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立命大元准教授を米軍が拘束 IS危険人物テロ容疑

2019-06-07 18:22:23 | ISIS・過激武装勢力

立命大元准教授を米軍が拘束。IS危険人物テロ容疑

2019.6.7

イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に参加するため中東へ渡航し、2016年に

日本人7人を含む20人が犠牲となったバングラデシュ首都ダッカのテロ事件にも関与したとみられる

同国出身の立命館大元准教授、モハマド・サイフラ・オザキ容疑者が、イラク北部で米軍に拘束されて

いることが6日、分かった。複数の情報筋が明らかにした。IS戦闘員の中でも、組織中枢や

テロ情報にアクセス可能だった「重要かつ危険な人物」の一人として尋問を受けている可能性がある。

モハンマド・サイフラ・オザキ容疑者(バングラデシュ警察提供・共同)


 同容疑者は日本とバングラの二重国籍で、今後は、両国が身柄の送還を求めるのかや、その場合は

司法での裁きが可能なのかなどが焦点となる。


 オザキ容疑者は立命館大准教授だった16年初め、日本人の妻や子供3人とともに消息を絶った。

複数の国を経由して当時IS支配下にあったシリア北部に渡ったとみられる。ISではバングラ

出身者らのグループを統率。南アジアにおけるテロ・ネットワークの構築で中心的な役割を果たしたと

される。


 16年7月にダッカのレストランが襲撃されたテロとのつながりが指摘され、バングラ治安当局は、

実行犯の徴募や資金集めを担った同容疑者が、実質的にテロを計画・指揮した可能性が高いと分析。

オザキ容疑者には、14年にバングラ人の過激派2人を日本経由でシリアへ送り出した疑いもある。


 シリアでは今年3月中旬、IS最後の拠点だった東部バグズ村が、米軍やその支援を受ける

民兵組織によって陥落。オザキ容疑者はその際に身柄を拘束され、イラク北部にある米軍の収容施設に

移送された。オザキ容疑者の妻と子供2人は空爆で死亡。現地で生まれたとみられる子を含む

子供3人は生存している。


 米軍は、IS指導者のバグダーディ容疑者ら最高幹部の所在につながる可能性のある者や、

確度の高いテロ情報を持つと目される者などを選別して収容・尋問しているとされ、オザキ容疑者の

身柄は慎重に取り扱うものとみられる。


米軍拘束の元准教授 IS重用か 日本での裁き 高い壁

 イラク北部で拘束されている立命館大元准教授、モハマド・サイフラ・オザキ容疑者は、

イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)で、祖国バングラデシュ出身の戦闘員らから

「アミール(アラビア語で司令官)」と呼ばれ、ISの南アジア浸透に大きな役割を果たしたと

みられている。国際テロに詳しい専門家は「大学で教職にあった知的水準の高さから、IS内で

重用されたのではないか」と分析している。

 

 オザキ容疑者はバングラデシュでは少数派のヒンズー教の家庭に生まれた。日本に留学し、

その後、イスラムに改宗。日本人女性と結婚し、日本国籍も取得した。改宗や急速な過激化の

経緯は不明だが、バングラデシュのメディアは、イスラム教徒の日本人研究者らの影響を受けた-

との見方を伝えている。


 拘束先の米軍施設でオザキ容疑者は、IS内での役割や、各地のテロ組織・細胞とのつながり、

幹部の所在など多岐にわたる尋問を受けているとみられる。同容疑者の身柄や供述は、2016年に

バングラデシュの首都ダッカで日本人7人が死亡したテロの全容解明に向けた捜査などでも重要な

意味を持つ。


 ただ、「日本の現行法では(オザキ容疑者の)犯罪を立証し長期収監するなどの措置はハードルが高い」

(情報筋)のが実情だ。


 バングラデシュ側も、政府レベルでは「国内にISネットワークは存在しない」としているため、

同容疑者の自国への送還に二の足を踏むとの見方が強い。


 ISをめぐり国際社会では、自国民の戦闘員をどう裁き、また、その家族らをどう社会に

再統合していくかが大きな課題となっている。オザキ容疑者の存在は、日本もそうした世界的課題と

無縁ではないという現実を突きつけている。