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JT65-HF 運用記/JA1DEQ

JT65-HF運用解説書をWebに公開しました。CQ誌2011年4月号に掲載したJT65-HFの紹介の続きです。

WSJTの新バージョンで追加された新しいモードについて

2012-11-17 20:39:06 | アマチュア無線

 WSJTの新バージョンの話題はJT65‐HFの運用を中心としたこのブログでのテーマとしては相応しくないかも知れません。しかしJT65‐HF等の微弱信号通信方式の将来をを夢みるのも面白いと思い、あえて取り上げることに致しました。

 前の記事「WSJT等のバージョン・アップ」(2012-10-31)でWSJT9.3とWSJT‐Xについて紹介しましたが、今日はその時概説したWSJTに追加された新しいModeについて考察したいと思います。

 先ずWSJT9.3で追加された新しいサブ・モードISCATA、JT65B2、及びJT65C2については、何れもS/U/VHF帯で使われるモードの送受信レートを30秒と高速化をはかったもので、航空機散乱通信、EME通信でのQSOの効率化等を目指したものです。この送受信レートの高速化については、主としてHF帯で使用するJT65Aについても開発が望まれると考えます。

 次にWSJT-X JT9のサブ・モードについては主としてMF/LF帯で使用されるモードとして追加されたもので、信号帯域を大幅に低減しS/N Thresholdを改善したものです。JT9のSubmodeの主要パラメータを表-1に示します。

        表-1 WSJT-X JT9の主要パラメータ (出典:WSJT‐X Quick-Start Guide)

 表-1でお分かりのようにJT9-1はJT65Aと比較して送受信レートは同じ60秒ですが、帯域幅は約1/10(JT9-1:15.6Hz、JT65A:178Hz)、S/N Shresholdが(JT9-1:-27dB、JT65A:-25dB)-2dB改善されています。驚くべきはJT9-30では送受信レートが30分と極端に長いのですが、帯域幅 : 0.4Hz、S/N Threshold : -42dBと驚異的なものとなっています。

 Net 時代の昨今、ブロードバンド等帯域幅を拡大し大量/高速な通信が主流な中、微弱信号通信方式のように極限まで帯域幅を圧縮し、極限的に劣悪なSN比での通信に挑戦しているDr.Joe Taylor等に敬意を表し拍手をおくりたいと思います。そしてこの技術は宇宙システム(超遠距離Data伝送etc.)、各種監視システム(交通、環境、放射線のData伝送ets.)、等々多くの分野で活用可能ではないでしょうか。

 なお これらWSJTのNew ModeについてはJH3ECA/中島OMが主宰するSchedule QSO(JH3ECAのブログ:http://30.pro.tok2.com/~jh3eca/参照)で先日来テストされていますし、JT9についてはJT65‐HF-Google グループでも意見交換が始まっております。 興味を持たれた局はぜひご参加下さい。

 

「JT65-HF運用解説書」のURL : http://okdeq.lolipop.jp/jt65

 

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WSJT等のバージョン・アップ

2012-10-31 06:45:43 | アマチュア無線

 今日で10月も終わり、日の出時の80mバンドが賑やかになってきました。また余りパットしないSSNですが、夕刻10mバンドのJT65Aは3Wで運用中の当局でもEU等と比較的楽にQSOでき、楽しんでおります。

 ここにきて、Windows 8 のリリースが話題になりましたが、我々Digital 通信を楽しむHam の世界でも、9月中旬からいろいろなソフトウエアーのバージョン・アップがありました。もっともこのブログのテーマである「JT65‐HF」での変化は残念ながら有りません。

 先ず9月中旬、WSJT 9.3 がリリースされました。主な変更点は、第一にISCATに二つのサブモードA/B が作られ、従来のISCATはISCAT-Bで踏襲、ISCAT-Aは送/受信レート:30秒、帯域幅:1/2、感度:1dB改善と、10GHzでの航空機散乱通信に有効とのことです。 第二にJT65BとCにサブモードB2とC2が作られ、若干感度は低くなるものの(従来モードと比べ3dB低下)送/受信レートが従来の倍の30秒と高速化されEME通信に有効とのことです。

 次に10月26日、TAKAさんことJA2GCA/大塚OMが「JT_Linker Ver.2012.10.26」をリリースされました。主な変更点は、第一に設定ファイルをユーザー用フォルダに保存する様に変更。(Windows7対応の一環)。また 同時にファイル拡張子をiniに変更。 第二に相手局コールサインに応じてUTC/JSTを自動切り替えする機能を追加。 第三に起動時、後でリンク設定をするを追加。(リンク設定無しでもメイン画面が立ち上がる様に変更。大塚OMに感謝!本当に有り難う御座います。JA2GRC/大塚OMのブログ : http://ja2grc.blog3.fc2.com/blog-date-20121026.html

 最後にWSJT‐Xがリリースされました。これは新モードJT9のExperimental release 版でとりわけ1.8/1.9MH帯、135kHz帯で有効 なモードです。JT9は送/受信レートにより、JT9-1、JT9-2、JT9-5、JT9-10、及びJT9-30が有り、それぞれ1、2、5、10、及び30分の5つのモードであります。これらのモードはHF帯で標準的に使われるJT65AのS/Nと帯域幅が、 -25dB/178Hzであるのに比較して、JT9‐1:-27dB/15.6Hz、JT9-2:-30dB/7.0Hz、JT9-5:-34dB/2.6Hz、JT9-10:-37dB/1.3Hz、JT9-30:-42dB/0.4Hzと驚異的な性能が達成できるようです。

