一庵 (ひとつあん)

飛べないライター『いたっきい』の愚行をさらしています。

※普段ハtwitterニ居リマス。

城砦陥落 (護衛艦「くらま」衝突事故)

2009-10-29 | 徒然

 

2009年10月28日19:56ごろ。
関門海峡で2隻の大型船が衝突しました。

海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦、DDH-144「くらま」韓国船籍のコンテナ船「カリナスター」です。「くらま」は、相模湾で行われた自衛隊観艦式から、母港佐世保に向かう帰途にあり、「カリナスター」は釜山から大阪へコンテナを運搬する途上にありました。

いたっきいは基本的には時事ネタにはツッコミをいれないのですが、事故の6日前に「くらま」に乗艦、またその翌々日には別の護衛艦から「くらま」を見ています。

事故後の艦首が丸ごと無くなったシーンがあまりにも無残でしたので、ありし日の雄姿を写真でご紹介します。
※過去のエントリーと写真がダブってますが、気にしないでください。今回は「くらま」特集です。

 
 相模湾 観艦式予行2にて
 DDH-144「くらま」 第2護衛隊群第2護衛隊(佐世保) 2009.10.23撮影

 
 左:「くらま」、右「まきなみ」の艦尾

 
 2009年観艦式では「観閲艦」を担当。来賓の乗艦を待つ

 
 乗艦者を迎えるタラップ。となりは退役した初代「しらせ」

 
 タグボートで桟橋から引き離される

 
 出航準備

 
 登舷礼

 
 交通量の多い浦賀水道を抜ける「くらま」

 
 「くらま」艦橋。号令と報告が短くキビキビと行き交う

 
 ウイングの見張り員

 
 艦橋直下より、艦首方向を見る

 
 主砲の旋回デモ

 
 広大な後部飛行甲板

 
 訓練展示に向け、左に転舵する「くらま」

 
 ミサイル艇のIRデコイの残滓を抜ける「くらま」

 
 飛行艇の訓練展示を観閲する

 
 イージス艦2隻を従え、単縦陣で航行する

 

さて。

わざわざこの記事を書こうと思ったのは、事故翌朝のテレビ番組を見ていて、有名なコメンテーターが、「自衛艦の見張りは何をやっていたんでしょう?」 「観艦式が終わって気がゆるんでいたのでは?」と発言したことに怒りを覚えたからです。

ただでさえ危険な海峡部。見張り員をはじめ、総員が最も緊張する場面であることは、素人であるいたっきいでも分かります。その程度のことが推測できない、もしくは“自衛隊憎し”の論調でまず自衛隊側に問題があるように話す姿勢が気に入りませんでした。

そこで、現在までに分かっている「事実」から、いたっきいなりに推論してみました。
(2009.10.28 20:00時点での推論)

 
 関門橋付近の航路(クリックで大きな画像が開きます)

 ※各船の航跡はいたっきいの憶測です※

・航路は海峡中央を境に分かれている。右側通行。
・追い越しは(船長の判断で)可能。
・追い越すときは左側から。
・当時の潮流は東から西へ約2kt。「くらま」を後ろから推す方向に流れていた。

コンテナ船「カリナ・スター」の速度は、推定約12kt。直前を約6ktで貨物船「クイーン・オーキッド」が航行していた。

関門海峡海上交通センターの管制官は、事故の約4分前から該当船に対して交信を開始した。クイーン・オーキッドに対し「C号(コンテナ)が接近している。注意してください」と通信。「了解。左側を追い越させます」との応答があった。その後さらに「右側へ寄ってください」と指示。次にカリナ・スターに対し「貨物船が右側に動いています。左側を追い越してください」と伝えた。

「くらま」と「カリナ・スター」が衝突したのはこの直後。

「くらま」は関門橋に差しかかる寸前、左前方から接近する「カリナ・スター」に気付き、艦長の指示で艦首見張り員は急いで後方に退避。同時に機関逆進(スクリューを反対方向に回す)をかけた。見張り員への退避の指示が聞こえなくなることをおそれ、警笛は鳴らしていない。

第7管区海上保安本部の調べでは、衝突位置は海峡中央より下関(北)寄り。「カリナ・スター」が航路をはみ出していたことが分かっている。

 

さて、なんとなく見えてきたような気がしませんか?

