むかし むかし。 天の国に、 子どもの天女「こうむちゃん」と、 その相ぼうのりゅう「しろちゃん」がいました。
こうむちゃんは、今日 初めて 地上へおりることを ゆるされました。
こうむ「あぁ。 しろちゃん。 ついにこの日が 来たのね。 ワクワクしちゃうわ~」 こうむちゃんは、 地上を見下ろして、言いました。
しろ 「こうむさま。 しっかり つかまっていないと、大切な[にょいほうじゅ]を 落としてしまわれますよ。」
こうむ「わかっているわ。 これを使えば、どんなねがいも かなえられるのよね」
しろ「しかし、その[にょいほうじゅ]は、 本当に 大切なねがいにしか、 使ってはなりませんよ。
ただでさえ、こうむさまは まだ子どもなのですから、 ごむりは いけません。 一つのねがいを かなえるだけでも、一苦労なのですから・・・。」
こうむ「はい むりせず、 がんばりま~す」
おやおや、 しろちゃんは こうむちゃんが 心配でしかたないみたい。 こうむちゃんは、 早く地上へ下りたくて たまりません。 と、 そのとき
広夢天女物語~青おにさんのねがい~ 文・絵:三幣真代