初発時の経緯 3
手術の話になって急にイキイキし始めたり、温存かどうか手術中に決めるという医
師の話に不信感をもち、二回目の診察時に、セカンドオピニオンということでガン
専門病院に紹介状を書いてもらう。
その話を持ち出すと、急に事務的になった。同席した母が「そちらでお話伺った
後に、やはり先生に診てもらうために戻るということはできるでしょうか。」と聞
くと、「いいですよ。でも手術後というのでは困りますね。」と迷惑そうに答え
た。私としてもこの医師に見てもらうつもりはなかった。二度の診察で直感的にダ
メだと思った。
ガン専門病院の外科医師との最初の面談。外科の医師は私とほぼ同年代の女医だ
った。表情や態度が堅い。リラックスした雰囲気はまったくない。患者と医者。こ
のキッチリとした構図の中で、少しもはみ出すことが許されないような緊張感。そ
の頃の私は、突然振って湧いたこの不幸のなかで、かなりナーバスになっていたこ
ともあってこの血の通わぬ関係性のなかで、全くの慰めを受けられない相手に身を
ゆだねなければならないことが不安だった。
ここでは、前医と違った治療方針を告げられた。「今すぐに切るのではなく、お
薬で小さくしてから手術しましょう。」というのだ。
大きくなった乳がんには、術前化学療法とういう方法が用いられる。一般的に術後
にリンパ節の転移をみて抗がん剤をするかしないか決めるのだが、私のように腫瘍
が大きくある程度進行した状態で見つかり、リンパ節にも超音波の画像で転移らし
い陰があるとき、手術時リンパの転移を組織検査するまでもなく、抗がん剤の使用
はマストとなるのだ。腫瘍がある状態で、抗がん剤を投与することによって、その
薬が効いているかどうかの判定もできる。腫瘍が小さくなれば、乳房温存も可能に
なる。
私は乳房を温存したかったので、それについては願っても居ないチャンスと感じ
た。ついては薬の専門の医師がいるということで、バトンタッチすることになり腫
瘍内科医の診察室に回された。
手術の話になって急にイキイキし始めたり、温存かどうか手術中に決めるという医
師の話に不信感をもち、二回目の診察時に、セカンドオピニオンということでガン
専門病院に紹介状を書いてもらう。
その話を持ち出すと、急に事務的になった。同席した母が「そちらでお話伺った
後に、やはり先生に診てもらうために戻るということはできるでしょうか。」と聞
くと、「いいですよ。でも手術後というのでは困りますね。」と迷惑そうに答え
た。私としてもこの医師に見てもらうつもりはなかった。二度の診察で直感的にダ
メだと思った。
ガン専門病院の外科医師との最初の面談。外科の医師は私とほぼ同年代の女医だ
った。表情や態度が堅い。リラックスした雰囲気はまったくない。患者と医者。こ
のキッチリとした構図の中で、少しもはみ出すことが許されないような緊張感。そ
の頃の私は、突然振って湧いたこの不幸のなかで、かなりナーバスになっていたこ
ともあってこの血の通わぬ関係性のなかで、全くの慰めを受けられない相手に身を
ゆだねなければならないことが不安だった。
ここでは、前医と違った治療方針を告げられた。「今すぐに切るのではなく、お
薬で小さくしてから手術しましょう。」というのだ。
大きくなった乳がんには、術前化学療法とういう方法が用いられる。一般的に術後
にリンパ節の転移をみて抗がん剤をするかしないか決めるのだが、私のように腫瘍
が大きくある程度進行した状態で見つかり、リンパ節にも超音波の画像で転移らし
い陰があるとき、手術時リンパの転移を組織検査するまでもなく、抗がん剤の使用
はマストとなるのだ。腫瘍がある状態で、抗がん剤を投与することによって、その
薬が効いているかどうかの判定もできる。腫瘍が小さくなれば、乳房温存も可能に
なる。
私は乳房を温存したかったので、それについては願っても居ないチャンスと感じ
た。ついては薬の専門の医師がいるということで、バトンタッチすることになり腫
瘍内科医の診察室に回された。