J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

里山資本主義

2015年03月30日 | 緑の仲間

 

日本には、日本ならではの経済の成り立ち方がある。

その土地柄、人柄、暮らしぶり、

世界中どこだって、地域ごとの暮らし方が、地域の経済になって当然だろうと思う。

均一にしようとすれば、均一には決してならない自然環境や、均一になれない文化思想が歪みを生むことくらい想像に難くない。

しかし、何故か私達はそう思い、目指してきた。

もう、方向転換してもいい頃合いじゃないか。

すでに、先人がいる。

面白い本だった。

里山資本主義ー日本経済は「安心の原理」で動く
  藻谷浩介 日本総合研究所調査部主席研究員 NHK広島取材班

地方創生は、こういうやり方でこそ、生きてくるだろう。

耕作放棄地も、限界集落も、エネルギー問題も、本書に出てくる集落では解決されている。

さらに、どこでも同じやり方は通用しないことも、知っている。

暮らしてゆくための仕組みづくりを、盛んに果敢に進めている。

本書に出てくる木材の活用については、すでに今年に入って認知度や活用ルートが広がっていることの感じさせる発言を眼にし、耳にした。

大きな面積の森林山脈を抱える海洋国家の日本が、自分を見つめる目を取り戻すことができるのか。

20以上の国内トップ企業から精鋭が集まり、スマートシティを作るプロジェクトについての取材も載っている。

太陽光や風力など、供給量が不安定な電力についての不信を問われると、

発電量の変動に対し安定させる技術こそ、今日本が世界の先頭を走っている得意技術、という頼もしい答え。

省エネ技術、家電の細やかなコンピュータ制御による、ピーク電力のカットなど、すでに実現は始まっている。

日本は、日本で生きてゆく。

見つめる方向さえ変えれば、生きることが楽しくなる未来がすでにそこにある。

 

取材班は、企業版・里山資本主義あるいは最先端技術版・里山資本主義と称した。

 

カープもすごいし、黒田博樹という人物も、すごい。

広島には、世界の人々をうならせる物語がある。

ファンの選手を尊重する姿勢、カープという球団の懐の深さ、黒田選手の信念の篤さ。

野球ファンでなくとも、この物語は知っておくといいと思う。

野球における里山資本主義の物語だから。

 

 

黒田の凱旋星 広島の視聴率は平均34・9%、瞬間最高39・7%…

日曜昼に異例の高水準

デイリースポーツ 3月30日(月)10時13分配信

今年8年ぶりに日本復帰したプロ野球・広島カープの黒田博樹投手が、
今季初登板を初白星で飾った29日の広島-ヤクルト戦(マツダスタジアム)の中継番組の視聴率が、
広島地区で平均34・9%を記録したことが30日、ビデオリサーチの調べで分かった。

瞬間最高は試合終了直前にあたる午後4時44分に39・7%を記録した。

 

 

 

フギュアスケートの羽生結弦選手の、本当に悔しそうな様子を初めて見た気がする。

今回の世界フィギュアスケート選手権大会。

これが芸術祭であったなら、文句なく彼が優勝。

しかし、スポーツの試合。

2位の表彰台からは、早く降りたがっているかのようにさえ見えた。

 

 

 

リンクに入る前、リンクを後にするとき、いつも、リンクに感謝を捧げる彼。

東日本大震災を経験し、困難な状況で芽生えた気持ちなのだろうか。

今回は、滑り終えてリンクの退場口に向かうとき、自分の腕を交互にいたわるように叩いて「ありがとう」と語りかけていた。

怪我や手術や捻挫を経験して、どれほど苦しかったことかが伝わってくる。

 

そんなことなどなくても、感謝する青年なのかもしれない。

 

おかげさまで。

 

彼の様子を見ていると、いつもそんな言葉が思い浮かぶ。

 

だから彼の体には音楽が住み、リズムが行き渡り、その存在が空間すべてに行き渡っていく。

 

 

 

里山に、春が満ちてくる。

 

 



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