
台風から低気圧へと変わったものの
990ヘクトパスカルと強い勢力をもった台風2号。
残念ながらこの位置では湘南にウネリは入らず、
今日の岬の前はヒザ波のコンディション。
しかし、昨日はこの台風で貴重な体験をさせていただきました。
ウネリのサイズは胸程度とまずまずでしたが、
北東の風が強くて思ったようにテイク・オフできず、
さらに昼過ぎから風が強くなっていき…。
なんと北西の風は瞬間最大風速で16.1メートルに到達。
風で海面から水しぶきが飛んで前が見えない。
最初は立って漕ぎ、座って漕ぎ、さらに腹這いになって漕いで
それでもほとんど前に進まないコンディション。
逗子湾に戻るのを諦めて赤堤防を目指したものの、
次第に沖に向かって流されていく状況の中
「もし、堤防をキープできなかったら…」
と、最悪なシナリオが頭の中に浮かんできます。
堤防の内に入れるか、それとも湾外に流されるか
風との攻防が20分ほど続いたでしょうか。
そんな状況で北風と南風の本質の違いを
身体にインプットできたのが先に言った「貴重な体験」。
どこがどう違うかというと南風と北風では
個人的な意見ですが「リズム」がまったく違う気がしました。
南風は強くなった後、風がフッっと弱くなることが多い。
だから強いときは我慢をして、弱くなった瞬間にスパートすれば
かなり風が強くても進行方向をコントロールできるし、
ある意味、力をセーブすることもできる。
でも北風は変化のリズムがとても掴みずらかった。
進行方向が狂ったときに修正する猶予がない。
結局、赤堤防の脇までなんとか辿り着いてビパーク。
そこからテトラポットの脇をアブズリ湾まで行って
そこでさらにビパーク、風が少し弱くなったところで
逗子海岸の東浜に向かって最後の力を振り絞りスパート。
アドレナリンが耳から滴り落ち、腕と肩の筋肉はパンパン。
浜に到着したのは岬の前を出発してから約1時間45分が経過。
北風の手強さが身体の芯から伝わってきました。
そんな経験を通して海に対する敬意と界隈の念が増しました。
と同時にオフショアが強くて上手く波に乗れずに
「あともう一本、次の一本は…」と無我夢中になってしまい
状況の変化に注意していなかったことにも反省。
だけどサーファーだもの、あとはポジティブにとらえて
この経験を通してインストラクターとして一皮むけたと信じています。
でもよい子の皆さんは、真似をしないように!
天気図には細心の注意を払いましょう~。