空飛ぶタイヤ

　久々に，アマ無線以外のネタ．

　今月は，この小説にハマッタ．
　「永遠のゼロ」以来ですね，これだけ引き込まれたのは．

　著者は直木賞作家の「池井戸　潤」氏

　父親の後を継ぎ運送会社を経営する主人公は，自社のトラックがタイヤ脱落事故を起こして死傷者を出してしまったところから，ストーリは始まります．
　事故原因が，運送会社の整備不良とされ，顧客からの取引を停止され，銀行等からも信用を失い，倒産寸前の状態に追い込まれてしまう．

　しかし，事故原因は整備不良ではなく，事故を起こした車両自体に欠陥があったのではないかと考え始めた主人公は，トラックの販売元である自動車メーカに戦いを挑む．

　物語のストーリはフィクションではありますが，２００２年に実際に発生した大型トラックの脱輪による死傷事故，メーカーによるリコール隠しなどが物語のベースになっています．

　上・下巻の長編ですが，内容に引き込まれて行きます．
　また，元設計屋としては，技術的な話もあったりで余計引き込まれましたね．

　ところが，２００９年にＷＯＷＯＷで連続テレビドラマ化されたことを知り，ＤＶＤのパッケージも買ってしまいました．

　　　　　

　５時間チョットの大作でして，小説を忠実に再現しています．
　ただ，男社会のストーリなので，登場人物を女性に変えたりと少し脚色はされていますが，全く違和感がない，良く出来た作品です．
　少しずつ見るかと思ったのですけど，初回を見た途端，通しで見てしまった．
　５時間は疲れましたけど，キャスティングも良くて，読んだイメージに近かったですよ．

　再放送あたりを地上波で放送してくれても良い出来なのに，自動車会社が有力スポンサーの地上波では作品の性質上，難しいからだそうです．
　つまり，ＷＯＷＯＷだと，地上波の様にスポンサーの影響を受ける事がないから，制作出来たのでしょうね．

　ＤＶＤもお薦めですが，読書の秋ですから，まずは小説を薦めます．
　秋の夜長，お薦めの一冊（上・下巻）です．