J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

小さな山の3人

2011年02月01日 | Weblog


イヌが導く先に、知らなかった細い路地があり、知らない風景に出会うことがある。

八幡山から見えるこんもりとした森、神社や寺院があるそこ。
数年前に、犬に引かれて初めて登った。
山頂には広場があって、保育園の子どもたちが遊べそうな遊具と、手作り感のある木馬、
山頂の緯度・経度・標高を記した、こちらも手作りの看板、貯水のタンクと手洗い場、
ああ、よく手の入った、地元に愛されている山なのだな、と思った。

標高35,4Mの小山。
その名を有東山という。
戦国の時代には、砦が築かれていたという。

今年初、登って行くと、木を切る作業の音が響いている。

山頂では、なにやら山から見渡す風景が開けていた。

 

3人の男性が、がけ沿いに張られたロープに変えて、切り出した竹を組んでいる。

 

「おじさんたちがやってくれていたの」
声をかけてみた。

「ああ、この辺は雪下ろしがないからな」と笑う。

見通しが良くなるようにと、間伐した木の切り株にペンキを塗って、椅子やテーブルにしてある。

「これもやっただよ」

気づいていたよ、丸木をくりぬいて、上手に花壇にしてある。

「ふくろういるの、知ってる?」

驚くわたしに、3人があそこにいる、と楽しそうに指差す。

ふくろうがいるのか、この小さな山に。

「どこ、どこ??」

探すわたしに、竜のような松のこずえを指差す。

「ほら、あそこ」

 

おおお!!  いたいた!

なんとも上手にできている。

って言うか、一体あんなに高いところに、誰が止まらせたのか。

「どうやってつけたの?誰が登ったの?」

「猿がいるだよ、猿が」

また大笑いしている。

「今度また、コッチの木に増えるから」

 

楽しそうに作業が続く。

「また明日も来てね」

 

きっと、彼らの砦なのだな。

 

 

自分の住む町を、自分で築く。

平和で明るい楽しい町のために、自分も楽しいことをやる。

 

太平の世を願った武士の魂が、供養されている気がした。

00shizuoka静岡観光おでかけガイド

しずおかKさんのブログから
武田信玄に追放された武田信虎が居住 有東砦(うとうとりで)  (静岡県静岡市駿河区有東1丁目 有東山)
http://blog.livedoor.jp/shizuokak/archives/2985070.html

@なんちゃって登山:静岡市 有東山
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_saitoh/30251487.html

 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (しずおかk)
2011-02-02 22:30:44
信じられない高さに、ふくろうが!!
馬・ふくろうの次に、何が出現するのでしょうか?
大人たちが楽しみながら、砦(秘密基地?)を整備しているんですね。
返信する
でしょ?! (本人)
2011-02-03 23:15:51
写真の右下に小屋の屋根が写っていますが、
この松、本当に背が高いのです。
しかも姿が昇り竜のようでステキ。
で、この木に猿のように登っていったのは、3人のうちの誰かなんでしょうね。
次のふくろうが木に止まる瞬間には、是非見届けたいものです。

こういう社会貢献は、ステキですよね。
いい秘密基地、とりでです。開放的な自由な砦
返信する

コメントを投稿