在韓米軍、「斬首作戦」用の長距離空対地ミサイルを配備
2017/06/27 09:24 朝鮮日報
在韓米軍が最近、軍事境界線(MDL)以南の空域から平壌の主要施設などを精密攻撃できる長距離空対地ミサイル
「統合空対地スタンドオフ・ミサイル」(JASSM)約10発を全羅北道群山の米空軍第8戦闘航空団(8FW)に配備したこと
が、26日までに分かった。これに関連して韓米は、有事の際に北朝鮮の党・政・軍高官を早期に除去するため、こうした
人物の勤務地や居住地などについての情報収集も行っていると伝えられている。
JASSMは、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長など北朝鮮首脳部に対する「斬首作戦」に活用できる兵器で、射
程は370キロ、着弾誤差は2メートル前後だ。群山基地に展開する米軍のF16戦闘機に搭載され、離陸直後の群山上
空からでも平壌を攻撃できる。改良型のJASSM-ERは射程が1000キロに達する。群山に配備されたのが旧型の
JASSMなのか、改良型のJASSM-ERなのかは確認されていない。
在韓米軍がJASSMを配備した時期は先月末、「高高度防衛ミサイル(THAAD)ランチャー4基の追加搬入報告漏れ」
疑惑が持ち上がった直後とみられる。在韓米軍は、有事の際に北朝鮮のミサイルをTHAADで迎撃した後、JASSMで北
朝鮮の主要施設を精密攻撃するという計画を立てていたが、THAADの戦力化が遅れる兆しがあることを受け、JASSM
の配備を前倒ししたと伝えられている。韓国軍の消息筋は「ビンセント・ブルックス在韓米軍司令官が今月22日に8FW
を視察したのも、これと関連がある」と語った。
JASSMは、韓国空軍も一時配備を検討していた兵器だ。しかし米国政府は2013年、JASSMは戦略兵器だという理
由から韓国への販売を許可しなかった。韓国軍がドイツ製の空対地ミサイル「タウルス」を配備したのも、このためだ。
これに関して、複数の脱北者が伝えるところによると、韓米の情報当局は最近、平壌出身の脱北者などを対象に、北
朝鮮高官層が集まる平壌のマンション団地について位置情報の収集に乗り出したという。平壌出身のある脱北者は「労
働党・軍部・内閣の高官は平壌の特定地域に集まって暮らしている。関連情報を韓米の情報機関要員に提供し、所定
の報酬を受け取った」と語った。有事の際の精密攻撃、もしくは特殊作戦部隊の潜入のため座標を確保しようと、韓米
情報当局が従来の位置情報とのクロスチェックを行ったものとみられる。
一方読売新聞は26日、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35に敵基地攻撃用の空対地ミサイルを配備する案を
日本政府が検討している、と報じた。日本政府が念頭に置いているミサイルは、ノルウェーの企業がF35搭載用として
開発している射程およそ300キロの「ジョイント・ストライク・ミサイル」(JSM)だという。