いたっきいの推測では、管制官は、単に“追い抜きは左から”の原則に従って指示したのですが、これを「カリナ・スター」の船長は“左に大きめに転舵しても大丈夫”と受けとったのではないかと思います。

しかも、ここは航路自体が曲がっている上に陸地があって見通しが悪く、さらに航路の最も内側を「クイーン・オーキッド」が航行していたことも、お互いの視認が遅れた理由ではないでしょうか?

また、「カリナ・スター」の右への転舵が間に合わず大きくふくらんだ要因には、次の3つが可能性として考えられると思います。
・速度を出しすぎていた。
・東からの潮流が圧流を生み、左へ流された
・右側を航行していた「クイーン・オーキッド」の右転舵が遅れ、「カリナ・スター」も右に曲がれなかった

と、現時点ではそんなことが考えられるんじゃないかなあと思っているわけです。

「くらま」からすれば、左カーブの手前で対向車の後ろからセンターラインをはみ出して追い越してきたトラックとぶつかったようなもので、過失はなかったと思っています。

これは10月28日時点の情報を元にした憶測ですので、今後考えが変わるかも知れません。しかし、真っ先に自衛艦を疑った(半ば決めつけた)某新聞社やテレビ局の姿勢はやはり疑問です。あんたらそれでも日本人か!と思ってしまいました。

さて。

起こってしまった事故は致し方ありません。「くらま」艦長の素早い指示で、艦首見張り員が全員無事だったことに拍手を送り、犠牲者が出なかったことをひとまず喜んでおくとして…

マニア的に問題なのは「くらま」の今後の処遇です。

「くらま」は就役が1982年と古く、もうあと4、5年で退役になる予定です。その後継艦として、2009年8月31日に発表されたのが多目的空母22DDHです。しかしこれはまだ計画段階のフネであり、民主党政権にかわって予算がおりる可能性も低くなったのではないかと思います。となると、「くらま」はやはり修理して延命させる必要があるのかも知れません。

しかし、ダメージが思ったよりも深く、例えばキールまで損傷しているような場合には、大きな予算を投じて修理しあと数年間使うよりも、すぐに除籍・解体としてしまったほうがいいという考えも出てくるわけです。

そうなると、イージス艦と並び海の守りの要であるヘリコプター搭載護衛艦が1隻減ることになり、国防体制に穴が空くことになります。

さて、「くらま」の運命やいかに!?

 

 
 艦内の神棚。通称「くらま神社」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 100円程度のお布施では、効果がない

 ことが判明しました(T_T)

 


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
某TV局は… (どんちゃん)
2009-10-29 09:10:00
 自衛隊憎しの論調に変化ないですね…
ある意味、筋が通ってるというか…(苦笑)
でも、今回はぶつけられた…って感がいなめない…
事実そうだし…
韓国が何らかの賠償をしてくれるとは思わないけど…
こういう時、保険ってどうなってんの?
車の保険みたいに直してくれたりはしないのかな?
某局はあきらめてます (いたっきい)
2009-10-29 11:01:28
■どんちゃんさん

お久しぶり! コメントありがとう。
某局の態度は、日本を売ってるとしか思えないんですよ。戦前は、あんなに右だったのにw
それよりも、あの国のネチズンがあーだこーだと言い出したらそっちのほうがうっとうしい。

韓国船が荒っぽい操船をするのは、船乗りの間では有名みたいやね。韓国船ももちろん保険には入ってるだろうけど、軍艦は高くつくやろうね。トラック(コンテナ船)が、フェラーリ(自衛艦)にぶつかったようなもんやから。

