国境の南/south of the border

ysaÿe design officeの いえ 音楽 旅

島旅に連れて行く音楽と本~Part 2

2005-09-26 11:35:53 | 沖縄関連


やさしいオキナワ / 池澤夏樹 著 垂見健吾 写真
出版社: PARCO出版 ; ISBN: 4891945230 ; (1997/06)

沖縄の好きなところを那覇空港から順に揚げていく。
まず、空港で目にする沖縄の人たちの顔がいい。大好きである。
かりゆしウェアで微笑みかけられたら、もうイチコロである。
そして空港を出てゆいレールに乗り那覇バスターミナルへ。
沖縄を移動するのに乗合バスはオススメではないらしいが、僕のように目的地が本島南部だと結構快適なバスの旅になる。
知念村行きだから東陽バス。車体が古くてガタガタいうけれどそこがいい。
元気のいいオバァや真っ黒な子供たちが乗り込む。みんないい顔である。
東陽バスの運転手さんは子供によく話しかけている。内地ではあまりないなぁ、と思う。
南風原を過ぎて与那原につく頃には、車窓の風景はイナカーになっている。
さとうきび畑にコンクリートの平屋造りの建物。むこうに青い海が見える。これが僕にとっての「のどかな風景」
バスに乗って一時間もすれば知念村の安座真港に着く。
フェリーのりばで見かける人たちは、もうホントに島の人。オバァたちのくったくのない笑い声。

結局、沖縄の何がいいって、人の笑顔。
それが本書には池澤さんの優しい文体と「たるけんさん」の素敵な写真で、たくさんたくさん、つまっている。

新・好きになっちゃった沖縄の離島 / 下川 裕治 (編集)
出版社: 双葉社 ; ISBN: 4575295736 ; (2003/06)

さて、安座真港からフェリーに乗る。目指すは久高島。
この島に向う観光客は少数派だ。フェリーには地元のオジィ、オバァがたくさん陣取っている。
徳仁港には二十分くらいで到着。
僕が毎回お世話になる民宿は「西銘荘」。久高の集落を散策しながらたどり着く。
僕の沖縄行きは、ここの西銘ハナさんに会いに行ってるといっても過言ではないくらいで、この方に沖縄でいちばんお世話になっている。
その西銘荘のオバァ、なんと沖縄のガイドブックに紹介されていた。
本書の「西銘荘のオバァと行く三線教室」がそれ。
民宿の縁側で「めでたい節」の三線を教えてくれたオバァを思い出しました。

風の噂では健康がすぐれないらしく、こちらもご無沙汰してしまっているので心配です。
どなたか近況をご存知の方はおられませんか。

日本人の魂の原郷 沖縄久高島 / 比嘉 康雄
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087200345 ; (2000/05)

久高島といえば12年に一度の祭り「イザイホー」をはじめとする独自の祭祀が有名。
その久高島に通い続け、島人たちの重い口から祭祀の内容を聞き出すことに成功したのが本書。
日本の原郷は沖縄にあり、沖縄の原郷は久高島にある。
その言葉どおり、久高島には我々のルーツが隠されている。
比嘉康雄さんの根気のフィールドワークに脱帽。

オキナワなんでも事典 / 池澤 夏樹 (編集)
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101318190 ; (2003/06)

沖縄に観光に行く際、少しは民俗学や歴史や文化のことも押えておきたいときに役立つのが本書。
執筆者も池澤夏樹、佐木隆三、澤地久枝、椎名誠、大工哲弘、立松和平、垂水健吾、筑紫哲也、陳舜臣、名嘉睦稔、又吉栄喜、水木しげる、目取真俊・・・と、超豪華。
ニライカナイ、斎場御嶽、なんてのもすぐわかる。マチグァーやゴーヤーなんてのもすぐ引ける。
沖縄を知るための最初の一冊としては、これ以上のものはない。


たまには、こんなことも・・・

2005-09-16 13:58:44 | 社会科

たぶん、僕のような人間は音楽から受けた思想の影響というものが、かなり大きいのじゃないかと思う。
十代の前半、イエロー・マジック・オーケストラがでて、アタマをガツンとやられた。
十代の半ば、ビートルズはすでになかったけれどジョン・レノンが活動を再開して、ニューアルバムをリリースした。
徐々にロック音楽に目覚め、ヒット曲でもアイドルでもない、自分だけの好みというか傾向というものがわかっていった。
村上龍の「69~シックスティナイン~」ほどではないが、まあ、自分なりの人間形成に音楽というものが深く係わっていったのではないかと思う。
音楽を通じて得たメッセージというものは、「親分を信用するな。価値観は自分で作れ」というようなものではなかったかな、と思う。

