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飼い猫の遠吠え

とにかく気持ちは前向きに寝る間を惜しんでほふく前進・・・

木曽駒ケ岳:木曽駒特別(その3)

2006-11-19 23:59:25 | 山登りのたしなみ
レースの模様はこちら
木曽駒ケ岳:木曽駒特別(その1)
木曽駒ケ岳:木曽駒特別(その2)

==
「クレイジーキャットの独白」

今回のレース結果の責任は、ペース配分が原因でしょうね。
最初の方は、本当に楽な道が続いていて、「なぁんだ、距離はあるけど結構楽な道なんだ」と思っていました。レース前に、『小中学校の遠足にも使われていた』なんていう情報ももらっていましたから、まぁ、こんなものかなと安心していたわけですよ。

あ、水については、地図で確認してはあったのですが、ちゃんとスポーツドリンクと水を持っていっていたんですけどね。こんな看板があると、ついフラフラと行ってしまって(笑)。そして、がぶ飲み・・・。


大樽小屋から歩くこと3分程度で水場がありました
なんだか飼い葉桶のような水場でしたけど(笑)


胸突八丁に入ってからも、まだまだ歩きやすかったですし、どこが「胸突八丁」なんだろう、と甘く見ていました。五合目、六合目、津島神社を過ぎてもまだまだそんな状況でしたら、油断したんでしょうね。なんせ、津島神社では、「ヒカリゴケ」の看板を見つけたので、喜んでアチコチを見て回る余裕でしたから。


六合目付近でも、こんな歩きやすいコースが続いていました


ちょっと異変を感じたのは、七合目手前の頃でした。今までいい天気が続いていたのですが、前方からビュービューと暴風が吹き荒れるような音が響いてきまして、あたりが急に真っ白になったり、晴れたりと忙しくなってきたんです。上に行くにしたがって、紅葉している葉っぱも凍っているのを見つけて、やっぱり雪でも降ったのかと心配にもなってきましたね。


歩いていて暑くなっていたので、なかなか気がつかなかったのですが
日が当らなくなってきてから、寒くなりましたね


そして、七合目前あたりからでしょうか。恐らく運動不足だったからだと思いますが、急に疲れがズンッ!と来まして、急遽ペースダウンを余儀なくされたんですよ。そんな時に限って、登坂が本格化してきまして。別によじ登らなければならないような急坂ではないんですけど、普段の山行であれば何の問題もないコースも、こういう時に来られると厳しいものですね。若干マージンがありましたので、抜かれることは無かったですが、バテている人特有のちょっと歩いては休み、とファンには見せられないような、お恥ずかしい内容でしたね。


ここからが本当の胸突八丁といった坂道でした
とにかくどこまで続くんだ!という長い長い登りが堪えましたね



各地点の標識にあるスタート地点への標識「桂木場→」が
桂小枝に見えて仕方がない位・・・ 疲れてました


そんな状態で、なんとか「胸突の頭」に到着しました。その手前あたりで、ようやく視界が開けまして、またまた頑張ろうって気になったんです。地図をみれば、ほぼ半分は制覇しましたから、あともうちょっと頑張ればいいと思って。


この時は、また晴れてくれまして、綺麗な山並みを見せてくれたんですよ
ディープなんかに負けるな!と言われているようで、もうひと頑張りと


このまま進めば、西駒山荘に行けるはずですから、そこで温かいものでも食べて休めばいいかと思っていたんですけど、ここから違うレースが始まるなんて、全く想像もしていませんでしたよ。胸突の頭を抜けると、今までの紅葉落ち葉の世界から一転して、白銀の世界が待ち受けていましたから、いつの間にかどこかの異次元空間を抜けてしまったかと錯覚しました。


胸突八丁を抜けるとそこは、雪国でした・・・


森林限界と言いながらも、まだまだ自分と同じ背丈くらいの木々が道のそばに生えていまして、その木々の間を抜けて進むんですけど、通路にモリッと飛び出している木々が凍っていて、通り辛いわ、当ると冷たいわで大変。とりあえず手で押さえるように進むんですが、その姿がまるで、ホームランを打ってハイタッチで出迎えられているかのような感じでして・・・前足は、夏用手袋だっていうのに(涙)。


こんな出迎えがあちこちで開催されてました
とにかく基本はハイタッチ!


この後、分岐で将棊頭山(しょうぎがしらやま)のコースを狙ったのは、レースだというのにピークハントの血が騒いだこともありますが、どうも綺麗な景色が見えるようだったので、行ってみた訳です。この選択については、景色だけに関しては申し分なかったですね。


始めは、天候も悪くなり始め、ガスガスでなかなか見えませんでしたが



風がとにかく強かったので、しばらくすると綺麗な木曽駒ケ岳を見る事が出来ました



周囲では、紅葉と樹氷が一緒に見る事が出来まして



初めて見る光景にそれは、感動しました


そう、景色は良かったんですよ。本当に雪を被る木曽駒の姿には、感動しました。このまま時間を忘れてずっとここで見ていたい気にもさせられました。
ただね。今回は、レースな訳ですよ。それなのに、こんな山コースをとってタイムロスするのは、競争馬としては、やっぱり問題なわけですよ。景色を眺めていて、あぁ、そういうえばノンビリしている場合じゃなかった、と、そのことに気がついて歩き始めたのですが、後の祭りというのはこういう事を言うんだということが、この後起こったんです・・・。


