米国エリートの黒い履歴書 秘密結社・海賊・奴隷売買・麻薬/スティーブン・ソラ/立木勝/三文社
あまり語られることがないアメリカ史の裏面史について家系を意識して述べられた本。中でも秘密結社へのコネを通じて、奴隷売買、麻薬取引で財をなしたエリート階級は、その家柄、資産を子孫に継承しているとされる。宗派的には、清教徒が多いとみられ、プロテスタント的キリスト教社会は、イスラムなどの異教徒や黒人、黄色人種 . . . 本文を読む
英国紳士の植民地統治 インド高等文官への道/浜渦哲雄/中央公論社/1991
イギリスによるインド統治がどういう体制、手法であったか。周辺地域への関与だけでなく、二つの世界大戦において、イギリスがインドをどう利用したのかについて書かれた歴史書。歴史の見方が変わる一冊。インドがイギリス軍の兵站基地となっているだけでなく、イギリス軍の大部分が植民地統治前からインド人であったことは非常に興味深い。 . . . 本文を読む
太平洋暗号戦史/W・J・ホルムズ/妹尾作太男/ダイヤモンド社/1980
日米の海戦史に係わる、暗号解読作業の実態と海戦の戦績における暗号解読の寄与の重要性について、アメリカ海軍の実務責任者が纏めた好著。山本五十六は優秀かつ優れた提督であると褒めているが、山本提督はアメリカの戦闘情報班に匹敵する組織を持っていないと指摘するなど、愚将論と言いたげな記述がところどころにある。本書が訳書 . . . 本文を読む
日本経済を殲滅せよ/エドワード・ミラー著/金子宣子/新潮社/2010
日米改正直前のアメリカ政府、特に対日強硬派の動きについて、公開資料を読み解きまとめた、この時代の歴史書としては、あの「裏切られた自由」に続く名著。この本の凄さは、著者の歴史家としての調査分析力だけではない。翻訳者の翻訳力そして歴史洞察力もなかなかなのだ。翻訳書というと、日本語訳がこなれていない、読みにくいものが . . . 本文を読む
裏口からの参戦(上、下)、ルーズベルト外交の正体1933-1941/チャールズ・カラン・タンシル著/渡辺惣樹訳/草思社/2018
副題にあるとおり、1933~1941年のアメリカ外交史の決定版と言える大作である。が、なぜか日本語翻訳が遅れに遅れた。著者が、ルーズベルト戦勝史観に都合が悪い歴史観の持ち主だとして、レッテル貼りされ批判を受けたことが影響している。内容的には、ルーズベル . . . 本文を読む
成功していた日本の原爆実験 隠蔽された核開発史/ロバート・ウイルコックス/矢野義昭/勉誠出版/2019
公開されたCIAの機密調査文書から、日本の核開発は失敗せず、戦後のソ連、中国、北朝鮮の核開発の基盤となったことを説明する衝撃の書。
1945年8月12日早朝、北朝鮮興南沖での海上爆発に成功しているとの情報がある。本書では海上爆発特有の雲の発生を日本人が証言したとの記述がある。 . . . 本文を読む
BIS 国際決済銀行 隠された歴史/アダム・レボー/副島隆彦監訳・解説/古村治彦訳/成甲書房/2016
欧米の金融市場に係わる、銀行家、産業資本家たちなどが、国際決済銀行を介して表舞台の人たちが第一次世界大戦の後始末(ドイツの賠償金)、直後の後のドイツの復興、第二次大戦、ヨーロッパ統合について、取組んだ経緯が書いてある。
出版社が成甲書房ということで陰謀論の範疇で扱われる傾向が強いが、当時の欧 . . . 本文を読む
排日の歴史 アメリカにおける日本人移民/若槻泰雄/中央公論/1972
著者は海外移住事業に係わり、サンフランシスコ、ボリビア駐在経験ある、日本人海外移住推進の専門家。この本では、日本人だけでなく中国人に対する排斥の経緯についても扱っている。歴史書というよりは、当時の実態、例えば現地新聞記事にどう書いてあったか、白人社会の反応はどうだったか、などについて駐在経験での実体験に基づく見解が示されている . . . 本文を読む
ビルダーバーグ倶楽部 世界を支配する陰のグローバル政府/ダニエル・エスチューリン著/山田郁夫訳/パジリコ/2006
出所を明らかにしつつ陰謀論の世界で語られてきた情報を歴史書レベルでまとめた快著。翻訳がやや文語調であることを除き、現代史研究者なら所蔵しておきたい一冊。ただし、古書価格は2万円を超えている。 . . . 本文を読む