J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

神社の土俵

2011年08月14日 | しぞーかだもんで

 

相撲は神事だという。

では神社の境内に土俵があるか。

静岡市駿河区八幡の八幡山にある八幡神社で、田代宮司に聞くと、
固定された土俵が常時あるのではなく、そのたびに奉納されたものだったのだという。

ならば、現在土俵のある神社が稀有なのも納得。

しかし、八幡神社のように、柱が立ち屋根が付いているのは、なお珍しい。

昔は、現在の社務所の位置に土俵がしつらえられ、祭りが終われば、
そこに使った木材や土が勝者に与えられたという。
すばらしい土と立派な柱で、家が建ったのだそうだ。

今も八幡神社の例大祭がある8月15日には、境内の土俵で神事がある。
「古式土俵子ども土付け」といって、小学生の子ども横綱と、5歳までの赤ちゃん力士が土俵に上がる。
無論、挑戦者は介助が付く。

対戦は、一度横綱が押し、その後押しだしで、赤ちゃんが勝つ。

今川時代の跡目相続争いを模しているという説もあるのだと話してくれた。

15日当日、午後1時から受付が始まるので、その頃に行けば、神事に参加できる。

同日の子ども相撲は飛び入り参加できる。女の子も多く、なかなか強いらしい。

 

 

1500年の歴史があるという八幡神社。

境内の土俵の柱が、今年危うくなった。

シロアリが住み着いたので、柱の立替となった。

見事なヒノキを奉納したのは、静岡市葵区井川にある田代地区の縁者。

といっても、この縁もずいぶん古く長い。

まだつながっているのか、と驚くいわれがあった。

といっても、難しい縁故ではなく、何か特別な事件があったわけでもなく、こういうこと。

「ときは1661年、八幡神社の7代のマサシゲ神主が、井川の田代にある海野一族から嫁をもらった。」

これで、このことで、今も直、八幡神社の神主は井川田代諏訪神社のヤマメ神事に、毎回ご奉仕に出向き、
相撲場の柱を立てるといえば、こんなに立派なヒノキが、しかも4本そろえて、井川から切り出されてくるのである。

運ばれてきたヒノキの皮をむいたのは、宮司。

その後、磨き上げたのは、中学生の奉仕。

 

@ヤマメ祭り 映像の紹介 地域文化資産
 http://bunkashisan.ne.jp/search/ViewContent.php?from=14&ContentID=317

@ヤマメ祭り 静岡市 静岡県指定無形民俗文化財
http://www.city.shizuoka.jp/deps/bunkazai/bunkazai_hogo_yamamematuri.index.htm

@1287年創建 田代諏訪神社 ヤマメ祭り
・ビデオ「ヤマメ祭 田代諏訪神社例大祭 静岡市指定無形民俗文化財 静岡市の伝統文化シリーズNo.4」静岡市教育委員会、'00
http://blog.goo.ne.jp/a763790270/e/6bdbb524847b627208e5be4fd6a1d2aa

 

 

そして、氏子の建築会社が、雨を避けて一気に柱を建て替えた。

後は、土固め。

これも、宮司はじめ、ご奉仕団が固めあげた。

詣でる人や、散歩の人が、神社の祭りに間に合うのかと、しきりに気にした土俵場は、
神事を前に、以前よりも太く、白く輝く柱で完成した。

氏子の手で。

いわば、素人だけで。

氏子と縁者の心意気で、なのかも知れない。

 

 

もう、今日は子ども神輿が町内を練っている。

今年の当番町は、八幡2丁目らしい。

当番町によって、祭りの雰囲気が異なるのも、八幡神社の例大祭の面白いところ。

毎年訪れる中には、今年の当番町はどこかと尋ねる通もいるのだそうだ。

宮司によれば、花火もたくさん上げたいと張り切っていたとのこと。

今年も夏のど真ん中のお祭りが、始まった。

 



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