滝野川消防署前からスタートした日光御成街道ウォーク2日目。
滝野川公園の隣の「国立印刷局東京工場」の前には警官のような
恰好の警備員が立つ。「建物は撮らないで下さい」。
国立印刷局は造幣局とは違い、日本銀行券(お札)の他、切手、
証券、旅券や官報などの印刷を行うところ。港区の本局と全国に
6工場1研究所がある。
この先に見えるのが「西ヶ原一里塚」。都内で東西両方の塚が
残るのはここと中山道の志村一里塚だけである。1日目の出発点、
本郷追分からやっと一里(4キロ)である。
日光御成街道の起点は日本橋ではないが一里塚は日本橋基準と
なっているのでこの西ヶ原は二番目の一里塚。
大正時代、都電(当時市電)の延長にあたって撤去されること
になったが、渋沢栄一などにより反対意見が出て残されたもので
ある。当時の塚木の榎は枯れたため植え替えられている。
この先の飛鳥山に本邸を構えた渋沢栄一が崇拝し社額を寄贈した
という近くの七社神社にも寄ってみる。元は無量寺内にあった神社
だが、神仏分離でここにあった一本杉神明社に移ったもの。
一里塚交差点から始まる本郷通り沿いの「飛鳥山公園」は、
江戸庶民の唯一の桜のみどころだった上野寛永寺の風紀の乱れ
を糺すため八代吉宗が造らせた桜の名所、今は北区立公園。
2万2千坪の1/3ほどが渋沢栄一の本邸があったところで、
青淵文庫(書庫)、晩香蘆(レセプションホール)、庭園などが
残り、2/3が児童向けの公園となっている。
狙いの渋沢史料館は補修工事中で休館。大きな銀傘屋根を持つ
地域博物館のレストランで遅い昼食をとる。全体に纏まりのない
公園という感じ。王子駅側からの眺望だけはよい。
渋沢邸の一画、晩香蘆
飛鳥山公園ホームページからの俯瞰写真、左下が王子駅
飛鳥山公園を出て本郷通りへ戻ると都電荒川線が顔を出す。
この「西ヶ原」交差点で本郷通りも終わり、御成街道は国道122号
(明治通り)となって右折、王子駅へと下って行く。左奥が北区役所、
正面の茂みが王子神社である。続きは明日。