損害額も大きいけど、国防に穴が空くのも大きなマイナス。口さがない人たちは、きっと「自爆テロ」っていうに違いない。

数日前、内部まできれいに塗り直して磨き上げられていた光景に感心しただけに、すごく残念です。
くらま艦長の処置は立派だと思います。 (あかぃりんご)
2009-10-29 23:17:25
>  有名なコメンテーターが、(中略)「観艦式が終わって気がゆるんでいたのでは?」と発言したことに怒りを覚えたからです。(中略) ただでさえ危険な海峡部。見張り員をはじめ、総員が最も緊張する場面であることは、素人であるいたっきいでも分かります。その程度のことが推測できない、もしくは“自衛隊憎し”の論調でまず自衛隊側に問題があるように話す姿勢が気に入りませんでした。

 同感です。
 NHKのニュースだったと記憶しますが、某大学の教授という肩書でしたが、自衛艦には舵を右に切らなかった過失がある、との説を述べていました。この人の論旨は、「くらま」の操艦で衝突が避けられたとの前提に立っていますが、あかぃりんごは狭い海峡と大きなフネのことを考えると、この人の前提が不審です。この人も、放送局も、軽率だと思います。この水準の人たちが発言力をもっていることを忘れてはならないと思います。

 軍艦が商船と衝突して大きく損壊したことに衝撃を受けているようですが、冷静に考えてみると、一般に兵器というものの宿命だと思います。一例が、シブヤン海に沈んだ軍艦武蔵にもあります。その生き残りの方は、「一回の主砲斉射の衝撃でその方位盤(照準器)が故障した」事実を書き残しておられます。
http://www1.odn.ne.jp/koyama/musasi.htm> 

 今の軍艦は、衝角を使って,敵艦を攻撃するようには設計されていないのです。それよりも、軽量・高速化を図っているから、それこそ、高価なスポーツカーとダンプカーが衝突したようなものなのでしょう。兵器というものは、合理性を追求した物品ですから、武蔵で起こったことも、くらまで起こったことも当然と起こる、と思います。

 それよりも、あかぃりんごは、艦首配置の人員に死者が出さなかった艦長や乗員の方の錬度の高さに敬意を表し、褒め称えたいです。そして、いたっきぃの世宗大王レンタル案のpunch lineにも敬意を表します。海上保安庁の発表と政府の動きを見ていきたいと思います。


 さて、丁寧なお返事ありがとうございました。

> たけしおの洗濯機は、家庭用でしたよ。

 メーカが分かれば、 http://akairingohanorashigoto.blogspot.com/にでも、お願いします。そのメーカの方には、とても名誉なことですね。各国海軍海軍省装備担当部局に営業されたらよいと思いますw と、言うか、国によっては、テレビコマーシャルになりえますね・・・


> その「くらま」が6日後に艦首を失うとは、想像すらできませんでした。

→ スタフラの羽田ー福岡便でのM機長との一件を見た時に、いたっきぃはその星の下にお生まれになった方だなぁと感じていました。
 だからと言って別に意味はないと思いますが、あかぃりんごの友人にはそういう方がちらほらおられる事からして、あかぃりんごの星は、そのような星の下におられる方と知り合いになることかも知れません。


> おや、そうですか。“雷鳥”を見に、千歳・三沢といってきたのです。


→ それでも、分かりません。国鉄の特急のことではないですよね。飛行機のことですか? 教えて下さい。

> 二一型は見たことすらありません。

→ Auckland、NewZealandの科学博物館だったと思います。そこに零戦があった訳です。説明は、「Mark 2」とありましたが、機体横、尾翼近くには「二一型」との表示がありましたので、私は学芸員の方に機体表示と説明文が矛盾することを説明しました。了解されたようで、その方は喜んでおられました。この経緯のために、操縦席に座らせてくれたのです。私はその時に、カウリングの腹を見ました。オイルの染みた跡があったので、私は悲しくなり、そのことの意味を説明しました。そうしたら、その方が、P40のCockpitにも座らせてくれたのです。前面の防弾ガラスの厚さに私は涙を禁じえませんでした。P40の腹にはオイル漏れの後はありませんでした・・・
 いたっきぃを知った今思うのですが、あれが、あかぃりんごでなく、いたっきぃであれば、ヒコーキも喜んだんじゃないかと思います。だから、アレが本当に二一型かどうか分かりません。

