やさしいオキナワ / 池澤夏樹 著 垂見健吾 写真
出版社: PARCO出版 ; ISBN: 4891945230 ; (1997/06)
沖縄の好きなところを那覇空港から順に揚げていく。
まず、空港で目にする沖縄の人たちの顔がいい。大好きである。
かりゆしウェアで微笑みかけられたら、もうイチコロである。
そして空港を出てゆいレールに乗り那覇バスターミナルへ。
沖縄を移動するのに乗合バスはオススメではないらしいが、僕のように目的地が本島南部だと結構快適なバスの旅になる。
知念村行きだから東陽バス。車体が古くてガタガタいうけれどそこがいい。
元気のいいオバァや真っ黒な子供たちが乗り込む。みんないい顔である。
東陽バスの運転手さんは子供によく話しかけている。内地ではあまりないなぁ、と思う。
南風原を過ぎて与那原につく頃には、車窓の風景はイナカーになっている。
さとうきび畑にコンクリートの平屋造りの建物。むこうに青い海が見える。これが僕にとっての「のどかな風景」
バスに乗って一時間もすれば知念村の安座真港に着く。
フェリーのりばで見かける人たちは、もうホントに島の人。オバァたちのくったくのない笑い声。
結局、沖縄の何がいいって、人の笑顔。
それが本書には池澤さんの優しい文体と「たるけんさん」の素敵な写真で、たくさんたくさん、つまっている。
新・好きになっちゃった沖縄の離島 / 下川 裕治 (編集)
出版社: 双葉社 ; ISBN: 4575295736 ; (2003/06)
さて、安座真港からフェリーに乗る。目指すは久高島。
この島に向う観光客は少数派だ。フェリーには地元のオジィ、オバァがたくさん陣取っている。
徳仁港には二十分くらいで到着。
僕が毎回お世話になる民宿は「西銘荘」。久高の集落を散策しながらたどり着く。
僕の沖縄行きは、ここの西銘ハナさんに会いに行ってるといっても過言ではないくらいで、この方に沖縄でいちばんお世話になっている。
その西銘荘のオバァ、なんと沖縄のガイドブックに紹介されていた。
本書の「西銘荘のオバァと行く三線教室」がそれ。
民宿の縁側で「めでたい節」の三線を教えてくれたオバァを思い出しました。
風の噂では健康がすぐれないらしく、こちらもご無沙汰してしまっているので心配です。
どなたか近況をご存知の方はおられませんか。
日本人の魂の原郷 沖縄久高島 / 比嘉 康雄
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087200345 ; (2000/05)
久高島といえば12年に一度の祭り「イザイホー」をはじめとする独自の祭祀が有名。
その久高島に通い続け、島人たちの重い口から祭祀の内容を聞き出すことに成功したのが本書。
日本の原郷は沖縄にあり、沖縄の原郷は久高島にある。
その言葉どおり、久高島には我々のルーツが隠されている。
比嘉康雄さんの根気のフィールドワークに脱帽。
オキナワなんでも事典 / 池澤 夏樹 (編集)
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101318190 ; (2003/06)
沖縄に観光に行く際、少しは民俗学や歴史や文化のことも押えておきたいときに役立つのが本書。
執筆者も池澤夏樹、佐木隆三、澤地久枝、椎名誠、大工哲弘、立松和平、垂水健吾、筑紫哲也、陳舜臣、名嘉睦稔、又吉栄喜、水木しげる、目取真俊・・・と、超豪華。
ニライカナイ、斎場御嶽、なんてのもすぐわかる。マチグァーやゴーヤーなんてのもすぐ引ける。
沖縄を知るための最初の一冊としては、これ以上のものはない。