Be Bold ! Be Strong !

1999年32歳で乳がん発覚、2007年に再発した女のぶっちゃけトーク

臨床試験

2007-11-14 18:34:24 | 初発時の経緯
初発時の経緯 4

このブログは初発時の状況と、再発時の状況を交互に書き進めています。カテゴリ

ーに分けてありますので、続けて読む方はそちらでおねがいします。



 さぁ、この病気で三人目の医師である、腫瘍内科医の登場だ。

医師というのはつくづく個性的な人たちだと思う。それぞれインパクトがある。

 W医師は、診察室の小さなイスに後ろに倒れるのではないかと思うほどふんぞり

返って座り、大きな身体をイスからはみ出さんばかりだった。この人は権威的な圧

力を与えるタイプの医師で、とにかく「できる男」的アピールがすごい。その辺の

ヘボい医師とは一緒にされたくない、というオーラを出しまくっている。

 治療の説明の段になって、意外な提案が出された。術前化学療法というのは変わ

らないのだが、私のような病態の人を対象にした臨床試験があて、それをしてみな

いか、といわれた。何でも、薬自体は認可されているものであって、乳がんの治療

に使用されているのだが、それを術前でやった場合どうなるかということと、薬剤

の組み合わせが新しいらしく、従来の方法と比べてどうなのか試験するものだっ

た。それによる副作用についても調べるらしい。

 詳しい方法が書いてあるものを書面で渡された。今度の診察まで、どうするか考

えてきて欲しいといわれた。
 
 臨床試験・・。私はその頃、知人から薦められて、慶応大学病院の近藤 誠医師

の書いた本を読んだ。それには抗ガン剤なんか、効かないし臨床試験なんて、もっ

てのほか、というようなことが書かれていた。う~ん。どうしよう。W医師は非常

に効果が期待できるし、それで腫瘍が全くなくなった人もおり、その状態で二年間

キープしているというのだ。

 まぁ、W医師はもちろん参加して欲しいのだろうから、いい事を言うに決まって

いる。そんな効くか効かないか分からない治療に命を賭けていいものだろうか?マ

ウスみたいに、実験されるなんて。

 小さい頃みた、「白い巨塔」という医学ドラマが頭によぎる。