藤原伊織『シリウスの道』を読みました。
藤原伊織との出会いは『ひまわりの祝祭』。
いや、それ以前に『テロリストのパラソル』の存在は知っていました。
何しろ乱歩賞と直木賞同時受賞作ですから。
その後も、現在まで、そういう作品は出ていません。
乱歩賞は、ミステリーの新人発掘のための賞です。
一方の直木賞は、娯楽小説の分野での貢献が大きい作家に与えられる傾向があります。
つまり、新人で直木賞、ということが、まず難しいわけです。
その『テロリストのパラソル』は、なぜか読みませんでした。
「テロリスト」という言葉に、手を出しあぐねたのかもしれません。
ドラマで内容を知ってから、逆に惹かれはしました。
しかし、ある程度内容を知ってしまったので、読みませんでした。
『ひまわりの祝祭』は、ゴッホの「ひまわり」を巡る物語。
そういう話は嫌いではないので、即手にしました。
そして、一気に引き込まれたのです。
藤原伊織の小説は、文章を読む楽しさをしみじみと味わわせてくれます。
会話の面白さはもちろんですが、地の分も秀逸。
基本的に、どの作品も、主人公はひねくれ者だと思います。
これも嫌いではありません。
多分、自分もひねくれているせいだと思います。
全体的にハードボイルド的な空気も漂っているでしょう。
ヴァイオレンスは存在しますが、アクセント程度にとどまっていると思います。
さて『シリウスの道』です。
これを読んで、まず後悔したことがあります。
それは、この作品に『テロリストのパラソル』とリンクした部分があるからです。
話の本筋とはあまり関係はありません。
詳しくは触れませんが、小道具的として、共通のものが登場します。
初めは、おや、と思った程度でした。
何しろ小説『テロリストのパラソル』を読んでいないのですから。
しかし、読んでいるうちに、ひょっとして、と思い、調べたところ、やはり、でした。
『シリウスの道』の内容は、ミステリーと呼んでいいのかどうか、微妙だと思います。
が、楽しめました。
相変わらずの文体です。
舞台は、広告業界。
著者にとってはお手の物。
何しろ、数年前に作家業に専念するまでは、日本一の某広告会社に勤務していたのですから。
主人公が一つのプロジェクトを遂行していく物語。
と書くと、業界モノ、ビジネス小説と思われるでしょう。
ですが、まるでそんなことはないです。
確かに、広告業界の裏側を見ることはできるでしょう。
ですが、それは軸でありながら、添え物に過ぎない。
主題は、その主人公が背負い続けたものだと思います。
多分普通の人よりは少しだけ重い十字架を背負い、主人公は生きてきました。
少年時代の苦い思い出。
それは、その質に違いはあれ、誰もが持っているものでしょう。
そんな十字架は、時が経つことによって、おろしたつもりでいても、おろせない。
そして、ふとしたときに実体を持って目の前に現れることがある。
かつて失恋した女性に、何十年ぶりに街角で偶然再会。
卑近な例で示せば、そんな感じでしょうか。
それが現れたとき、人はどういう行動に出るのか。
それに対してどう思うのか。
この小説は、そういったことを書いているのだと思います。
一読の価値はあると思います。
藤原伊織との出会いは『ひまわりの祝祭』。
いや、それ以前に『テロリストのパラソル』の存在は知っていました。
何しろ乱歩賞と直木賞同時受賞作ですから。
その後も、現在まで、そういう作品は出ていません。
乱歩賞は、ミステリーの新人発掘のための賞です。
一方の直木賞は、娯楽小説の分野での貢献が大きい作家に与えられる傾向があります。
つまり、新人で直木賞、ということが、まず難しいわけです。
その『テロリストのパラソル』は、なぜか読みませんでした。
「テロリスト」という言葉に、手を出しあぐねたのかもしれません。
ドラマで内容を知ってから、逆に惹かれはしました。
しかし、ある程度内容を知ってしまったので、読みませんでした。
『ひまわりの祝祭』は、ゴッホの「ひまわり」を巡る物語。
そういう話は嫌いではないので、即手にしました。
そして、一気に引き込まれたのです。
藤原伊織の小説は、文章を読む楽しさをしみじみと味わわせてくれます。
会話の面白さはもちろんですが、地の分も秀逸。
基本的に、どの作品も、主人公はひねくれ者だと思います。
これも嫌いではありません。
多分、自分もひねくれているせいだと思います。
全体的にハードボイルド的な空気も漂っているでしょう。
ヴァイオレンスは存在しますが、アクセント程度にとどまっていると思います。
さて『シリウスの道』です。
これを読んで、まず後悔したことがあります。
それは、この作品に『テロリストのパラソル』とリンクした部分があるからです。
話の本筋とはあまり関係はありません。
詳しくは触れませんが、小道具的として、共通のものが登場します。
初めは、おや、と思った程度でした。
何しろ小説『テロリストのパラソル』を読んでいないのですから。
しかし、読んでいるうちに、ひょっとして、と思い、調べたところ、やはり、でした。
『シリウスの道』の内容は、ミステリーと呼んでいいのかどうか、微妙だと思います。
が、楽しめました。
相変わらずの文体です。
舞台は、広告業界。
著者にとってはお手の物。
何しろ、数年前に作家業に専念するまでは、日本一の某広告会社に勤務していたのですから。
主人公が一つのプロジェクトを遂行していく物語。
と書くと、業界モノ、ビジネス小説と思われるでしょう。
ですが、まるでそんなことはないです。
確かに、広告業界の裏側を見ることはできるでしょう。
ですが、それは軸でありながら、添え物に過ぎない。
主題は、その主人公が背負い続けたものだと思います。
多分普通の人よりは少しだけ重い十字架を背負い、主人公は生きてきました。
少年時代の苦い思い出。
それは、その質に違いはあれ、誰もが持っているものでしょう。
そんな十字架は、時が経つことによって、おろしたつもりでいても、おろせない。
そして、ふとしたときに実体を持って目の前に現れることがある。
かつて失恋した女性に、何十年ぶりに街角で偶然再会。
卑近な例で示せば、そんな感じでしょうか。
それが現れたとき、人はどういう行動に出るのか。
それに対してどう思うのか。
この小説は、そういったことを書いているのだと思います。
一読の価値はあると思います。