一度読んで,もう一度読み直してしまった.
そして,また読み直したくなってます.
それくらい,久々にインパクトあった1冊です.
物語のあらすじを伝えるつもりはありません.
でもね,太平洋戦争はやはり日本がおかしくなっていたと思う.
戦争をするって事は,多くの犠牲者が出る.
それは,国と国との戦いであるし,日本だって戦国時代や幕末は同じ民族なのに戦いをしたのはご承知の通り.
ただ,戦争を奨励する気は全くない,しかし,戦争は最初から命を落とすつもりで戦うはずはない.
ところが,特攻は初めから命を落とす事がはっきりしている.
そんな作戦を、当たり前の様に進めたあの戦争は,この国が狂っていたとしか考えられない.
全滅を玉砕,後退を転進と言葉を変えてまで戦う必要があったのであろうか.
当時,日本の工業技術の粋であった航空機の技術者達は,自分たちが開発した航空機が爆弾を抱えて片道燃料で飛び立つ姿をどんな思いで見ていたのか...
やはり,狂っていたとしか思えない.
今の時代だから,そう思えるのか?
いや違う,あの時代だって,この戦争は間違っていると思っていた人も必ず存在していたはず.
「永遠の0」は,単にゼロ戦パイロットの戦記物ではなく,馬鹿げた戦争を否定しています.
話は変わりますが,「永遠の0」には,アマ無線家として興味ある通信兵の話があります.
当時の日本では,レーダや通信機の開発が遅れて無線電話は全く使い物にならず,戦闘機のパイロット達の意思伝達は手信号を使っていたそうで,長距離の場合は無線電信が主たる通信手段でした.大戦中期からアメリカはレーダや無線電話が実用化されており,それも戦局を変えるトリガーになった様です.(コリンズが軍用だったのは周知の事)
初めて知ったのですけど,戦闘機の戦いにはその戦果をチェックする為の偵察機も必ず同行していたそうです.
ところが,大戦末期の特攻の場合はそんな状況ではなく,となると誰がその戦果を伝えるのか?
特攻のパイロット自らが伝えたそうです.
その方法は,電信で,敵艦を発見した時は,短点「E」の連続打ち.
敵艦へ向かって突入する時は,長点「T」をキーダウンしたまま.
それを通信兵は受信して,長いキーダウン程,戦果をあげた証とカウントしていた.
通信兵は,キーダウンが消えた時の瞬間をこう伝えています.
-・・・-
私達はその音を聞くと,背筋が凍りつきます.その音は搭乗員達が今まさに命を懸けて突入している印なのです.その音が消えた時が,彼らの命が消えた時です.
私は何度も「超長点符」を聞きました.意識を集中させ,全身を耳にして,彼らの生涯最後の合図を聞きました.「ツー」の音が長く伸ばされると同時に,息を止めます.
その音が止むまでの時間の重さは例えようがありません.その音が消えた瞬間,一人の若者の命が消えるのです.その時の悲しみと恐ろしさは何と表現していいかわかりませんね.
私の耳には今もその音がこびりついています.その音が何ヘルツなのかは知りませんが,今でも時々,その同じ「音」を聞くと,体が硬直し,胸の動悸が激しくなり立っていられなくなります.
・-・-・
もちろん,「永遠の0」は,ただの戦記物ではなく,彼の子孫(孫)達がどうして祖父が特攻隊員になったのか?
祖父を知る人達へのインタービュー形式でストーリが始まります.
そして,祖父の人間性と命を大切にする思いを知る事になり,驚くべきエピローグへと続いています.
フィクションではありますが,太平洋戦争の時代背景を忠実に守った小説.
特にゼロ戦の栄光と衰退,有名なミッドウェー海戦や通信兵の話は,資料をもとに書かれていますから,戦記物としてはノンフィクションでありましょう.
純粋に「ゼロファイター」が好きな人にも読んでいただきたい.
お勧めの一冊です.
そして,また読み直したくなってます.
それくらい,久々にインパクトあった1冊です.
物語のあらすじを伝えるつもりはありません.
でもね,太平洋戦争はやはり日本がおかしくなっていたと思う.
戦争をするって事は,多くの犠牲者が出る.
それは,国と国との戦いであるし,日本だって戦国時代や幕末は同じ民族なのに戦いをしたのはご承知の通り.
ただ,戦争を奨励する気は全くない,しかし,戦争は最初から命を落とすつもりで戦うはずはない.
ところが,特攻は初めから命を落とす事がはっきりしている.
