奥さんは さっそく、 その布で 顔
を
拭いて
みました。 すると 顔
は 元に もどりました。
そして お礼を 言おうと 顔
上げたのですが、
お大師さまのおすがた
は、 どこにも なかったのです。
お大師さまからもらった布
11場面:ありがとう
お大師さま
絵:さんぺいまさよ
すると お大師さまは ニッコリほほえむと、 またふところから、 うすぎたない布を 取り出し、
「これで 顔をふいたら、 元
に もどりますよ
」 と 言いました。
お大師さまからもらった布
10場面:うすぎたない布、再び
絵:さんぺいまさよ
何日も歩いて ようやく、 お大師さまを 見つけました。 そして 奥さん
は、お大師さまの前に 土下座
して、
「私が わるうございました。 私は よくばりな女です。 おぼうさんに おふせするのが おしかったので、 追い返し、
おまけに むすめの布を取り上げて 顔をふいたばっかりに、 こんな目に あってしまいました。
どんなばつでも 受けますから、 この顔を 元にもどして下さい。」 と、たのみました。
お大師さまにもらった布
9場面:奥さんの土下座
絵:さんぺいまさよ
「ヒヒ~ン」
なんとそこには、 馬の顔がうっつているではありませんか
おどろいた
奥さん
は、 なげき悲しみました
が、どうすることもできません。
この布を持っていたのは、この前、たくはつに来た おぼうさんであることを 思い出し・・・、
“あのおぼうさんなら きっと、この顔を 元に もどしてくれる
”
と、 ひっしに お大師さまを さがしました
。
お大師さまにもらった布
8場面:いない
いない
馬(バー)
絵:さんぺいまさよ
「これさえ あったら、 むすめ
みたいに はだが きれい
になるわ
」
と、じぶん
のへやで、 毎日毎日 顔
をふきました。
しかし、 奥さんの顔は いくらふいても きれいになりません
。
それでも いつかきれいになると ふいている
と、とつぜん 顔の形が かわった
ような 気がしました。
おそるおそる かがみを のぞきこむ
と・・・
・・・
お大師さまからもらった布
7場面:おくさん、ゴシゴシ
絵:さんぺいまさよ