山イソギンチャクの親子


そう、前々から書いていましたが、このあたりになると、木々も足元ほどに小さくなり、頂上に近くなり稜線も狭くなってきたので、轟々と音だけ響かせていた突風が、もろに吹きかかってくるようになりました。それだからこそ、こんなに氷の結晶が多く見られていたんですよね。とにかく飛ばされるのではないかって位の突風に、踏ん張るだけで精一杯な状態にまで陥ってしまってました。にっちもさっちもです。


最初は、こんな岩場の陰に隠れながら前進してました



しばらくすると視界も悪くなり始め、足元もズルズルの砂ときたもんで
加えて道自体も凍った低木が覆いかぶさって冷たいのなんのって


そして、今回最大の問題が起こったのです。

恐らく、いい写真を撮るために、長く滞在しすぎたことと、冷たい風をずっと浴びていた為だと思うんですが、体が冷えてしまって、動かすとギシギシと音が鳴りそうな位に固まってしまっていたんです。そこで、そのまま足を動かしたんですが、その時、左ふくらはぎが悲鳴を上げました。そう、足が攣(つ)ったのです。

とはいえ、こんなことはよくある事ですから、こりゃいかんと、その場でストレッチをしようとして右足に力を入れたところ、

・・・右足の腿も攣ったんですよ

「えぇっと、まずはどっちから直せばいいんだ?」
と、両足をやられて、ちょっと軽いパニックですよ。運動不足、新品の靴、疲れ・歩き過ぎ、寒さ、そして、しげぞうさんへの挑戦、と、すべての要素が加味された結果かもしれないですが、突風にさらされ、足下も定まらない場所での珍事。どこかに避難したくても、動こうとすると足が硬くなってしまって、その場で、慎重に慎重にストレッチ。と、足も落ち着いてくれて、ようやく身体が温まったようで、なんとか歩く事が出来るようにはなったんです。

しかし、そんなことで終わるようでしたら、こんな別に書く必要もありませんが、再び珍事は起こってしまいました。何か対策もしないまま、そこからすぐ、氷のついた岩場でちょっと足を滑らせた時に、・・・痛っ、と!!

な、な、なんと。

困った事に左右の腿とふくらはぎにが同時に攣ってしまったんですよ!
((( ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ハゥッ


さすがに4ヶ所同時は、長い人生でも初めての経験で。こんな筋肉つけばいいなぁってくらいに、4ヶ所がボコッと四角く膨らんでしまってますし。しげぞうさん夫婦へのチャレンジは、こんなリスクがついてくるのか?! と、自分の運動不足を棚に上げ、そんなことを思ったりしてました。
※ えぇっと、順番としては、足を滑らせた右ふくらはぎが先頭で、続いてうわっと思ったら右腿、そして、左足に力点を置いたら即座に左ふくらはぎ、そして、座り込んだら左腿と、バッタバッタとやられてしまいました。ダメっ子ですね。

さて・・・、こうなるとどうしていいやら、どこから手をつけてよいやら分かりませんので、とりあえず、しゃがみ込んでみて、それから、初めての珍事に笑うしかありませんでした。

大の大人が、木曽駒中腹にて
高らかに泣き笑いですよ ( ´Д⊂ヽ


まぁ、高笑いをした所で、なす術がありませんから、分岐点までいそいそと足を引き釣り撤退です。4枚重ね着でもこの体たらくですから、今日の寒さと風の凄さを物語っていましたね(いや、運動不足も・・・ちょっとはね)。もうこのまま競争中止にして、泣きながら帰ってしまおうかとも思いましたが、「やっぱり、あんたには、私たちに挑戦するなんて10年早いんだよ!」なんて言われてしまうのも悔しくて(誰に?)、ここまで来たら止められないと、ゴール目指して再び歩き始めたんです。
※ 全部が攣った時には、屈伸が効果的。経験者談。


最初からこっちに来ておけばよかったと思えるほど楽な巻き道



あの時は、長いなぁ・・・としか感じませんでしたが、
今見ると、最後の馬の背はこんなに綺麗な道だったのですね



天気は晴れたり曇ったりですが
それを演出していたのが突風でした



恐らく通常の日でも結構強い風が吹いていそうでしたが
この日は足元が定まらないほどの風でした
(3回ほど反対側から飛んでいきそうになりましたし)



2956m 木曽駒ケ岳山頂
競馬レースもそれだけをみると短い内容ですが、その中には凝縮されたドラマがあるんです


レース惨敗の言い訳ではありませんが、こんな事があったということをお伝えしたくて、別に時間を割いていただきました。皆さんも挑戦の際には、天気予報をちゃんと確認の上、チャレンジされることをお勧めいたします。ただでさえ、過酷な挑戦となること請け合いですから。