> やるおつもりだったんですか(爆)!

→ はい。R3とR8の記事を見て、周辺のことも調べて、面白いからやれると思っていました。あかぃりんごは不器用なので、半分くらいの確率でうまく行く、だから、やろうと思っていました。前提は、いたっきいと手先の器用さが同程度ということです。
 あのケーキの画像で、その前提が崩れました・・・加えて、「宴会電車」の集合写真を撮られた時の段取りの記述を思うと、あかぃりんごは、その前提が間違っていることに気が付いたのです・・・勇気ある決断だと思います。


> 突然ですが、なぜ「あかぃりんご」なのでしょうか…?

→ よく聞いて下さいました。簡潔に答えますから、納得するまでお尋ね下さい。
あかぃりんごのネット・PC生活は今年8月に突然始まりました。その契機になったのは、「あおもりくま」「aomorikuma」氏でした。氏のブログで討論する際に、匿名では嫌でしたのでスクリーンネームが必要でした。それで、何んとなく付けた名前です。
 最初は、「あかいりんご」と「い」が普通に大文字でしたが、その名前の方がほかにもいることを知ったのと、いたっきぃがひらがな小文字を使われているのに気が付いて、「あかぃりんご」になりました。
 なお、私のブログ「あかぃりんごは野良仕事」にもニクキウが付いております。これは、あかぃりんごが敬愛する新しい友人のサイトで見つけたものです。なお、アレはBloggerには張り付けることができない、との製造元の見解でしたが、なんだか分からないうちに付いていました。もし、その見解が正しいなら、世界でただ一つニクキウを積んだBloggerサイトということになりましょうか・・
 ヒクヒク ← 虚栄心のために、小鼻が音を立ててしまいました。


> それにしても、FLAKってw 察するに、あかぃりんごは旧ドイツ軍に並々ならぬ愛情を注がれているのでは?

→ FLAKって、言葉を初めて知ったのは、米陸軍の爆撃機乗員の記録を読んでいた時でした。独空襲時には米陸軍内でFLAKは普通に使われていたのですね。辞書で調べて、それが、FlugzeukAbwerKannonの短縮形だと知りました。 
 そうですね、いたっきぃとの文通はなんだか成り行きで、兵器が多くなってしまったから、そのような印象をもたれたのでしょうね。私は、確かに道具は好きですが、それ以上に萌えるのはその道具をめぐるヒトですね。


> なんだろ? この質問、今まで何人にも聞かれましたが、みなさん「日本の戦車には」という前置きがついてるんですよね…。

→ あかぃりんごも含め、そのような枕詞を付ける者は、強い戦車をもつ例えばロシアなどの国は方向指示器のようなものは戦闘車両に付けない、日本の戦車は中途半端だから付けている、という伝説を聞いたのではないでしょうか?
 そこでお願いです。今度戦車を撮影する時に、方向指示器を点滅させた画像を一つお願いします。
 あと、風呂敷を広げると、方向指示器のない戦車を装備する国を探せば面白いかもしれません。帝国陸軍はどうだったのでしょうか?つまり、これは、警察当局と軍部の力関係を象徴してはいないでしょうか?今、この話し合いの中で思いついたことです。
 
> 現在「高射砲」「高角砲」というものは存在しませんが、「高射機関砲」ならあります。

→ ということは、対空のcannon, artillery gunが飛行機の機動が良くなったなどの理由で、存在意義がなくなったのですか?