 WSJTについてはこのブログでは詳述しませんが、JA2GCA/大塚OMのブログ(http://ja2grc.blog3.fc2.com/blog-date-20121028.html)で丁寧に解説されている他、JH3ECA/中島OMのブログ(http://30.pro.tok2.com/~jh3eca/)ではWSJTのNew ModeによるSchdule QSOが企画されており、リリース後間もないのですが、昨夜(10月30日)も80mでJT9-1のQSOが行われていました。

 

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2012年秋分の頃、JT65‐HF運用雑感

2012-09-23 22:00:30 | アマチュア無線

 サイクル24のSSNが今一つですが、昨今21MHz帯のDX通信が賑やかで、とりわけ夕刻EU方面等からの入感状況は素晴らしいものです。

 皆さんに「何を今更」と笑われそうですが、最近JA1PJS/中村OMからの勧めも有り、JT‐Alert/JT‐Macros を使い始めました。Hi JT-Alertは昨年来話題になっていることは承知していましたが、実際に使ってみてその便利さに今更ながら感激Hi しています。確かにJT65‐HFの運用が大幅に改善されます。食わず嫌いの御仁はお試し有れ。

 JT‐Alert/JT-MacrosのDown load及び基本的な設定についてはJG1PDG/金子OMのブログ( URL: http://jg1pdg.blog.fc2.com/blog-entry-10.html ) の説明が分り易く、参考になりました。

 9月22日 09:03U頃の21MHz帯の賑わいについては下図を御覧下さい。

 上図でその賑やかさは最上段のJT‐Alertを見て頂きますと8局表示されている事からもお分かり頂けるでしょう。

 話は変わりますが、残念ながら現在Reverse Beacon(RB) Network の指定した局向けデータを表示するページが “ Offline for maintenance ” と言うことで使えない状況のようです。早くメンテナンスが終了しないかナ、なんて勝手な事を考えていますが、こう言う不便を感じるにつけFree Softwareを提供して下さっている方々の有難さが身にしみます。

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SSB、CW、PSK31及びJT65AでのLowest S/N level の比較

2012-09-22 21:35:56 | アマチュア無線

 今日の話題もJT65-HF - Google グループからのものです。

 今週初め9月17日にOE1MWWが投稿したテーマで「 [jt65-hf] weak signal - comparing JT65-HF to PSK31」があり、JT65-HFとPSK31等のLowest S/N levelの議論がされています。

 この議論の中で返信者の一人Bob/N4FBZがJT65-HFの作者のMr.J.C.LargeとチャットでJT65-HFとPSK31のプロトコルの相違から両モードのLowest S/N Levelを検討したことについて紹介しています。Bob/N4FBZは数年前のことで記憶が不確かとことわりながらも次のように述べています。

 彼の記憶では、JT65とPSK31のLowest S/N levelはJT65が10dB弱い信号でOKとのこと、また彼はその他のモードとの比較の話として、了解しうるSSBでの最小信号レベルは “0”、CWは多分-10dB、PSKは-15dB、JT65は-25dB以下(彼の経験では-28~-29dB)とのことです。

 彼はJT65は超微弱信号に対する設計であるが、そこには「タイミングやプロトコルでの厳しい制約」があり、その制約条件のもと成り立つ方式であると結んでいます。

 この議論の中ではモードによる最小SN比の計算条件等厳密な意味での説明はなく、その信憑性は分かりませんが、対向する2地点間の通信で伝搬条件・アンテナが同じ場合、SSBで200Wが限界である場合、CWでは20W、PSK31では6W、JT65-HFでは0.5Wと言う数値は少ない運用実績ですが、全モードでの小生の運用体験から感覚的にかなり妥当な数値と思っています。皆さん如何でしょう?

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WSJT/JT65-HFの送信出力について

2012-08-10 06:18:03 | アマチュア無線
 残暑お見舞い申し上げます。
 残暑とは言えまだまだ猛暑続き、お互い熱中症には気をつけましょう。

 先月からWSJT/JT65-HFの小電力運用を奨励する投稿を続けてきましたが、JT65-HF-Googleグループでも8月4日から数日、JT65-HFの送信出力が話題になっています。その中で、Dave/N0RQが興味深い記事を投稿しましたので先刻承知の方もおられると思いますが紹介します。

 先ず N0RQの18ヶ月/1000 QSOに及ぶJT65-HFの運用データ(mid- and lower-HF bands)によると、使用されたPower Levelは次のようであったとの報告です。

  5 watts or less : 43%
  6 to 10 watts :  24%
  11 to 20 watts : 14%
  21 to 30 watts :  8%
  over 30 watts :  11%  


 N0RQは日頃5~10Wで運用しているとのことで、アンテナやCondxにもよるが30Wとか50Wで運用している人に対し5Wとか10Wで運用するよう奨励しています。 JT65-HF-GoogleグループでのN0RQの「奨励」に対する意見は使用アンテナ、電波伝搬条件等で一概には言えないとの意見がありますが、賛成の意見が多いようです。

 次にN0RQがJT65-HFの送信出力について興味深い情報を紹介しております。この情報はWY5RとKJ4IZWによるもので、下記URLに“ Power Calculator ”として紹介されています。

http://dwestbrook.net/projects/ham/dBCalc/

 “ Power Calculator ”によれば、通常の送信出力で自局へのSignal Reportの平均値が-10dBより良ければ、Powerを通常使用している1/4又は1/8にしても安全と述べられています。
 上記URLで実際の貴局の送信出力と自局へのSignal Reportの平均値を入力し送信出力とSignal Reportの関係を計算して、WSJT/JT65-HFの送信出力を今一度検討してみては如何でしょうか。

「JT65-HF運用解説書」のURL : http://okdeq.lolipop.jp/jt65


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