ハニカム薔薇ノ神殿

西南戦争の現地記者の話他、幕末〜明治維新の歴史漫画を描いてます。歴史、美術史、ゲーム、特撮などの話も。

映画「メッセージ」からのメッセージ

2017年06月08日 | ドラマ映画アニメ音楽(エンタメ)
映画「メッセージ」を見たんだけど
まあ〜レビューがサイトによっても賛否両論!
それもそのはずで、「ははは、なるほど〜。こりゃわからんw」
というか、よく言えばかなり進歩的、悪く言えば見る人を選ぶ
そんな映画でした。一晩考えたよ!

もちろん、私の勝手な推測にすぎないんですが以下。

普通、我々は意味について文脈「あ〜、だからか」
という過程を必要とします。

例えば誰かが泣いてる。なぜか?
「どこそこの誰かにボコられた。なぜなら彼は何とかに属する人で
自分のいるグループとは対立していて、理解し合えない宿敵だから」
だから殴られたんだな、って感じの「経過」があります。

でもね、
子育てしてて(本編の主人公もママさんです)

赤ちゃんて「だから」の理由の部分が無いのに、
大人は理由を探すなあ〜と思ってしまったことあります。
なぜ泣いてるかの原因や理由より
単に「気持ち悪い」「腹減った」という感覚を訴えてるだけ。

これと似たものは美術にもあって
アールブリュットや抽象絵画の一部に、そういうのあります。
「だから何?」とか「何を意味して、どういう経路があったのか」はさほど要らないというやつです。

「悲しいから悲しいんだよ!」
そういう感情に対して、我々は理解しようとする時必ず「脈絡」を必要とします。
なぜそうなのか、誰が悪いのか、どうすれば泣きやむのか

そうでなく、単に「そうだね、悲しいね」と寄り添う事は
どこかで忘れさられてしまう。
これ、本当ありますわ…日々。
「あ〜もう絵とか描くのやめよっかな〜」
「そんなに嫌ならやめれば」
理屈だとそれで終わっちゃいますが、きっと本当に欲しいものって「正論」ではないんでは?


この映画はSFです。
宇宙人が我々にある「武器」を与える話であり
コンタクト不能なエイリアンと、ママさん言語学者が向き合い、
メッセージをわかろうとする話です。

でも人は言葉によって傷つき、なぜかの理由を理解し合えないもんだから
会話するのをやめてしまう。

それともう1つが「時間」の概念。
最近の科学の理論で、時間は流れてはおらず
むしろ止まっていて、バラバラに複数存在してるとか
(こ〜れがもう一般人には「そ、そうなんだ?あははwさいなら」っちゅうくらいわからねえ)
そういうのも取り入れてましたよ。

とりあえず「わかる」には
理由や過程や理屈を頭でわかるのと
心でわかるのとある。
理屈のための言語は、誤読も生じやすいのに
それが支配してしまう社会では争いが絶えない。

感覚言語とでもいうのか、そういうのがあれば
仲良くなれるのだろうかね?

とりあえず今日1日は
誰かが「しんどい」と言ったら
「ほんまやわな」
でいいよな、って、そんなことを思った映画でした。







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