 くらまが6時間の間、燃えたことを、海自の建艦部局および用兵当局はどのように、評価しているのでしょうね。さらに、各国海軍はどのように評価しているのでしょうか?関心があります。
二度あることは・・・ (あかぃりんご)
2009-10-30 10:33:22
 掃海艇「みやじま」が投錨仮泊中に、漁船が衝突してきた一件について、日本放送協会は、11月30日朝のNHKニュースで、事故原因として、「双方の見張りが不十分であった。」と主張していました。

 すなわち、「みやじまの当直見張りが適切に業務を行っておれば、衝突が防げた」とNHKは主張しており、「くらまが右舵を取っておれば、衝突が避けられた」との主張を繰り返したわけです。論旨から判断しますと、原稿を書き、報道を許可した人たちは、自分の言っていることを分かっておらず、アナウンサーも書かれたままを機械になって読み上げているようです。

 ところで、ナポレオン陛下が幽閉先の島を脱出された時に、Parisの新聞が、「賊、脱獄!」と報じ、最終的に大舞台とともに首都に凱旋された時には「皇帝陛下、御戻り」とか報じた史実とある旨、ある爺様から聞いたことを思い出しました。あかぃりんごはこのようなヒトの行動に照らし、上述のNHKの報道行為については、ありがちでもっともなことで、それ以上のことをNHKに求めるのは酷である、と思います。つまり、あかぃりんごとしては、取り立てて、日本放送協会に対して、意見があるわけではないのです。

 ただ、上の報道行為は、その不当性ゆえに、人を怒らせるでしょうし、海自のみならず、現場で誠実に働く公務員諸氏の感情を傷つけたことを懸念しているのです。

 また、NHKの記者、査読した職員、アナウンサーに健全な感性が残っているならば、それらの人のこれからの人生の中で将来の苦しみの種、災い、良心の呵責の種になりはしないでしょうか・・三度ある、とは、NHKのことです。


> 城砦陥落 100円程度のお布施では、効果がないことが判明しました(T_T)

→ 寸志、畏るべし、とも言います。だから、いたっきぃのお気持ちは必ず効果を表す・既に表しているかも知れません。ですから、艦や、艦をきれいに大事にしていた海自諸氏へのお気持ちは同じですが、城砦陥落 とのご判断はもう少し待たれてはいかがでしょうか?

 ここで、思い出したことがありますので、聞いてやって下さいますか?

 某国の大戦車部隊が携帯武器で装備された歩兵部隊の前に壊滅状態になったことがあったそうです。又聞きですが、機甲部隊が歩兵部隊の前に全滅した最初の出来事らしいです。真偽のほども確とは知りませんが、その後の成り行きなどからみて、あかぃりんごとしてはたぶん、本当だと思っていることです。
 ナント、戦車乗員は後部から脱出して人的被害がほとんど出ず、戦車の補充だけの案件になってしまい、交戦国がアゼンとした位、再建が早かったようです。戦車の設計も乗員の生命を守っただけではなく、部隊行動でも戦闘間にMIAはほとんど出なかった、出さないように徹底的に探したらしいです。だから、負傷して動けなくなっても、友軍が捜索に来てくれることを計算できた、らしいです。錬度と士気の高さのことを言いたいのです。

 そこで、いたっきぃがお布施をされた、そのことの意味を申し上げたいのです。

 そのお布施に海自隊員がきっと気付かれたとあかぃりんごは思います。参観者からのそのようなお布施は奇特なことではありませんか?気付いた海自隊員はそのお布施のことを同僚に話したのではないでしょうか・・・乗員諸氏の士気は上がらざるを得ません。

 あかぃりんごが乗員だったら、その100円を国民一般からの支持と解釈し、一層、職務に励もうと思うでしょう。妄想でも何でもないと思います。人情とはそんなものです。だから、いたっきいの100円は、くらま神社に作用して、艦首見張員の無事につながる一つの要素にもなった、とも言えるのではないでしょうか?
 
