「なめとこやまの熊のことならおもしろい」
との書き出しで始まる宮沢賢治の作品。
小十郎は、熊を狩猟して、生活している。
でも、熊たちは小十郎が好きだ、殺されるのは嫌だけれど。
小十郎もまた、熊たちが好きだ。
そういう関係の中、生きてきた。
最後は、小十郎は、熊に殺され、熊たちに囲まれ、笑みを浮かべて死んでいく。
最後まで読んだところで、先生から恒例の意地悪な質問が・・・
「死んだ小十郎の顔には、笑みがついている。これは、どんな意味があるのでしょうか?
小十郎の気持ちは?これをみなさんで考えてみましょう・・・
読者が自由に考えることだから、遠慮なくおっしゃってください・・・」
そして参加者の中から、
「理不尽なことばかりあったけれど、一生懸命に自然も熊も愛して生きてきた。」
「『ゆるせよ』という言葉がある。本当は殺したくない、『やっと死ねた』。もう殺さなくてすむ・・・」
そして、「もうちょっとないかなー?」と先生。
「自分が死ぬことで、つぐないの気持ち。」
「やりたくないことをもうやらなくてもいいという解放感みたいなもの。」
「暮らしのために熊を殺すのはある意味重荷になっている、それからの解放。」
「死ぬ時の苦しみ、それを熊と共有できた。」
など、意見がどんどん出てくる。
先生は、出てきた意見に対し、コメントしながら、さらにどうだろうと進んでいく。
そして「ようやく死をもって、本当の一体になる。そういう悲劇的な結末なんだけれど、
さて、 『なんで、おもしろい??』」
と、さらに先生はつっこんでくる。
そして、この「おもしろい」と表現した中身をさらに考えてみる。
先生は、意見を聞き、自分も調べながら、宮沢賢治の世界を知ろうとしているのかな~
それにひきこまれていくようでもあるなー。
先生は、「この会場に来た時より元気になっています」と。
この講座が進むにつれ元気になっているらしく、
いろいろ質問をしてくれるのが、うれしそうでもありました。
さらに、意見も出てきて、話は尽きない。
『またこの講座に来たいな~』と思って、終わりです。
毎回のことながら、先生と参加者と宮沢賢治の作品を読むの、おもしろい!
一人で読んでいては、とてもじゃないけれどここまで深く読めないだろうな・・・