須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

493号 目黒区議会議長・雨宮が居座った!自民党区議団のあきれた猿芝居!

2008-05-27 | 記 事
★自民区議団の猿芝居!議長・雨宮が居座った!

昨日(5月26日)の目黒区議会の臨時議会で、議長選出をめぐる一幕は、まさに「自民党目黒区議団猿芝居」といっていい。自民党目黒区議団(区議15人)は、自分らで議長候補もしぼり込めないテイタラク。結果として、現職議長の雨宮正弘が居座った。
こんな連中が、目黒区議会でいちばん区議が多い第1会派なのだから、どうしょうもないよ。どんな混乱ぶりだったのかは、これからじっくり説明する。

目黒区議会の議長選出をめぐる猿芝居とは、どんなものだったのか。お猿ちゃんに「自民党目黒区議団とおれたちを一緒くたにするんじゃねえよ」って叱られほど、くだらないものだった。
今回の臨時議会は、平成20年度の議長、副議長、常任委員会の委員長、委員などの議会の役職を決めるのが中心だった。

★辞表を提出しなければ、議長の任期は4年だよ!

目黒区議会の議長候補は、会派の議員がいちばん多い第1会派から選ぶのが慣例になっている。で、与党会派の自民、民主、公明、社民らが相乗りで、選挙で投票して議長を選ぶのだ。ちなみに目黒区議会の会派は、自民党15人、民主党7人、共産党5人、ぼくらの無所属・独歩4人、生活ネットと社民党は1人会派だ。
昨年5月に選出された現職の議長は、自民区議の雨宮正弘だ。
地方自治法第103条2項で「議長及び副議長の任期は、議員の任期による」と規定していて、議員の任期、つまり4年だ。

ところが、目黒区議会の場合、議長をこれまで第1会派の自民党が、原則として1年交代でやってきた。地方自治法上は、議長の任期は4年だが、議長が「この度の都合より議長職を退職したいので、お願いします」と辞表届を提出し、改めて後任の議長を選出するやり方をしてきたのだ。
ただし、現職の議長が辞表届を提出しなかれば、法律上は地方自治法で定める4年間、議長をやれるわけだ。

これまでに、自民党の石山京秀(昨年引退)と宮沢信男などが、2年間続けて議長をやった例がある。
結論から先にいえば、朝から夕方まで、さんざスッタモンダやった挙句、現職議長の雨宮が辞表を提出せず、議長に居座ったのだ。まあ、ゴネ得そのものだ。自民党が自分らの決めた申し合わせを、雨宮の造反に負けて、そんなやり方を許したのは、会派とはいえないよ。

★自民区議団は、議長候補も選べないテイタラク!

昨日1日の混乱ぶりは、こんな具合だった。
午前10時から、区議会の段取りを事前に決定する議会運営委員会(議運)が開かれた。ところが、自民党が議長などの役職が、まだ決まっていないという理由で、議運の開会直後に休憩に入った。そして、自民区議団は議員総会を開いた。

こんなことは、そもそも理由にならない。5月26日に臨時議会が開催され、役職の改選をやることは、昨年から決まっていたことだよ。それなのに自民党区議団は、議長候補を誰にするかを決められないで、臨時議会を迎えたのだから、無能力、バカじゃねえかということだ。
これまでにもさんざ議長候補しぼりをやってきたが、決められず、5月26日には、朝8時に自民党区議団が全員集合し議員総会。それでも結論がでなかった。どうしょうもないよ。その原因は、現職議長の雨宮が、辞表を提出するのを嫌がったからだ。

臨時議会の召集は、5月26日の1日だけで、午後1時から本会議と決まっていたので、直前の12時45分に議運を再開した。けれど、自民区議団が「役職がまた決定していない」として、午後1時に本会議を開会するが、すぐに休憩し、議運を開催することになった。
そして、議運を開いて、また休憩。いったい何をやっているのか。猿芝居だって、こんなバカなことはしないもんだ。
また、自民党は議員総会を開いた。でも、議長・雨宮に辞表を提出させることはできなかったのだ。

★決まってないのに「議長、二ノ宮」と議運で発表!

