J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

ありがとう南アルプス

2009年04月14日 | 緑の仲間

春の嵐、まで行かないのだろうが、大雨が降っている。
春にたくさんの雨が降り、みな芽吹いていく。
自然からの慈雨。

静岡が、類稀な温暖な気候に恵まれた地であることは、成瀬修一さんに教わった。
北に南アルプス、南に駿河湾、地形が静岡を楽園にしている。

その南アルプス、静岡人であっても、なかなか登ったことはないのではないか。
恩恵は受けているものの、また、その風景は、遠く見えはするものの、実感のない市民が多いだろう。

かく言う私も、仕事柄、山小屋の二軒小屋まで行った事があるが、登ったわけではない。
◎地図
http://www.t-forest.com/alps/access/index.html
◎ロッジ・山小屋のご案内 南アルプス南部
http://www.t-forest.com/alps/koya/index.html
◎二軒小屋ロッジ
http://www.chabashira.co.jp/~tomosan/niken.html
◎南アルプス南部の登山・観光情報
http://www.t-forest.com/alps/



南アルプスは、3000メートル級の山々が13山も連なっており、この時期は、市内からみても雪山だ。
日本列島の中央にあり、中央構造線と糸魚川ー静岡構造線に挟まれ、
その頂上には、海の痕跡の化石が見つかり、今も、年間4ミリずつ隆起している。
世界的にも地学的に稀有な山脈、それが南アルプスだ。
◎大鹿村中央構造線博物館
http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/
◎糸魚川ー静岡構造線
http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/detail-menu/131fossa-istl/fossa-istl.html
◎フォッサマグナ
http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/outline-menu/02outline-fm/02fossamagna.html

そして当然ながら、貴重な動植物を懐に抱いて育んでいる。

北半球の雷鳥のうち、南限に棲むのは、南アルプスの雷鳥だし、
渡りをすることで、最近人気沸騰のアサギマダラや、氷期を生き延びた生きる化石の高山蝶、
約700種いるといわれる日本のカミキリムシのうち約40%が棲み、
ニホンカモシカやツキノワグマ、サンショウウオ、ここだけに住むバッタ、
南アルプスを南限とする高山植物や固有種、爬虫類、両生類、魚貝類、
まったく、枚挙に暇がない。



では、どこが一体南アルプスなのかと言うと、
甲斐駒・鳳凰山系、白根山系、赤石山系からなる赤石山脈とされている。
そこに関わる10市町村が、今、一つになって、南アルプス世界自然遺産登録を目指している。

元はといえば、平成18年2月、静岡市の呼びかけで、研究会が発足した。
その後、南アルプスにまたがる山梨県、長野県、静岡県で、連絡協議会が立ち上がり、
一年後、1周年を期に、南アルプス世界セ善意さん登録推進協議会を設立した。
◎南アルプス世界自然遺産登録推進協議会
http://www.minamialps-wh.jp/

10にも及ぶ自治体の総意は、それぞれが、いかに南アルプスを大事に思うかを想像させる。
日々の生活で、じかに恩恵を受け取り、感じているのではないかと思う。
実際、そうなのだが、案外静岡市民は一番感じていないのかもしれない。
しかし、その価値は既に、認められている。

昨年、平成20年12月8日に、南アルプスは日本ジオパークに認定された。
現在日本ジオパークに認定されているのは、7箇所。
◎ジオパークとは
http://www.minamialps-wh.jp/gp_about.html
◎南アルプス ジオパーク
http://www.minamialps-wh.jp/gp_list.html
◎ジオパークへようこそ 日本ジオパーク連絡協議会
http://www.geopark.jp/

ジオパーク認定に先立ち、昨年10月に南アルプス国立公園専任の自然保護官も設置された。
◎自然保護官(レンジャー) 国立公園 環境省
http://www.env.go.jp/park/support/ranger.html

地元の価値を見出そう、見つめなおそうという動きはいろいろあるが、
まさしく、南アルプスも、強力に呼びかけ、理解が必要なのかもしれない。

そこにあって、生物にとって快適な環境を作り出してくれている、我が故郷の山々。
やはり私たちが思い出すべきは、感謝や尊敬、畏怖の念。

登山をすることなくとも、遠く北にのぞむ山の姿に自然に頭が下がる生き方したい、と思う。



去年のことだ。
環境フェアだったか何かで、一冊の、何の変哲もない無表情な冊子を手にした。
「南アルプス学・概論」というタイトルで、平成19年3月、静岡市、と表表紙にある。

この中に、実に興味深い南アルプスの自然と人々の歴史、まつわる文化が記されていた。
これが、私に南アルプスを気づかせてくれた。

この冊子、好評で全てさばけてしまったのだそうだ。
現在、増刷中で、用意が出来次第、配布するとのこと。
完成が待ち遠しい。待ちきれない人は、下記のページにあるPDFを。
◎静岡市環境総務課 南アルプス世界自然遺産登録
http://www.city.shizuoka.jp/deps/kankyou-soumu/alpus.html
◎南アルプス学・概論PDF
http://www.city.shizuoka.jp/000061237.pdf



来月には、南アルプス世界自然遺産登録推進協議会が主催する講演会がある。

これがまた興味深い。
まず、みて欲しい。
下記の市のページで、「皆様、是非ご来場ください♪ 」 このように、♪マークつきだ!

なんだか嬉しくなって、鼻歌気分だ。

内容が、もっともっと、浮かれてくる。
世界遺産登録に設けられた基準に当てはめ、基準を表す「クライテリア」4つの専門家の話が揃った。

山岳写真家でファンの多い白籏史郎さんの自然景観。
*南アルプス白籏史郎写真館
http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/H-KANKO/SHIRAHATA/sirahata.html
静岡大学の狩野謙一教授の地形・地質。
http://www.shizuoka.ac.jp/rigaku/gradu/dep/geo.html
同じく静岡大学の増沢武弘教授の生態系。
http://www.pref.shizuoka.jp/governor/taidan/myshizu12/myshizu12_1.htm
信州大学の中村寛志教授の生物多様性。
http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/soar/profile.do?lng=ja&id=jeSUPUkh

これを聞けば、いかに南アルプスが、世界自然遺産にふさわしいか、分かるということではないか。

30分間ずつ4人のリレートークで開催される。
手帳に書いておこう。
いや、その前に、申し込みだ。


◆5月9日(土)午後1:30より  開場12:30
◆静岡県男女共同参画センター あざれあ
◆申し込み 静岡市役所 環境総務課  054-221-1492
      南アルプス市みどり自然課 055-282-7259
      伊那市役所 政策推進課  0265-78-4111

◎平成21年度総会及びクライテリア講演会』を開催します!!
http://www.city.shizuoka.jp/deps/kankyou-soumu/soukai.html


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