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1999年32歳で乳がん発覚、2007年に再発した女のぶっちゃけトーク

再発告知の続き ~診察室で

2007-11-13 11:10:31 | 再発してから
再発してから 3 

 今後の治療について説明がなされた。

 前回の診察の時に、もし再発していたらどんな治療になるのかと聞いていた。初

発の時から7年経っている事、ホルモンの受容体がある事から、セオリー通りに先

ずはホルモン治療になるといわれていた。

しかし、このレポートを見ると肺転移もしているらしいし、臓器転移の場合抗がん

剤が第一選択肢になる可能性もある。

 だが今回提示された治療法も、ホルモン治療だった。第一、第二、第三のホル

モン治療の選択肢の説明がなされ、その中で医師がよいと思っている選択肢をひと

つ上げてきた。まさに王道的なその治療法だったので、私自身もそれを選択した。

ゾラテックス+アリミデックスである。

ゾラ+タモフェキシンの治療をゾラ2年、タモ5年終えている私は、まぁ似たような

治療法なので、それほど効果が期待できるわけでもなかった。違うのは閉経後に使

われるアリミデックス。その時点で閉経してなかったけれど、ゾラテックスを打てば

閉経は確実だ。

何よりも、抗がん剤だけは打ちたくなかった。初発時にかなりキツイ治療をシッカ

リしている。もちろん、それから七年経っているしあの頃のシビアな病態を考えれ

ば、再発するまでの時間稼ぎには充分なったとは思う。だけど、それで根こそぎに

できたわけでななかったのだ。



 こうやって7年も患者をやっていると、色々な乳がん患者さんと出会うことが多

くなる。その中には再発した人たちもいたし、もう会えなくなってしまった人も多

い。その生き様や治療を見てきた私は、抗がん剤が与える影響の大きさを目の当た

りにしてきた。その副作用は、肉体だけに留まらず、精神的にも、社会的にもあ

る。
  
 「何かほかに聞きたいことは?」と医師にほどこされ、PETの詳しい内容を聞

く。骨転移だけなら、それほど切羽詰った問題でもない。しかし肺転移もあるなら

別だ。その辺を聞いていくが、はっきりしない。PETだけでは判断できかねるら

しいのだ。それで更なる検査のオーダーをだされた。骨の単純レントゲンと、胸部

のCTだ。


 痛みもあったので、それについても聞く。痛みには基本的に痛み止めだそうだ。

胸壁の転移らしいところと、腰や胸の骨に痛みがあったが、とりあえず眠れている

し我慢できない範囲ではないので、痛み止めの処方はしてもらわなかった。

 もうひとつ、痛みに関して考えるのは末期時の痛みだ。私は痛みに関しては弱

い。痛いとマトモな判断力もなくなるし、性格もひん曲がって当り散らしたい欲望

に駆られる。痛みが私を乗っ取ってしまうのだ。死ぬのはしょうがない。死は人間

に定められたものだ。だけど、痛みの中で死ぬのは嫌だった。

耐え難い痛みが襲ってきた時に、セデーションといって意識レベルそのものを下

げてしまって、痛みを緩和する方法ある。それを受けることについて宗教的にどう

なのか、質問してみた。ある意味死をコントロールすることにもなるからである。

 今の主治医はありがたいことに、わたしと同じクリスチャンなのである。(まさ

にこれも神の導きであろう。)主治医は宗教的な見地では答えなかったが、セデー

ションについて、それをはじめる時期が難しいと教えてくれた。まだまだ充分普通

のモルヒネの投与で済む状態なのに、あれこれケアの必要な末期患者を面倒くさが

り、早い時期で投与している医師もいるという。全く信じられない話だが、それで

は逆に患者のQOLを下げてしまう。

だから慎重な判断が必要だということだった。


そんな話を終えて、次回から治療を始めることになった。そのとき、おもむろに医

師が出してきた紙ペラがある。

 そこには面談票と書かれていて、再発ガンの説明のほかに、再発ガンの治療の目

的が書かれていた。 (続く)