そこへ、しろちゃんが 下りてきました。
しろ 「こうむさま。 だいじょうぶですか は このおケガは、どなたが お手当を・・・」 すると こうむちゃんは サッと立ち上がりました。
こうむ 「あ、これは、あの青おにさんが、手当してくれたの・・・。 うん。 きめた わたし、あのお方のねがいを かなえる」
しろ 「こうむさま、 あの方は おにですよ どんなきけんが まっているか わかりませんよ。」
こうむ 「あのお方は わたしを 助けて下さったのよ そんなお方が 悪者であるわけないじゃない」
しろ 「しかし、そうだとしても、おには、たいへん気むずかし屋だと 聞いております。 こうむさまに 自分のねがいを 教えて下さるかどうか・・・」
こうむ 「そんなこと、やってみないと わからないでしょ わたしは、あのお方の ねがいをかなえて、笑顔のなってもらいたいの ね
いいでしょ」こうむちゃんは、 全く あきらめようとは しません。
しろ 「わ、わかりました。 では わたくしは、 こうむさまの羽衣をなって、 見守ることに いたします。」
しろちゃんが 羽衣になると、 こうむちゃんは、フワフワと とべるようになりました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~ 文・絵 三幣真代
こうむ「あぶないところを 助けていただき ありがとうございます」
こうむちゃんを 助けたのは 大きな青おにの“あおさん”でした。 あおさんは、こうむちゃんの ケガしたうでを ちりょうしてくれました。
あお 「おまえ、初めて地上に 下りたんだろう。 まぁ、 次は、 落ちないように 気をつけろよ。」
あおさんは そう言うと、 行ってしまいました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~④ 文・絵:三幣真代
ゴン と、まつの木に うでをぶつけると、 はねかえって、 固い地面に・・・、ポフン
こうむ「あ、あらら・・・」 落ちませんでした。
「おい、だいじょうぶか 子天女。」 こうむちゃんは、 青い 大きな 手の中にいました。
広夢天女物語~青おにさんのねがい~③ 文・絵:三幣真代
ビュオ~ンブワ~~ン
こうむ「きゃ~~」
しろ「あぁこうむさま~」
とつぜん、強い風がふいて、こうむちゃんが しろちゃんから 落っこちてしまいました。 しろちゃんは あわてて、こうむちゃんを おいかけました。
こうむちゃんは、 落ちて~ 落ちて~ 落ちて・・・
広夢天女物語~青おにさんのねがい~② 文・絵:三幣真代
むかし むかし。 天の国に、 子どもの天女「こうむちゃん」と、 その相ぼうのりゅう「しろちゃん」がいました。
こうむちゃんは、今日 初めて 地上へおりることを ゆるされました。
こうむ「あぁ。 しろちゃん。 ついにこの日が 来たのね。 ワクワクしちゃうわ~」 こうむちゃんは、 地上を見下ろして、言いました。
しろ 「こうむさま。 しっかり つかまっていないと、大切な[にょいほうじゅ]を 落としてしまわれますよ。」
こうむ「わかっているわ。 これを使えば、どんなねがいも かなえられるのよね」
しろ「しかし、その[にょいほうじゅ]は、 本当に 大切なねがいにしか、 使ってはなりませんよ。
ただでさえ、こうむさまは まだ子どもなのですから、 ごむりは いけません。 一つのねがいを かなえるだけでも、一苦労なのですから・・・。」
こうむ「はい むりせず、 がんばりま~す」
おやおや、 しろちゃんは こうむちゃんが 心配でしかたないみたい。 こうむちゃんは、 早く地上へ下りたくて たまりません。 と、 そのとき
広夢天女物語~青おにさんのねがい~ 文・絵:三幣真代