夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

年金宝くじ (創作落語 12/29)

2020-12-29 07:43:23 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
       


   テン・テン・ツク・テン・テケ・テケ・ツク・テン・シャン


             『年金宝くじ』


        え〜、だいぶお寒くなりまして、
          師走でございますな。
      カエルも蛇も冬眠に入りましたそうで、
        犬と猫と人間だけがうろうろしております。
     あたしの懐(ふところ)は、寒くて震えてますが・・。
      え〜、いまァ、年金問題が国中で話題になっております。
   いくら歳をとっても、
    命と健康の次に大事なのがお金でございます。
     この年金改革ってのが、政界でもマスコミでも騒がれてまして、
    善い法律が出来るのか、悪法になるのか、
 だれにも見当がつかない・・。
   天下の悪法てことで有名なのは、かの「生類憐れみの令」で
  ございますが、
    あれは、ほんとは実在してなかった法令だそうですな?
     将軍綱吉からは、「かわいそうだから、犬猫を繋ぐな」てぇ
       覚え書きが出ていただけだそうで・・。
         それが、だんだん話が大きくなりま、
         「犬目付」やら「犬目明し」まで現れまして、
        犬の戸籍、「犬別帳」なんてのも作られましてね、
     しまいには、各町内には、「犬印」の紋付羽織の番人まで置いた
      ってんですから、念が入ったことでございます。
        犬を殺した大工を左官屋の娘が密告したところ、
       大工は獄門、娘には五十両の賞金が出たそうですが、
    極(きわ)め付けは、蚊を叩いて切腹になった御小姓もいたそうで。
     「覚え書き」が、たいへんなことになってしまいまして・・。
    とうとう将軍綱吉は、「犬公方」(いぬくぼう)に
     されちまいまして・・。
  あんな覚え書き、書かなきゃあよかった・・と悔やんだでしょうな。


(こちら国会。野党と麻生金融相との応答)


野党  「どォも納得いかないんですけどね・・?」


麻生  「あぁ、なにが・・?」


野党  「厚生年金の保険料ですけどな・・」


麻生  「保険料がどうかしたかね?」


野党  「払う保険料は毎年上がるって話でしょ。
     その代わり、貰う年金は毎年下がるッてんでしょ、
     こんな割りの合わない話って・・?」


麻生  「それってクイズか?」


野党  「なに云ってんです。いま、国会で審議中でしょ」


麻生  「国会もくだらねぇことで、モメてんだナ?」


野党  「わからん人ですな。 
                  国民が貰える年金をどれくらいにするか
     決めてるんじゃないですか」


麻生  「ほんだら、多く貰えるように取り計らってくれぃ」


野党  「あんたは長生きするよ・・」


麻生  「悪かったなぁ。
                  ほんだら、払わなきゃぁ、サッパリしていいんじゃねぇか」


野党  「払わなきゃ、年金はもらえないじゃないか」


麻生  「ほんだら、払えばいいじゃあねぇか」



どこまで行ってもキリがありませんが・・。



社員A  「おう、新しい年金法案が出来たってよ」


社員B  「へぇ〜、どんなんだ?」


社員A  「『年金宝くじ』ってんだそうだ」


社員B  「へぇ〜、宝くじ? それで買ったんか?」


社員A  「買った、買った」


社員B  「で、当たるといくら貰えるんだ?」


社員A  「300万円だ」


社員B  「なんだ、そんなもんか・・」


社員A  「あわてちゃいけない。ここから先が違う」


社員B  「へ〜、どこが違うんだ?」


社員A  「宝くじを買った金額は、保険料として金融庁のデータベースに
       個人記録される」


社員B  「ほ〜、それで?」


社員A  「解らねぇかなぁ。
                    宝くじを買えば買うほど、将来もらえる年金は多くなる」


社員B  「なぁ〜るほど!!」


社員A  「当れば、途中で300万円の臨時ボーナスだ」


社員B  「なぁ〜るほど!! こいつぁ、見逃すわけにゃあいかねぇ」



     え〜、てな法案が審議されてたら、どおします・・?
     「覚え書き」だけには、しないでね。






           おあとがよろしいようで・・・