今回はどうしてこんな調子なのかというと、世の中、どうもおかしい。
というか、かなり危ない方向に傾いている、と思っているからだ。

ブログ繋がりで懇意な方がアメリカでの旅行中、例の9.11で被害にあった。間接的な被害で良かったが、空港やホテルをたらい回しにされた。本当に怖かっただろうと思う。

去年の春、沖縄の波照間島に行った。自分自身をリセットしに行った。
島のある人(じつは有名人)とすばらしいひと時をすごすことができた。が、突然、その方がイラクの話をはじめた。
その人の友達が「人質」になった話だった。
どうしてイラクなんかにいるのか、わからなかったそうだ。
そして、どうして「人質」なのかも・・・。

現実を忘れるためにいった沖縄の離島であったが、自分の現実の外側には、もっとリアルで厳しい現実があった。

小泉がどうとかブッシュがどうとかいうつもりはまったくないが、危機が日常化し始めているのではないか。
そんな漠然とした不安がたちこめている。

以下は坂本龍一氏の発言の抜粋
この地球上に61億人も人間がいて、誰一人として、ブッシュ氏の戦争を止められなかった。どの言葉も、どの思想も、どの宗教も、芸術も止めることができなかったということは、ちょっと大げさかもしれないけど、人類の敗北です。
『非戦』出版記念会にて   2001/12/19


非戦
坂本龍一 (著), sustainability for peace (著)
出版社: 幻冬舎 ; ISBN: 4344001443 ; (2001/12/20)

ジョン・レノンが凶弾に倒れたとき、NYにはロウソクを持った大勢の人たちが「イマジン」を歌っていた。


ダブル・ファンタジー
ジョン・レノン&ヨーコ・オノ
東芝EMI - ASIN: B000051TBB

谷川俊太郎は「死んだ男の残したものは」というすばらしい詩を書いた。
武満徹はその詩に曲を与え、石川セリが歌った。


翼 武満徹ポップ・ソングス
石川セリ
コロムビアミュージックエンタテインメント - ASIN: B00005EQHA

A.R.B.の石橋稜は「ボート・ピープル」という曲を作った。難民船の歌だ。


トラブル中毒
A.R.B.
ビクターエンタテインメント - ASIN: B00005GX8A

RCサクセションの忌野清志郎は「スロー・バラード」という名曲を生んだ。
不安と孤独が時として、強い力となった。


シングルマン
RCサクセション
ポリドール - ASIN: B00005FJT3

佐野元春は先頃リリースしたアルバム「THE SUN」の中の「GOD」という曲で
♪無事にたどり着けるように・・・と、祈るように歌った。


THE SUN
佐野元春 and The HOBO KING BAND
ユニバーサルJ - ASIN: B0002ADG4A

ここで紹介するアーティストやクリエーターのなかで、戦争に賛成しているものなど、ひとりもいない。


今回は重いテーマでした。・・・まっ、たまにはいいか。


島旅に連れて行く音楽と本~Part 1

2005-09-14 10:33:58 | 沖縄関連


「百景」THE BOOM
東芝EMI - ASIN: B000228WY2

THE BOOMの「百景」を聴く
どの楽曲も日本の風景を切り取ったような感じで、聴いていてとても心地がよい。
特にすきなのが「朱鷺~トキ~」と「心の泉に浮かぶ島」
前者は佐渡島、後者は沖縄を歌ったもの。
島嶼という感覚がいい。島好きにはたまらない。
もちろん現代を唄ったものなのに、郷愁を誘うのはなぜだろう。

「海上の道」柳田 国男
文庫 出版社: 岩波書店 ; ISBN: 4003313860 ; (1978/01)

