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ジャズ四季音彩

音楽、旅、映画、鉄道模型、絵画、写真、オーディオなど、いままでやってきた趣味をこのブログで発信し、交流を深めたい。

14.私のシネマ・パラダイス(ミッドナイト・イン・パリ)

2013-07-07 07:42:01 | 映画
私は、ウディ・アレンの映画が好きです。
コメディーでは、「何かいいことないか子猫チャン」「007/カジノ・ロワイヤル」「ボギー!俺も男だ」など、そして彼の名作「アニーホール」「マンハッタン」「スターダスト・メモリー」。
特に、1999年終わり頃からの「ギター弾きの恋」「おいしい生活」「マッチポイント」「人生万歳!」など。
昔は、彼自身の劣等感を題材にしたコメディーやそれに都会の孤独と恋愛ものが多かったのですが、最近、年をとったのか、人生の機微をかたるものが多くなりいいな~と思うようになったしだい。
そう思っていたおりに、この、
【ミッドナイト・イン・パリ】
をDVDで観たのです。
パリのカフェやカルチェラタンに、毎夜出没した、ダリやピカソ、マンレイやドガやヘミングウエイ、コール・ポーターなど、もしパリのこの角で逢えたらなんて、素晴らしいだろう、なんて思いませんか、そんな魔法をかけてくれたのが、この映画でした。

主演のオーウェン・ウィルソンの手つきや仕草、なにかまずいことが起きたときの、早口とどもる癖などウディ・アレンそっくりの演技。
パリの観光ガイドの様な、パリ好きにはたまらない映像など、パリに一度も行っていない私をわくわくさせて魅せてくれたのです。楽しい映画でした。

ウディ・アレン万歳!

13.私のシネマパラダイス(トニー滝谷)

2013-06-20 09:25:11 | 映画
宮沢りえさんという女優さんは、沈黙が似合う方です。沈黙の中に楚々とした感情が湧いてくる、観ている私はイメージの翼に浸る事ができる素晴らしい女優さんです。
最近の映画は、デジタル映像のおかげで、どんなファンタスティックな映像でも観客に見せてくれる、それが悪いとはいいませんが、小説や音楽の様にこちらのイマジネイションをふくらませてくれるような映画はないものかと・・・・・。
そんなおり、この映画をDVDで観てしまいました。
●「トニー滝谷」2004年、上映時間75分
出演:イッセー尾形、宮沢りえ、篠原孝文、四方堂亘、谷田川さほ
ナレーション:西島秀俊
監督・脚本:市川準
原作:村上春樹『トニー滝谷』(文藝春秋刊『レキシントンの幽霊』所収)より
音楽:坂本龍一
内容は、トニー滝谷(イッセー尾形)の少年時代、彼の名前の由来、お父さんがジャズ・トロンボン奏者で演奏旅行にでかけ、母はトニーが生まれてすぐ亡くなり、彼は幼少の時代からずっと孤独をしいられ、それが、苦にならない。
トニー滝谷は、精密画イラストレーターとして独立し生計を立てている。
そんなおり、編集者の小沼英子(宮沢りえ)に恋をする。
そして、彼女のいない人生に恐怖した。
それは、突然にやってくる・・・・・。
この映画は、最愛の妻を亡くした男の深い悲しみと喪失感を描いた作品ですが、
台詞は少なく、ナレーションで語り、出演者をカメラ目線で撮らず、室内や、自然の一情景として撮っている。また、場面は横スクロールで変わるのも、新鮮で、宮沢りえの脚線美を撮すカットも、彼女の服フェチが嫌みなく表せるいいカット割りです。
その映像と音楽がより、観る者にイマジネイションの翼を与えてくれる。

12.私のシネマパラダイス(私は死にたくない)

2013-06-19 08:50:54 | 映画
社会派の名匠ロバート・ワイズ監督、女優スーザン・ヘイワード主演による映画。
●「私は死にたくない」1958年製作、アメリカ映画、上映時間122分。
警察の闇と、死刑制度を扱った映画として、有名な映画ですが、全編、ジェリー・マリガンのバック音楽でもジャズ・ファンには有名、その上冒頭には、彼らの演奏が、ドラマの一部になっている。
メンバーは、アート・ファーマー(tp)、ジェリー・マリガン(bs)、フランク・ロソリーノ(tb)、バド・シャンク(as)、
シェリー・マン(ds)、レッド・ミッチェル(b)、ピート・ジェリー(p)、バリトンを吹くジェリー・マリガンと隣には、髭を蓄えたフランク・ロソリーノの姿が、最後は、シェリー・マンのドラムのエンド・ロールが、映像として残っている。
映画は、スーザン・ヘイワードの素晴らしい演技で、その年のアカデミー主演女優賞を受賞している。
売春婦、麻薬の密売、ギャングの逃亡や偽りのアリバイ証言などの手助け、その彼女が、バーテンダーと結婚し、子供ができ、まともな生活につけた矢先、亭主の賭け金の10ドルで夫婦喧嘩、亭主と別れる。
そんなとき、知り合いのギャング二人が、老婦人を殴り殺し逃げる。
彼女は、家賃の滞納から偽小切手を、家を追い出され、この容疑者のところに、そして警察に踏み込まれあ
えなく逮捕。
あばずれ女で、アリバイがなく、その上、新聞の不当な文面と警察の卑怯な密告人により、あえなく、裁判で死刑を言い渡される。そんな彼女を助ける人達が現れるが、ガス室送りに・・・・。
高校生の頃、淀川長治の日曜映画劇場で観ていますが、今でも刑務所の鉄格子から、不当に裁かれて、怯える彼女の大きく見開いた目を思い出します。

11.私のシネマ・パラダイス(オリヲン座からの招待状)

2013-06-07 23:42:16 | 映画
今日もまた、宮沢りえ主演の「オリヲン座からの招待状」をDVDで見ました。
この映画は、昭和30年代のまだ私たちの日常の楽しみに映画が深くかかわっていた時代、私も子供の頃、友達に映画館の支配人の子供がいて、よくタダでみせてもらいました。東映のチャンバラ映画、旗本退屈男や水戸黄門、鞍馬天狗、丹下左膳、日活の石原裕次郎や赤木圭一郎などの現代劇、スーパー・ジャイアンツ(宇津井建)や東宝特撮映画などのSFものなど。この映画の貧しい子供、祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)を見ていたら懐かしく、そして、このちょっとソフトフォーカスのかかった映像がより懐かしさを感じさせる。そんな、懐かしくもあり、はかなくもあるこの映画が、私は好きだ。特に好きな場面がいくつかある。館主・豊田松蔵(宇崎竜童)が、縁側で鰹節を削り、それを松蔵の妻・トヨ(宮沢りえ)が、「おおきに」ともらう場面で、縁側に咲いている立ち葵を見て、「きれいやな~」(トヨ)と、「そやな~、立ち葵はてっぺんまで咲いたらそれで終いや」(松蔵)このあと二人の立ち葵を見ている後ろ姿・・・。松蔵の死後、縁側で鰹節を削るトヨ、ちゃぶ台においてある、夫の缶ピーとライター、灰皿を見て嗚咽する。その後、弟子・留吉(加瀬亮)に「どこかへいきましょう」(トヨ)と、そして公園に、そこで、留吉の自転車をトヨが乗って公園を走る。彼女の哀しみと、けなげさと、いとおしさがでていていい。さて次は、やはり、茅の場面です留吉が、脚をいためたトヨに見せたいととってきた蛍を茅の中に逃がす場面の二人の思いやり、そして、最後の8ミリフィルムの場面。なんとも懐かしく、哀感のこもったいい映画でした。