市川稔の米(マイ)情報

秋の乱

晩生種を残して大半の稲が刈取りされました。

玄米換算で800万トン近いものが田んぼから倉庫に移動するわけですね。

考えるとすごいことです。

今日から日経の一面で「食と農」日本人とコメ連載開始しました。


「豊葦原の瑞穂の国」と称えた古事記の時代から米は特別な食べものでありました。

銀しゃりをお腹いっぱい食べたい。

米はずっと不足の歴史でした。

100%自給出来たのは半世紀にも満たない。

だが、そこからコメは迷走を始める。

特別な食べものだけに、日本の農村、農業の中心であったがゆえに。

政府が多額の補助を出すという構図が続いているのだ。

だからいつまで経っても自立出来ない。


価格は需給で決まる


作らないと補助金が出るというおかしな生産調整が続いている。

人間のエサより家畜のエサ用に作る水田の方が収入多い(補助金で)というおかしな現象も。

こんなことが続くはずがありません。


たった二年前にくず米相場は㎏200円くらいしていた。

今年のくず米相場は20円とか30円にもならないとか。

この相場では運賃も出ないので成り立たない。

米菓など国産くず米高いので輸入ものに動いたがまた国産に戻るとか。

要は安い方に行ってるだけだが。


関東ものが時期も早く相場も安いので西に流れた。

皮肉にも今年の関東ものは食味が良い。

関西や九州はとにかく安売りが多い。

5kg税別999円もあるそうだ。


米穀会社も能が無いといか知恵が無いというか。

スーパーや量販店もとにかく価格という古典的な商売をしているところが多い。


自ら首を絞めている。


北海道は今年の作柄は108とか。

全国一だろう。


物事には表と裏がある。

成功にも影がある。

ゆめぴりかなどブランド戦略として成功した部類でしょう。


だが、今年はそう簡単に売れるものではない。


北海道は海を隔てているので小口流通が弱い。

トレーラーで運ばないと運賃が高いのだ。

道とホクレンの作戦で道民は道産米を食べるべしという運動が功を奏して。

道内における道産米の消費比率が90%台の中ごろとか。


これも成功の影にリスクあり。

今年のように作況108なんて続かない。

極端に悪いこともある。



波乱の秋


さて、どうなるでしょうか。

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