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武漢封鎖はウイグル人弾圧と同じ手法、中国市民の「目覚め」願う亡命者

2020-03-02 10:14:08 | 民族・人種問題・宗教・人権問題(差別・迫害)

武漢封鎖はウイグル人弾圧と同じ手法、中国市民の「目覚め」願う亡命者

2020年3月1日 13:57 発信地:ジュネーブ/スイス   AFP

スイス・ジュネーブで、AFPのインタビューに応じた著名なウイグル人知識人イリハム・トフティ氏の娘のジェウヘルさん(2020年2月18日撮影)

【3月1日 AFP】新型コロナウイルス対策のために取られた過酷な措置の下で苦しむ

中国の人々は、国内の少数民族に対して同じような手段が何年にもわたって取られて

きたことを認識すべきだ――中国から亡命したウイグル人の人権活動家がAFPの

インタビューに対してそう語った。

 

 中国で収監されているウイグル人の知識人イリハム・トフティ(Ilham Tohti)氏の

娘ジェウヘル(Jewher Ilham)さんは、数千万人もの人々を移動の自由がほとんどない

封鎖状態の下に置くといった中国政府の措置の一部を批判。

 

 ジェウヘルさんはこの厳しい措置について、同国北西部に位置する新疆ウイグル

自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でウイグル人が長年にわたって直面

してきた抑圧的な手法と同様のものと主張し、一般の中国人の間でウイグル人に対する

関心を高め、さらなる共感を呼ぶことになるかもしれないと期待していると語った。

 

 人権活動家らの会合に出席するためにスイスのジュネーブを訪れていたジェウヘルさん

は、AFPの取材に対し「標的になっているのはウイグル人だけではない、と中国の市民が

認識すべき時だ」と主張。

 

 ジェウヘルさんの父イリハム氏は2014年、「国家分裂罪」で無期懲役を言い渡された。

その一方でこの裁判をめぐっては国際的な非難の声が上がった。

 

 ジェウヘルさんは一般の中国人たちも、権利を踏みにじられているのは「テロリスト

たち」だけではないと気付く時だと話す。

 

「これは宗教の問題ではなく、私たちのアイデンティティーの問題でもありません。

これは人権の問題なのです」とジェウヘルさんは語った。

 

 中国は同自治区にある収容施設で、ウイグル人および他のチュルク(Turkic)語系

イスラム教少数民族など、推定100万人を拘束下に置いているとして、国際社会からの

非難に直面している。人権団体は、政治的な洗脳や主要民族である漢民族社会への

同化を収容者らが強いられていると指摘している。

 

 中国政府は、一連の施設が、職業訓練と北京語教育を通してテロリズムと闘うために

必要な「職業訓練センター」であるとしている。

 

 その一方で中国当局は、新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の拡大を阻止するため、

思い切った手段を取ってきた。

 

 同国中部・湖北(Hubei)省、そして同省の省都であり、新型ウイルス流行の中心地

である武漢(Wuhan)の住民約5600万人は、これまでに例のない封鎖措置下にある。

 

 当局は、症状のある人は誰であれ隔離状態に置くために戸別訪問を開始。これまでの

ところ、爆発的な世界規模の流行を回避したことを中国政府の功績としている世界保健

機関(WHO)からは称賛を得ている。

 

 だが人権活動家らは、移動および表現の自由に対する締め付けについて警鐘を鳴らして

おり、また封鎖下にある人々の食料や医薬品へのアクセス機会について疑問符を付けて

いる。

 

 ジェウヘルさんは「武漢の感染者や非感染者に対する扱いは、今に始まったこと

ではない。自宅に閉じ込めたり、食料を与えなかったり、過去10年にわたってウイグル人

が経験してきたことと、とてもよく似ていると分かった」と指摘。

 

 政府の抑圧的な行為に対し「中国の市民がこんな形で目を覚ます」のが残念だと話す。

 

「でも、彼らが共感するようになってくれたり、私たちは皆同じ状況に直面している…と

いうことを知ってくれたりしたらと願っている」

 

 ジェウヘルさんの父親であるイリハム氏は、「ウイグルオンライン(UighurOnline)」

という名のウェブサイトを運営し、同自治区における民族間の緊張に目を向けさせる

穏健な主張で名声を得ていた。

 

 ジェウヘルさんは、父親に対する罪状は「ばかげたもの」で、ウイグル人やその他の

少数民族への扱いについての批判を黙らせるために父親は逮捕されたと話す。

 

 ジェウヘルさんによると、2017年以降イリハム氏の消息が途絶えており、父親が

「(別の場所へ)移送されたのか、まだ同じ刑務所にいるのか、収容施設に送られたの

かも分からない。生きているのかどうかさえ分からない」という。

 

 新型ウイルスが猛威を振るう今、父親が収容施設にいるかもしれないと想像することは

恐ろしい。

 

 厳重に統制された同自治区における新型ウイルスへの感染者数について、

亡命ウイグル人や人権監視団体は、当局が報告している数字は正確ではない可能性が

あると懸念。

 

 また、過密状態の収容施設で新型ウイルスが実際に流行した場合の影響を危惧している。

 

 ジェウヘルさんは「実のところこれが最も懸念していることの一つ」と話し、

WHOに対して「現状と実際の数字を評価するために」同自治区へ代表団を派遣するよう

求めている。

マンガ「私の身に起きたこと ~とある在日ウイグル人男性の証言~」

 


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