こうむちゃんは、 にょいほうじゅを 高く上げて「にょいほうじゅよ あおさんの大切な場所を よみがえらせて」
キラキラキラ・・・ にょいほうじゅから、 光が、飛び出しました ところが、フラフラフラ・・・
光が弱くて、うまくいきません。 ただ、かれたはすが、 立ったり しぼんだりを くりかえすだけです
広夢天女物語~青おにさんのねがい~⑩ 文・絵 三幣真代
そして、日の出まえに、あおさんは、 こうむちゃんを 山おくのはす池に つれていきました。 そこは、花のつぼみさえない、あれはてた池でした。
あお「ここは、おれが小さいころに、父さんと母さんが 作ったはす池なんだ。 昔は きれいな花を さかせていたんだが、 その美しさのために、
人間たちが、 次々と花を引っこぬいて、 とうとう かれてしまったのさ。 おれが 直そうとしても、 もう だめなんだ。
お前、 このはす池を 昔のような きれいな花をさかせる池に もどせるか」
こうむ「もちろんです ねがい、かなえましょう」こうむちゃんは、 げんきに 答えました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~⑨ 文・絵 三幣真代
こうむ「いただきまーす」 こうむちゃんは、青さんが作ってくれた 大きな 大きなおにぎりを パクッと食べました。
こうむ「うわぁ~。 おいし~。 こんなにおいしいもの はじめて~」 こうむちゃんは、これまでにない ニッコリ笑顔になりました。
そして・・・こうむちゃんの 小さな 小さなおにぎりを食べていた青さんは、その顔を見て、とても 温かい気持ちになりました。
「・・・。 なぁ。 お前は、本当に なんでもねがいを かなえられるのか」こうむ「はい もちろんです」
「わかったよ。 明日の日の出前に、 おれのねがいを 教えてやるよ。 まぁ、お前にできるかどうか わからないけどな。」
こうむ「やります わたし、 がんばります」と、いうわけで、こうむちゃんは、その晩、青さんの家に、泊まらせてもらいました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~⑧ 文・絵 三幣真代
家に入ると、さっそく青さんは、 おにぎりを 作り始めました。 こうむ「わたしも お手伝いします」
こうむちゃんも ちょうせん ところが・・・ こうむ「あ、あら あらら けっこう むずかしいですね・・・」
ごはんつぶが、あちこちについて、形、大きさも ふぞろいですが・・・なんとか こうむちゃんも おにぎりが できました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~⑦ 文・絵 三幣真代
こうむ 「あおさ~ん まってくださ~い」あお 「な、なんだよ まだおれに 用があんのか」
こうむ 「わたしは、幸福の天女 こうむです。 助けていただいたお礼に、 あなたのお手伝いをさせて下さい」
思い切って 言いましたが、あおさんは 首を横にふりました。
あお 「いいよ。 お前みたいな 小さいやつに 何ができる」
こうむ 「あなたのねがいを 一つかなえて さしあげたいのです。」あお 「はぁ おれのねがい そんなものねぇよ。」
こうむ 「そんなこと おっしゃらずに、 おねがいします」あお 「いいってばぁ」
こうむ 「おねがいしま~す」 と、ぐぅぅ~~・・・ こうむちゃんの おなかが 鳴りました。
こうむ 「す、すみません・・・。 おなかが すいちゃいました。」 あおさんは、 あきれてしまいました。
あお 「しょうがねぇなぁ~。 ちょうど昼めしだ。 おれの家で、何か食わしてやるよ。」
こうむ 「あ、ありがとうございます。」
広夢天女物語~青おにさんのねがい~⑥ 文・絵 三幣真代