36度じゃ、体温より高いっていう人もあるんだろうなと、暑さが始まったのを楽しむ。
まだエアコンは要らない。
夕方、また明日な、と念押しするようにいつまでも赤みの残る空を見て、喉の渇きに気付く。
う~ん、生ビールに焼き鳥。
夏の夕暮れは、生ビールの招待状。
しかし、程よく酔って口にする砂肝は、しばらく食べないかもしれない。
番組のディレクターが、トイレに入ってふと顔を上げた時に、窓の向こうに見えた鳥の姿を写した。
スズメを撮った、と日本野鳥の会の飯塚さんに見せる。
はっきりしない写真だけど、ああ、羽に少し黄色が見える。カワラヒワですね。
スズメによく似ていて、見間違えていることが多いらしい。
電線にスズメを見かけたと思っても、実はカワラヒワだったりするという。
スズメとの違いは、尾羽の中ほどが短く、矢羽のようになっているところ。
スズメとカワラヒワの違いを見分ける楽しさから、野鳥に目覚める人も少なくないそうだ。
いわば、野鳥会への招待状を持ち歩く鳥。
招待状に気付いたか、ディレクターよ。
さらに、カワラヒワの特徴は、スズメより太いくちばし。
稲穂をついばみ、草の実を主食にするスズメは、くちばしが細め。
カワラヒワは、木の実を食べる。
殻を割りたい。
頑丈で太目のくちばしになる。
ふむ、おもしろい。
くちばしは、唇だ、多分。
手は、飛ぶための翼に変えた。
唇には、手の役割も担わせなければならない。
鳥は、そのくちばしを比較してみているだけでも、随分と特徴的だ。
そして、くちばしは、彼らの食べ物を物語る。
花の蜜を吸ったり、草をついばんだり、木の実を食べたり、鳥は菜食主義が多いのか。
いやいや。
エネルギーがたくさん要るんです。
飛ぶためには、高たんぱくで、高カロリーのものがいるでしょ。
そこで、植物に頼る鳥は、少ないとわかってきた。
虫を食べ、動物を食べ、魚を食べる。
グルメなのだ、鳥たちは。
飛ぶものだけに、なかなか研究は詳細に至らないが、随分様々なものを食べているらしい。
考えてみれば、恐竜の太古からの生き物だ。
地球上を飛び回りながら、世界中の味を探求してきて、捕食しているのだろう。
巣の中に、ペリットがあるでしょ?
鳥が消化できなかったものを吐き戻す、繭のような。
あれを集めている人もいるんですよ。
子に運ぶえさも、口にして持ってくる。
手持ちの袋といえば、胃袋くらいだからか。
鳥はね、身体を軽く保たなきゃいけないから、消化器官が短い。
噛み砕いて食べる時間もないから、飲んだものを、砂肝でひき臼みたいにつぶしてる。
うお??
砂肝というのは、消化器官だったのですか?
あのこりこりは、ひき臼機能が可能なほどに発達した、筋肉のこりこりだったのですか?!
せめて、口にするものは、なんであるのか知ってからにしよう、と少し思った。
知ったからといって、食べるのをやめるわけでもないのだが。
そうして、手っ取り早く食べ、すばやく消化し、どんどん取り込んだら、残りはずんずん捨てる。
鳥の排泄物は、おしっことウンチの混ざり物。
入り口は口だけなのだから、出口も一つなのだ。単純明快。
え。。。。??
総排泄???
卵も、そこから産むの??
思い出した。。。。。
小学校の夏休み、祖母に連れられて信州の親戚の家に泊まった。
楽しかった。
舟で、川を進むと、諏訪湖に出る。
トラクターの後ろに乗って畑に行って、初めて、もいで食べるトマトの味を知った。
そして、今でもありありと思い出せる、あの光景。
朝早く起きた私が、鶏小屋を訪れた時、その事件は起こったのだ。
おしりの穴から、何かが出てきた!
大変だ、死んじゃうんじゃないか。。。。
が、でてきたのは、確かに私の知るタマゴだった。
鶏も、そ知らぬ顔をしている。 (何の変化もないということね)
こういうものなのか。。。。
それから、かなり大人になってくるまで、出産の話が聞こえるたびに
赤ちゃんは、おしりのアナから生まれる、私は知っている、私は見た、と密かに得意になっていた。
それまでは、お腹が割れて出てくると思っていたので。
そうだ。確かに、おしりから生まれていた。
総排泄孔。。。。。
不思議な生き物だ。鳥。
カラスは、車に堅い殻を轢かせて割るし、貯食といって、食料を溜め込むこともあるらしい。
モズのハヤニエは有名だ。
賢いし、運動能力もあるし、種としての歴史もあるし。
うむむ。
鳥はとりにくも食す。
私も鳥に思いを馳せながら、ありがたくいただくことにする。