その後、午後3時に議運を再開。冒頭で、自民区議団幹事長の今井れい子が「役職については、幹事団に一任されていますので、それを発表します」といって、「議長、二ノ宮啓吉」と発表した。
それを聞いて、ぼくは「なんだ現職議長・雨宮は、突っ張って辞表提出を拒んだが、最後には辞表を提出しちゃったのか」と思った
そりゃそうだよ。議運で正式に発表し、雨宮は「待った!」をかけることもなったのだから、これで決まりだ。

けれど、今井が「幹事団に一任されていますので」といったのが、引っかかった。というのは、役職をどんな具合に選ぶかは、各会派の勝手だ。そんなことを議運の場で、説明する必要はないからだ。ちなみに、現在の自民幹事長・今井のあとの新幹事長は宮沢だ。一任されているというのは、宮沢が幹事長の新幹事団のことである。

現幹事長・今井は、議長に続いて、常任委員会の委員、審議会委員などの役職を発表。そのつぎに、民主党が役職を発表した。ぼくは、無所属・独歩の仲間の増田区議と議運を傍聴していたが、議長が雨宮から二ノ宮に代わるとわかったため、ぼくと増田区議は傍聴を辞めて、独歩の控室に戻った。
役職発表ならすぐに終わり、本会議が再開されるはずだ。が、なぜか議運が終らず、本会議が再開されなかった。

★「私は辞表を提出してない!」と造反し大混乱に!

ぼくと増田区議は「そうか、雨宮は辞表を提出してなかったのか?」。それでもめていると思った。無所属・独歩の仲間の梅原区議もそう思って、議会事務局に確認すると、やはり辞表を提出してなかったのだ。午後4時少し前、再度、議運の傍聴に駆けつけようとしたとき、議運はやっと終了した。
現職議長・雨宮が、「私は辞表をしていない!」と発言したときの様子を情報収集してみるとこうだった。

各会派の役職発表が終ったあと、雨宮が「私は辞表を提出していない!」と発言して、議運は大混乱。当然だ。自民区議団の役職発表は、いったいなんだったのか。どっきりカメラじゃないんだよ。バカにするにもほどがある。
議運の場で、自民党区議団のデタラメな内情が露呈した。自民区議団は、役職については、雨宮を含む15人全員が新幹事団に一任すると同意をしたとか、雨宮が「議長は1年間しかやらないというメモを書いて渡していた」などが暴露されたという。

これに対して、雨宮は「メモは書いたが、そんなつもりではなかった。新幹事団に一任したが、もう一度話し合うと思っていた」などと理由にならない反論をしたそうだ。が、そんなことはどうでもいい。しょせん、会派内がバラバラで、内紛があったということだ。そんな愚痴をいって、どうするんだ。
雨宮が辞表を提出してないのに、議運で正式に「議長、二ノ宮啓吉」と発表したのは、どういうことなんだ。

★雨宮自身は「最後は自分の意思表示、それ以外は関係ない」と!

雨宮が辞表を提出せず、自民区議団内で決められないもんだから、議運で発表して既成事実をつくって、雨宮の造反をつぶそうと画策したのだろう。あきれたものだ。けれど、それが失敗したということだ。
午後4時15分、本会議がされる前に喫煙室で、議長・雨宮にでくわした。で、雨宮に議運で「議長、二ノ宮と発表されたとき、なぜ違うとストップをかけなかったのか」と聞いた。雨宮は「各会派の発表がすべて終ってからでないと、混乱すると思って、そうした」。1年間で辞めるというメモについては「たしかにメモは書いたが、最後はおれの意思表示が重要だ」などといっていたよ。

本会議場で、雨宮が議長席に座ったとき、ぼくが「議長居座り大成功じゃないか。辞表を提出しなければ、あと3年議長をやっていられるぞ」ってヤジったら、雨宮はこっちを見て、うつむいていたっけ。
これまでに何回も、ぼくや増田区議が議長・雨宮に「議長の任期は、地方自治法上、4年間なんだから、辞表を提出しなければ、4年間やれるよ」って冗談半分にいったことがある。けれど、まさかホントにそうなるとはね。

かつて江戸川区議会で、自民区議の議長が辞表を提出せず、4年間やった例がある。しかし、会派を除名され、最後は1人会派になっても居座った変な豪傑がいたという。
目黒の自民区議団も、雨宮に辞表を提出させるのならば、「辞表を提出しなければ、会派を除名する。そして、議長不信任案、議長辞職勧告決議案を提出するぞ」って迫れば、効果があったかも知れないよ。そう、いまからだって遅くはないけどね。
まあ、昨日は自民区議団の猿芝居以下のあきれた騒ぎを見せられた。
(敬称略)
(5月27日午前8:35更新)

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