島の原風景として思い出すのが柳田国男の「海上の道」
「名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実一つ」
とは島崎藤村の詩であるが、柳田国男から伊良湖岬に流れ着いた椰子の実の話を聞いたことから作られたそう。
柳田の想像力は、流れ着いた椰子の実から、はるか南方へと羽ばたく。
日本人及び文化は大陸から稲作とともに伝播したと考えられていた。
しかし日本の若きレヴィ・ストロースは「海上の道」があるのではないかと考えた。
黒潮に乗った琉球、奄美からつづく「海上の道」の道だ。
著作自体は晩年の作であるが、着想は若いときからあった。
このあたり、アインシュタインの相対性理論かダーウィンの進化論みたいである。
とにかく、日本人のルーツを南方に求めたのだ。

「骨は珊瑚、眼は真珠」 文春文庫 池澤夏樹
出版社: 文芸春秋 ; ISBN: 4167561042 ; (1998/04)

池澤夏樹の短編に「最後の一羽」というのがある。
絶滅する鳥の視点で描いているのだが、彼は「最後の一羽」なのである、
♪朱鷺が舞う空を見上げて・・・(THE BOOM 朱鷺)
というフレーズは「最後の一羽」を思い出させる。
この文庫には「眠る女」というすばらしい短編も収録されている。
十二年に一度の沖縄・久高島の祭イザイホーを題材にとった作品である。
~久高島についてはここの旧ブログである「日付変更線」をご覧ください。~

池澤夏樹も宮沢和史もきっと、島好きである。


「海辺の生と死」中公文庫 島尾 ミホ
出版社: 中央公論社 ; ISBN: 4122014034 ; (1987/03)

島の郷愁という意味では、島尾ミホの「海辺の生と死」を忘れてはならない。
幼い日、夜ごと、子守歌のように母がきかせてくれた奄美の昔話。南の離れ島の暮しや風物。
神話というものは、生の状態では、やさしく、悲しく、残酷で、あたたかいものなのだ。
島尾ミホさんが生まれて生きた加計呂麻島では、まだ人々は神話の中に住んでいた。
「海辺の生と死」は神話の貴重な生き証人である。
こんなすばらしい本が絶版だなんて信じられない。

THE BOOMの「百景」を聴きながら波照間島の港で見た椰子の実を思い出した。
このつづきは、また考えましょう。


はじめてのおつかい/筒井 頼子/林 明子

2005-09-07 10:24:24 | 絵本


百円玉を2つ握りしめて、坂のてっぺんにあるお店までの「はじめてのおつかい」。
ドキドキしたりころんだり、お店では声を振り絞って「ぎゅうにゅう くださあい!」と叫びますが・・・。
絵本では名作中の名作。絵本界のベストセラー。
いつ頃出たのだろうと思って調べてみると、1977年。
懐かしいあの頃の風景がすてきな絵とともによみがえります。

たばこ屋さんに赤でんわ。ガラスの陳列棚。前掛のおばさん。
しかし懐かしいだけではありません。
横長の見開きを最大限に使った構図。
ポスターや掲示板など様々な絵の仕掛け。
とにかく、ほんとうに絵がうまい。
アニメの影響でヘンにデフォルメされた挿絵が多い中、これがほんとうのデフォルメという気がします。

台風が去った後のすがすがしい気分。
なので、こんな本を紹介してみました。


ハウステンボスのお洒落なSHOP~2題

2005-09-06 11:06:57 | 記事


なかなかいいカンジのお店が二軒、ならんでありました。
これ↑と、これ↓
主にTシャツや小物を扱っているお店で、デザインもGOO
あまりヨーロッパ、ヨーロッパしていなくて、普通にデザインのよいものを求めるならここがいいでしょう。
BOOMの宮沢さんはこの↓「トラベルマン」の帽子をかぶっていた。
と、うちの甥は言っています。


ハウステンボスの窓枠

2005-09-02 17:21:09 | 記事

え~、なんというか窓枠好きなんです。
職業柄というか、なんというか。こういうのがあると無条件に写真に収めてしまいます。

ね、いいでしょう。こういうの。
窓枠のバランスと壁の汚れ具合。
もしかしてハウステンボスは、古くなったほうが価値が上がるかもよ。

♪あんなに楽しかった夏休みだったのに・・・

2005-09-02 17:12:17 | 日記


今年の夏、いちばん威力を発揮したのが IXY デジタルの防水パック。
なにせ我が家の IXY は極々初期のデジカメなので、その防水パックなんてとうの昔に市場から姿を消している。
で、今流行のヤフオクで安価でGET。
これを持って、来年の夏は沖縄へ行こう!シュノーケル三昧だ!
って、もう来年の話?