えっ、次のチャレンジレースですか?
・・・とにかく、攣らない位に暖かくなった時に考えます。

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1コメ! (まろん)
2006-11-20 01:07:39
お疲れさまでした。ご無事で何よりです。
珍事というか気象条件の変化や突発不調には焦りますよね。メゲずに山頂制覇されたのはサスガ委員長!
紅葉と樹氷の組み合わせがキレイですねー。(いつか自分も…と感化されつつあるクリです)

↑まともなコメントが出来たっ♪
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2コメ! (かいねこ)
2006-11-20 02:27:06
>まろんさん
あ、自分のブログでした(汗)。
まともなコメント有難う御座います(爆)。本当に、正直情けないお話ですよ。単独登山では、気象条件と体力についての自己管理は必須ですから、こんなことになってはいけないんですよね。今回は、ちょっとブランクを空け過ぎたところに激しいをやり過ぎたことを反省しています。次回は、ロープウェイにしたいですね(グルリップ杯はどうした?)。

来年のこの時期に予約ですね(メモメモ)。

※ そうそう、「マロンハンター」ってのはいかがです?
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とりあえず※ (まゆ太)
2006-11-20 08:25:29
↑いいですね~。

まじめなコメントはのちほど。(って、まじめなコメントになるのか?!)
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お~ (食う寝るさんだ-す)
2006-11-20 12:22:04
紅葉と雪景色のW-GETじゃないですか~!
綺麗ですね。
あ~蘇るあの日の記憶(笑)

とにかく完走おめでとうございました。
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いや~・・・ (hiro)
2006-11-20 12:38:14
かいねこさん、盛りだくさんですよ!!!

>初めて見る光景にそれは、感動しました
の写真、、ほんとにきれいですね。私も、初めて見ましたよ。私もあんな光景、見てみたいです!
足、全体が攣った感じってどんなんでしょ?体験したことないので、コメントできませんが、、、、
とりあえず、クレイジー完走、おめでとうございます^^
競走馬にとって足は命です^^。お大事に・・・
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まじめな※ (まゆ太)
2006-11-20 17:08:24
かいねこさん、おつかれさまどす。
まじめなコメントしにやってきましたヨ。
樹氷と紅葉、わたしが東駒で見た風景とまったく同じでございます。とってもとってもきれいなんですけど、ものすごい強くて冷たい風でしたよね・・・。しげぞうさんのレポにもありましたけど、写真だけ見てると風が冷たくなくっていいや~って、わたしも思いましたもの。本当におつかれさまでした。
歩いている途中で、足がつったことはないんですけど、寝ているときにこむらがえりで起こされる経験は多々あります。なんでも、ミネラルが足りないとか。ビール飲み過ぎとかいろんなこと、言われますが(汗
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Unknown (まきくま)
2006-11-20 20:24:58
ひゃー、なんときれいな景色でしょう。
ほんとに、写真っていいですね。ちっとも寒くないもん。うっとりです。
そして、かいねこさんの奮闘ぶりにもね。突風の吹く稜線でそんなことになったら、、、、私ならパニックですよ。さすが男の子です。よくがんばりました。
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おぉ~。 (木曽駒)
2006-11-21 00:24:44
第3コーナーでこんな大事件が・・・・
こんな恐ろしい目にあってもゴールを目指すクレイジーキャッツに感動です。

それにしても、見たくても見れない景色ですね。
頑張ったからこそのこの景色。神様からのご褒美だったのですね。

私も今年このコースを狙ってはいましたが、日帰りなど考えられません。
ディープに挑んだ勇気に拍手です。
返信する
まゆ太さんは (かいねこ)
2006-11-21 02:26:57
うへぇ! 皆さん足つったこと無いんですか?
昔々、水泳やっていた頃なんて、とにかく秋から冬にかけては、足をつりまくってましたけどね・・・って、そのせいなんですかね?

>まゆ太さん
馬名は、何にしましょうかね? なかなか良いものが紹介できなくて・・・。後で役に立つかもしれませんので、考えておいてくださいね(笑)。
真面目なコメント有難う御座います。東駒でも同じ風景が見られたのですね。そうそう、ものすごい冷たい風でエビちゃんやらモエちゃん・・・は違う、がたくさん出来ていましたよ。こんなに喜んでもらえるんでしたら、調子に乗って後でもっと掲載しておきますね。

まゆ太さんも足つったこと無い派ですね(いいなぁ)。足を踏み外すと、ふくらはぎがよくつってますね。運動不足なんですかね。こむら返りも結構頻発していたことがあったのですが、ミネラルというよりは、水分不足のよるところが大きいようですので、寝る前に水分補給を余分にしておけば、防げるみたいです。
返信する
確か食う寝るさんも (かいねこ)
2006-11-21 02:32:38
>食う寝るさんだ-すさん
連休でしたから、被害者が多かったですよね。この日は、食う寝るさんも直撃を喰らったと伺ってましたが・・・いやはや、あの時は大変でしたよねぇ(しみじみ)。ただ、それがあったからこそ、ダブルゲットが出来たわけですから、良かったのか悪かったのか、なんとも言いがたいです。

完走といっても、山頂から最後まで何が起こるかわからないですからね・・・(汗)。フフフッ。
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