神亀

神亀酒造代表取締役社長 小川原 良征さんが

逝去されました。

私が、地酒に目覚めたときに、とても親身になってアドバイスをしてくださった方です。

当時の地酒業界は、私のような若者が入る余地がなく、中々上手くいかず、心が折れそうなことも多々ありました。

そんなときに、純米酒のパイオニアで、すでに人気の高かった神亀酒造、小川原蔵元は私を温かく迎えていただき、地酒屋としての覚悟と心構えを温厚な口調で熱く、伝えてくれました。
人気でお酒が足りない中でご縁をいただいたこと、初対面の私に夕食までご馳走していただいたこと、あのときのカレーの味が忘れられません。

ご縁をいただいてから数年後、お米の大凶作の年がありました。長野県は比較的お米が収穫できたので、私はありったけのお米を積んで神亀酒造様に行きました。
小川原蔵元は、ウチなんかよりもっと困っている方が沢山いるのだから、そっちの方に目を向けなきゃ駄目だ。と怒りながらも、「まあ、飯でも食ってけ 」と…。
そのときに出してくれた、神亀秘蔵大吟醸15年古酒の美味しさ。
「この、最高の酒に意外に合うんだよ」とシメに出していただいた、タイ米カレー。
忘れられないペアリングでした。

私の結婚式にも出席してくださいました。
2次会にも参加してくださいました。
最後まで盛り上げてくださいました。

私が 今までブレることなく地酒を愛してこれたのは小川原蔵元のおかげだと思っております。

これからも、小川原蔵元に教えていただいたことを忘れず、地酒屋として頑張ります。そして、小川原蔵元のように、すばらしい足跡が残せるよう努力して行きたいと思います。

今夜は、神亀とカレーで一献。🍶