 あかぃりんごは、衝突時に死傷者を出さかった平素の訓練の成果について、乗員諸氏に敬意を表しますが、その時の艦首見張員がいたっきぃのお布施を見た人であっても、驚かないでしょう。
 

 個人の破滅も亡国も、人の心の、ほんの少しの荒廃から起こるようにあかぃりんごには見えます。それは、自然淘汰とも言えましょう・・・
犠牲者がいないのが何より (いたっきい)
2009-10-31 21:09:47

■あかぃりんご

コメント、なるべく長くならないようにお答えしますね。

>軍艦が商船と衝突して大きく損壊したことに

今の戦闘艦は打たれ弱いことは承知しています。基本的に、自艦に向けて飛んでくるミサイルも叩き落とす前提ですから。だから衝突したら大きな被害を受けることも分かっていました。私が衝撃を受けたのは、よりにもよって「くらま」が巻き込まれたことにあります。

>「一回の主砲斉射の衝撃でその方位盤(照準器)が故障した」

主砲の斉射で甲板に敷き詰めた台湾檜の板がめくれ上がるそうですからね。想像に難くないです。架空戦記モノの小説には、「大和級」戦艦に現在の電子装備や兵装を積んで大活躍させるものも多いですが、これらは(もし本当に実現させても)主砲の射撃で壊れてしまうと思っていました。あと「大和」の発電量では現在の兵装は使えません。

>いたっきぃの世宗大王レンタル案のpunch line

ちょっと過激だったのでこのオチは削除しましたw

>いたっきぃはその星の下にお生まれになった方だなぁ

昨日、私の前職の関連会社の方とはじめてお会いする機会があったのですが、その方もヒコーキマニアでして、お話ししているうちに、どうやら過去同じ便に乗り合わせたことがあるらしいということが分かりました。たぶん、航空祭などで何度もニアミスしています。つくづく、世の中は狭いと感じます。

>国鉄の特急のことではないですよね。飛行機のことですか?

“雷鳥”とは、米空軍の「サンダーバーズ」のことです。
数年ぶりに日本でのショーがあるので、追いかけて行ってました。前に日本に来たときは荒天ですべてのショーがキャンセルされましたから、日本では18年ぶりのショーになりました。
またここでお伝えする予定です。

>私のブログ「あかぃりんごは野良仕事」にもニクキウが付いております。

たしかに、ありますねw
あのプニプニ感と、ブログの「見た目」に柔らかい感じをつけたくておいてみたものです。ネコ好きですしね。落ちているネコがあれば拾って帰ろうと思っているのですが、なかなか都合よく見かけません。
なにはともあれ、“敬愛する新しい友人”とよんで下さることには恐縮というか、感謝というか、照れてしまいますね。

>それ以上に萌えるのはその道具をめぐるヒトですね。

非常によく分かります。
航空祭や火力演習では「スペックマニア」な人をよく見かけます。曰く「F-15とF-22を闘わせたら…」とか「90式は軽量で…」とか、知識のみにしか興味がなさそうな人です。でも、どんな兵器にしてもそれを扱うのは人間ですし、人と人の連携で兵器がさらに精強にも役立たずにもなるものです。マルヨンでイーブルを撃墜することだって可能なんですからw

航空祭での機動飛行を見ても、パイロットの気合いの入り方や安全への配慮を察することができます。そういう視点で見ると、また違った楽しみがあります。

10年ほど前の小松基地航空祭で、イーグルが離陸後、超低空でエプロン方向に向かって急旋回してきたことがありました。機動を開始したときの高度は主翼1枚分もなく、背筋がゾクッとしたのですが、このとき飛行隊の方々が「ラッコだもんなあ…何かやると思ったんだよ」というようなことを話していたのが今でも印象に残っています。私はそのとき、直接の面識はないもののラッコ(TACネーム)さんのことは存じ上げていて、“F-15だから”ではなく“ラッコさんだから”できた機動だと思いました。

