法務Sweet Home 新司法試験攻略編

我、真に一擲を成して乾坤を賭せんとす。

会社法370条の不思議2

2007年03月10日 12時29分23秒 | その他
今年の冬の暖かさはやっぱ異常だなあ。
先週、先々週と滋賀県某地まで出張してたんだけど
もう桜が咲いてた。。

暖冬は寒さに弱い僕としては本来は大歓迎なんだけど、
ここまでくるとさすがに不気味だよね。

さて、引き続き会社法370条。
社内でちょっと話題になっていたのだが、
取締役提案に対して他の取締役の賛同は「書面又は電磁的記録」でOK。
こうなってるんだけど、ここでいう
「電磁的記録」って何ぞや?

「要はメールのやりとりでええんか?」それとも
「秘密鍵・公開鍵云々のような特別の方法が必要なのか?」

これがよーわからんかったのです。

というのも、ここで369条を読んでみると3項で
「取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、
 議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、
 出席した取締役及び監査役は、これに署名し、
 又は記名押印しなければならない」

こんな風になってる。

依然として取締役会議事録の作成については
「署名又は記名押印」が必要なわけだ。
そうなると、みなしの取締役会議事録に
「記名押印」が必要かといえば、
これは会社法施行規則101条に書いていないので
「いらない」という結論になる。

こりゃ確かにそうだ。審議の機動性を重視するために、
電話やメールでのやりとりをもって取締役会に代えるのだから
いちいち記名押印なんてしてられない。

しかし、みなしの議事録には記名押印が不要だが
実審議の議事録には記名押印が必要となれば、
みなしの議事録の正当性を根拠付けるために
「書面又は電磁的記録」が記名押印の代替手段なんでしょう、と。
だからこそ「電磁的方法」ではなくて
「電磁的記録」となっているんじゃねーの?

そうなれば、「書面または電磁的記録」ちゅーのは
本人性を担保しうるものじゃないとあかん、
メールのやりとりなんかじゃいかん、
こういうことなんじゃないかと思われるわけです。

しかし、である。
取締役会の機動的な運営を期待した法改正なのに、
電子署名とまではいかないまでも、パソコンに特別な方法を導入せなあかん、
こんなアフォな話はないのであって何のための改正やねん、と
一人突っ込みながらあれこれ調べてみました。

これがですね、調べても正解が出てこない。
日本法令の馬鹿でかい書式集にも載っていない。
うーん、困ったなーと思って、
あちこちのサイトや本を引張ってると、
かの高名な葉玉先生のブログにあっさりと

「メールが相手側のハードディスクに格納されればOK」

こう書いてありました。

立法担当者のご見解、これ最強。
どうもありがとうございました。



会社法370条の不思議1

2007年03月01日 19時57分49秒 | その他
内部統制の基本方針を策定するために
臨時取締役会を開け、とのお達し。

ああそうですか。わかりましたですよ。

議事録を先に作って準備してたら、部長から
「書面開催にしてみてくれ」ときた。

書面で開催できるのは知ってるけど(会社法370条)
具体的にどんな手順で、提案書に何書くのか、
みなし決議の議事録はどう書くのか、よーわからん。
(大体の想像はつくんだが…)

まあ調べりゃすぐ分かるだろうと、書架にある
日本法令の分厚い会社法のマニュアル見たが、
見事にそこだけ載ってない。

なら、ネットには何か転がってるだろうと
あれこれ調べてみたけど書式らしきものがない。

よく考えたら
多くの中小企業にしてみれば
取締役会を開いたことにして普通に議事録作れば
外見上はきちんと開いたかどうかなんて分からないもん。
わざわざ面倒くさい書面開催なんてやらないよね。

さーて、僕は何と書いたものやら。。