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<フィリピン火山噴火続報>数日内に「危険な噴火」の恐れ

2020-01-15 09:56:17 | 天災・地震・台風・豪雨・火山・大火災

フィリピンで火山噴火、数日内に「危険な噴火」の恐れ

2020年01月14日           BBC

タール火山から降りそそぐ火山灰は周辺地域で暮らす数千人に影響をおよぼしている

 

フィリピンの首都マニラの南約70キロにあるタール火山が12日午後、噴火した。13日早朝には、

ゆるやかなマグマの噴出が確認され、当局は「今後数時間から数日の間」に「危険な噴火」の恐れが

あるとして、警戒を呼びかけている。

タール火山は、フィリピンで2番目に活発な火山として知られる。

 

12日の噴火では、ゴウゴウという音と共に大量の火山灰が噴出。揺れも報告された。周辺地域の

住民約8000人が避難を余儀なくされた。

バタンガス州当局は、大きな混乱状態を意味する「災害事態宣言」を発令した。

溶岩が噴出し始めたタール火山

 

ルソン島タール湖の中央に位置するタール火山は、世界有数の小規模火山。過去450年間で少なくとも

34回の噴火が確認されている。

世界で最も活発な活断層がある環太平洋火山帯に位置するフィリピンでは、地震や火山活動は

めずらしいことではない。

火山灰に覆われた住宅地、車や道路

地震が75回発生

フィリピン火山地震研究所(Phivolcs)によると、タール火山の周辺地域では計75回の地震が発生。

そのうち32回はマグニチュード2以上だったという。

 

同研究所は声明で、「タール火山は激しい変動(intense unrest)の段階に突入した。(中略)

13日午前2時49分から午前4時28分にかけて、マグマ噴火へと移行した。(中略)これは、火山雷を

伴った弱い溶岩噴泉が特徴だ」としている。

 

一方で同研究所のレナート・ソリドゥム氏は、「火山灰や噴石、火山ガスが、時速60キロ以上の

速さで水平方向に噴出」するなどの危険な噴火の兆候はまだ確認されていないと述べたと、CNN

フィリピンは報じている。

同研究所は現在、噴火警戒レベルを5段階中3から4へと引き上げている。

岩くずが海水などに流れ込み津波を引き起こす「火山津波」が起こりうるとして、当局は注意を

促している。

 

タール火山周辺に45万人超か

国連人道問題調整事務所(OCHA)は、タール火山から半径14キロの範囲内に45万人以上が

暮らしていると推定している。

タール火山(Taal volcano)周辺地域の地図。タール火山から半径14キロの範囲(赤色の円の内側)には45万9300人が、半径17キロの範囲(黄色い円の内側)には93万1400人が暮らしている。  出典:国連人道問題調整事務所(OCHA)

降灰の影響でマスクが売り切れに

火山灰は複数の周辺地域に降り注いでおり、住民らにマスクの着用が呼びかけられた。マニラの

とある住民によると、複数の店でマスクが売り切れ始めているという。

 

パラニャーケ在住のエンジェル・バウティスタ氏は、ロイター通信に対し、「自分の車を見に

行ったら、火山灰で覆われていた。マスクを買いに急いで薬局まで行ったけど売り切れていた」と

述べた。

フィリピン政府は、マスク需要が急増する中、マスクを値上げしないよう小売業者に警告している。

鳥類も火山灰に覆われた

飛行機の運航が停止

降灰の影響により、マニラのニノイ・アキノ国際空港を12日に発着する全ての便が運航停止となった。

フィリピン火山地震研究所は、「空中に舞う火山灰や、火山の噴出物が(中略)航空機に危険を

及ぼした」としている。

航空当局は、13日午前10時の時点で出発便の一部、正午の時点で到着便の一部の運航をそれぞれ

再開した。

フィリピン証券取引所は13日を休みとした。

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、マニラの政府機関の業務停止や、マニラ市内のすべての

学校の閉鎖を指示した。

 

噴火警戒レベル(出典:Phivolcs)

0 - 穏やか

1 - 多少の火山現象はあるが、即座の噴火はない

2 - 小規模から中規模の地震活動あり。噴火につながる可能性あり

3 - 比較的高い変動あり。数日から数週間以内に噴火の可能性はあるが、落ち着く可能性もある

4 - 激しい変動あり。数日以内に危険な噴火の可能性あり

5 - 危険な噴火。マグマや火山灰の噴出、周辺地域への危険あり

 

(英語記事 Philippine Taal volcano begins spewing lava 

 

12日午後にタール火山が噴火した影響は日系企業や在留日本人にも広がっている

2020.1.15   まにら新聞

 バタンガス州のタール火山(311メートル)が噴火した影響は、日系企業や在留日本人にも

広がっている。バタンガス州にあるリマ工業団地(火山の東側のマルバル町)の日系製造メーカーは

「夜間の製造を見合わせて操業を続けているが、被害が長期間続けば影響は大きくなる」と懸念する。

 

 噴火警戒レベル4(危険な噴火の切迫)を受けて、工場労働者の出勤率は普段の7割程度に低下、

稼働率も下がっているという。労働者は地元居住者がほとんどで「操業するかどうかは前日に

決めている状況」と話す。

 

 火山の北側、タガイタイ市スンダイウエストに住む田中伸和さんは12日午後4時ごろ、北方の

カルモナ町からの帰路で噴火に気づいた。「タガイタイに近づくにつれて大渋滞になっていった。

自宅では停電と断水が続いたが、イヌとオウムを飼っているので避難できなかった」と話す。

硫黄の臭いに頭痛をしながら過ごすと、13日の朝には降灰で自宅裏のパイナップル畑が一面灰色に

染まっていた。

 

 「雨で濡れた灰は重たく自宅の植木も多くが倒れた。農業被害も大きいのではないか」と

心配そうに話した。13日にはカビテ州ダスマリニャス市に行ってネットを使い、冷蔵が不要な食料を

確保してきたという。

 

 タガイタイ市に隣接するアルフォンソ町に住む南ルソン日本人会の田中耕蔵代表は14日

「きょうになって水道は回復したが、電気はまだ止まったまま。昨日は閉まっていたガソリン

スタンドが開いていたので古い発電機を動かしてしのいでいる」と話した。

市内は依然大量の灰が舞い、視界は悪いという。

 


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