんは、
毎日お酒を飲んで面白楽しく生きているようですが、
何人もの貧しい子供の面倒見ていて、
彼らを学校に行かせ卒業させています。
小学校だけでなく大学まで行かせるなんて、
なかなか出来る事ではありませんね。
ことさらのように取り上げて、
その場限りの涙を誘う日本のテレビ局。
個人の力で現地の子供を幸せにしている日本人。
「遥々日本からテレビ取材班がトンドまで行ってこの程度かよ」
というのが正直な感想です。
この程度の番組では、
多少なりともフィリピンを知ってしまった人間には、
感動なんてありませんでした。
おまけ
放送の後日、Cに電話をしたときの話。
J「スモーキーマウンテンでゴミ拾いをしている子供がテレビに出たよ」
C「そうですか」
J「日本人は見ていて可哀想だと泣いていたよ」
C「そうね、大変でしょ」
J「オレンジのアパートに住んでいるんだって」
C「あっちはスモーキーマウンテンに近い方よ。
30番代の棟のアパートね」
(一緒にはされたくない雰囲気)
J「家賃が高くて電気とか水道を止められているんだって」
C「あはは」
J「あなたの家は大丈夫でしょ」
C「たまに大丈夫じゃなーい」
J「・・・家賃も安いのに・・・それって・・・・」