女子卓球のベテラン、石川佳純が引退を発表した。
「自分の中ではやり切ったという思いが強く引退を決意した」
と語る。
小学1年で卓球を始め、中学時代に日本選手権最年少4強、
世界選手権最年少出場。以降、五輪3大会連続団体入賞など
華やかな戦績で日本女子卓球界を牽引した功績は大きい。
しかし、スランプの時代も長かった。世界ランクポイントを
稼ぐため、欧州の国際試合を転戦する姿を2年間密着取材した
ドキュメンタリーを観たことがある。
小さな国際大会の1回戦であっさり負け、次の大会に向けて
一人深夜バスで移動する傷心の佳純。「こんな時に取材する?」
と怒る佳純、暗い車窓を眺め無言が続く。
やがて諦めたように取材記者にポツポツとしゃべり始める。
「試合に負けて心が負けたら終わり」、自分に言い聞かせる
ようだった。
その後スランプを抜け、東京五輪の団体メンバーに復活し、
見事銀メダルに輝いた。確かに佳純は「やり切った」。
一昨日の弥生晦日、雨の合間の散歩から