イヌが導く先に、知らなかった細い路地があり、知らない風景に出会うことがある。
八幡山から見えるこんもりとした森、神社や寺院があるそこ。
数年前に、犬に引かれて初めて登った。
山頂には広場があって、保育園の子どもたちが遊べそうな遊具と、手作り感のある木馬、
山頂の緯度・経度・標高を記した、こちらも手作りの看板、貯水のタンクと手洗い場、
ああ、よく手の入った、地元に愛されている山なのだな、と思った。
標高35,4Mの小山。
その名を有東山という。
戦国の時代には、砦が築かれていたという。
今年初、登って行くと、木を切る作業の音が響いている。
山頂では、なにやら山から見渡す風景が開けていた。
3人の男性が、がけ沿いに張られたロープに変えて、切り出した竹を組んでいる。
「おじさんたちがやってくれていたの」
声をかけてみた。
「ああ、この辺は雪下ろしがないからな」と笑う。
見通しが良くなるようにと、間伐した木の切り株にペンキを塗って、椅子やテーブルにしてある。
「これもやっただよ」
気づいていたよ、丸木をくりぬいて、上手に花壇にしてある。
「ふくろういるの、知ってる?」
驚くわたしに、3人があそこにいる、と楽しそうに指差す。
ふくろうがいるのか、この小さな山に。
「どこ、どこ??」
探すわたしに、竜のような松のこずえを指差す。
「ほら、あそこ」
おおお!! いたいた!
なんとも上手にできている。
って言うか、一体あんなに高いところに、誰が止まらせたのか。
「どうやってつけたの?誰が登ったの?」
「猿がいるだよ、猿が」
また大笑いしている。
「今度また、コッチの木に増えるから」
楽しそうに作業が続く。
「また明日も来てね」
きっと、彼らの砦なのだな。
自分の住む町を、自分で築く。
平和で明るい楽しい町のために、自分も楽しいことをやる。
太平の世を願った武士の魂が、供養されている気がした。
00shizuoka静岡観光おでかけガイド
しずおかKさんのブログから
@武田信玄に追放された武田信虎が居住 有東砦(うとうとりで) (静岡県静岡市駿河区有東1丁目 有東山)
http://blog.livedoor.jp/shizuokak/archives/2985070.html
@なんちゃって登山:静岡市 有東山
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_saitoh/30251487.html
馬・ふくろうの次に、何が出現するのでしょうか?
大人たちが楽しみながら、砦(秘密基地?)を整備しているんですね。
この松、本当に背が高いのです。
しかも姿が昇り竜のようでステキ。
で、この木に猿のように登っていったのは、3人のうちの誰かなんでしょうね。
次のふくろうが木に止まる瞬間には、是非見届けたいものです。
こういう社会貢献は、ステキですよね。
いい秘密基地、とりでです。開放的な自由な砦