つまり、「F-15はすごい飛行機」ではなく「F-15をそこまで扱えるラッコさんはすごい」という見方ですね。やはり、道具は扱う人次第です。ちなみにラッコさんはその後ブルーのパイロットにも選抜されました。

>日本の戦車は中途半端だから付けている、という伝説を

かもしれませんね。
ちなみに、ウィンカーは演習では作動させませんのでなかなか見られません。作動状態を写真で撮るには、戦車が公道を走っている北海道に行かなければなりません。youtubeで「90式戦車 東千歳 公道」で検索してみてください。ウィンカーを作動させて交差点を曲がる戦車が映像で分かります。

>帝国陸軍はどうだったのでしょうか?

当時はもちろんありませんでした。それは軍用だからというわけではなく、当時は自動車にも装備されていなかったからです。

>対空のcannon, artillery gunが存在意義がなくなったのですか?

そうとはいいきれないと思います。
護衛艦の「単装速射砲」は破片調整弾を用いて対空戦闘にも使えますし、米軍では多目的対戦車榴弾 M830A1を用いて戦車砲で対空目標を攻撃できます。たぶん90式戦車の射撃管制装置なら、ヘリくらいなら落とせると思いますよ。
しかし、より長射程で命中率が高いミサイルの登場で、高々度を飛ぶ航空機を狙う「高射砲」は絶滅しかけているのは間違いありません。

>くらまが6時間の間、燃えたことを、海自の建艦部局および用兵当局は

ペンキが燃えただけです。「カリナ・スター」が少し燃えたのも、おそらく「くらま」の火が引火したものでしょう。海自のフネは、米海軍の艦艇を参考に徹底して可燃物を減らしています。金属部分はこすっても火花が出ない真鍮が多用されていますし、もちろん艦内では調理にも火を使いません。運が悪かったとしか言いようがないですね。
それにしても6時間は意外でした。この教訓はきっと今後に生かされるでしょう。

>某国の大戦車部隊が携帯武器で装備された歩兵部隊の前に壊滅状態

第4次中東戦争の、イスラエル陸軍第252機甲師団のことだと思います。1日で、約150輌の戦車が歩兵部隊に撃破されたと認識しています。(このときイスラエルは、開戦2日で約550輌の戦車を失いました)
戦車の最大の敵は航空機、次いで歩兵です。戦車は敵の歩兵を近づけないために味方の歩兵との連携が必須ですが、このときは意表を突かれたこともあり、支援すべき歩兵部隊がいませんでした。

>人的被害がほとんど出ず、戦車の補充だけの案件になってしまい
>戦車の設計も乗員の生命を守った
>MIAはほとんど出なかった、出さないように徹底的に探した

人口が少ないイスラエルならではの考えですね。
MIAを徹底的に探す。そのための犠牲はいとわない…。なんだか矛盾しているようですが、これが士気の高さを生み、積極果敢に敵地に飛び込む原動力となるのはたしかでしょう。映画「ブラックホーク・ダウン」でも、数名の兵士を救うのに大規模な兵力を投入しているのが分かります。
旧日本軍にも少しはこの考えがあればよかったのですが…

ちなみに乗員保護最優先の戦車は「メルカバ」です。調べてみれば、感心することばかりですよ。

>参観者からのそのようなお布施は奇特なことではありませんか?

艦内にいた自衛官の方に「神棚はどこですか?」とたずねたところ、そこまで案内してくださいました。財布を取り出したら「ありがとうございます」と敬礼されました。恐縮しきりでした…

>くらま神社に作用して、艦首見張員の無事につながる一つの要素にもなった

そう考えたいところですね。
犠牲者が出なくて、本当になによりでした。


あれ、やっぱり長くなってしまった…