そんな作戦を、当たり前の様に進めたあの戦争は,この国が狂っていたとしか考えられない.
全滅を玉砕,後退を転進と言葉を変えてまで戦う必要があったのであろうか.
当時,日本の工業技術の粋であった航空機の技術者達は,自分たちが開発した航空機が爆弾を抱えて片道燃料で飛び立つ姿をどんな思いで見ていたのか...
やはり,狂っていたとしか思えない.
今の時代だから,そう思えるのか?
いや違う,あの時代だって,この戦争は間違っていると思っていた人も必ず存在していたはず.
「永遠の0」は,単にゼロ戦パイロットの戦記物ではなく,馬鹿げた戦争を否定しています.
話は変わりますが,「永遠の0」には,アマ無線家として興味ある通信兵の話があります.
当時の日本では,レーダや通信機の開発が遅れて無線電話は全く使い物にならず,戦闘機のパイロット達の意思伝達は手信号を使っていたそうで,長距離の場合は無線電信が主たる通信手段でした.大戦中期からアメリカはレーダや無線電話が実用化されており,それも戦局を変えるトリガーになった様です.(コリンズが軍用だったのは周知の事)
初めて知ったのですけど,戦闘機の戦いにはその戦果をチェックする為の偵察機も必ず同行していたそうです.
ところが,大戦末期の特攻の場合はそんな状況ではなく,となると誰がその戦果を伝えるのか?
特攻のパイロット自らが伝えたそうです.
その方法は,電信で,敵艦を発見した時は,短点「E」の連続打ち.
敵艦へ向かって突入する時は,長点「T」をキーダウンしたまま.
それを通信兵は受信して,長いキーダウン程,戦果をあげた証とカウントしていた.
通信兵は,キーダウンが消えた時の瞬間をこう伝えています.
-・・・-
私達はその音を聞くと,背筋が凍りつきます.その音は搭乗員達が今まさに命を懸けて突入している印なのです.その音が消えた時が,彼らの命が消えた時です.
私は何度も「超長点符」を聞きました.意識を集中させ,全身を耳にして,彼らの生涯最後の合図を聞きました.「ツー」の音が長く伸ばされると同時に,息を止めます.
その音が止むまでの時間の重さは例えようがありません.その音が消えた瞬間,一人の若者の命が消えるのです.その時の悲しみと恐ろしさは何と表現していいかわかりませんね.
私の耳には今もその音がこびりついています.その音が何ヘルツなのかは知りませんが,今でも時々,その同じ「音」を聞くと,体が硬直し,胸の動悸が激しくなり立っていられなくなります.
・-・-・
もちろん,「永遠の0」は,ただの戦記物ではなく,彼の子孫(孫)達がどうして祖父が特攻隊員になったのか?
祖父を知る人達へのインタービュー形式でストーリが始まります.
そして,祖父の人間性と命を大切にする思いを知る事になり,驚くべきエピローグへと続いています.
フィクションではありますが,太平洋戦争の時代背景を忠実に守った小説.
特にゼロ戦の栄光と衰退,有名なミッドウェー海戦や通信兵の話は,資料をもとに書かれていますから,戦記物としてはノンフィクションでありましょう.
純粋に「ゼロファイター」が好きな人にも読んでいただきたい.
お勧めの一冊です.
なんとも言えない気持ちが残りました。
電鍵のキーダウンの話は、また聞きで知っていましたが、実際に文章で読んだときはドキドキしました。
戦争が良くないことは言うまでもありませんが、それ以上に嫌悪感を感じるのは、不安のない場所で実行を指示する司令部の感覚です。人間の命を使い捨ての道具に思っているような感じがします。
太平洋戦争の悪夢は目をそむけたいと思えるものではありますが、同じ過ちを繰り返さないようにするため。過去の間違いを理解するためにこういう本は大切かもしれませんね。
こうしている現在でも世界のどこかで紛争があることが悲しい感じがします。一部の人の利益のために他人の命を道具にすることは絶対に許されてはいけないと思います。
どう考えたって,無謀でしたよね.
ただ,今だから言える事であるのも事実.
最近の原発トラブルによる馬鹿みたいな風評被害を信じている人もいる事実.
当時は,それより大きなもので,アメリカがどれくらいの国であるかも判る人は,今以上に少なかったと思います.
だから,一部の軍部や政府上層部からの国民に対するプロパガンダだったのだろうとは思います.
鬼畜米英ってのは,どう考えたら発想出来たのだろうね.
全く,馬鹿な事やったよなぁ,二度としたらいかんわ.