いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

トンボ観察@10月中旬 ~東椎路の現状~

2018年10月24日 | 昆虫類
上の写真は2011年7月に撮影した沼津市東椎路の田んぼ


~10月中旬に観察したトンボ~
アサヒナカワトンボ、ハグロトンボ
ミルンヤンマ
ナツアカネ、ウスバキトンボ
全5種


アサヒナカワトンボ ♂


ハグロトンボ ♀


今回は沼津市の東椎路~今沢地区~原地区の田園地帯を散策した。
今の時期、この一帯で会えそうなトンボと言えば、アオモンイト、ギンヤンマ、ナツアカネ、アキアカネ、シオカラ、ウスバキぐらいだろうか。希少種は期待できない。今回の散策はトンボ観察が目的の1つではあるが、主な目的は東椎路で建設中の大型商業施設(ららぽーと、2019年秋オープン予定)の状況を把握することだった。

沼津市東椎路には昨年まではたくさんの田んぼがあった。

東椎路の田んぼ 2015.09

ここは「コンデジ片手に散策しながら、生き物をスナップ撮影していく」というスタイルを始めるきっかけとなった場所であり、私のホームグラウンド的存在だった。ここでは田んぼで見かける野草の花に夢中になったり、田んぼ脇水路に生息する淡水魚を採集調査したりした。


ナヨナヨワスレナグサ 2015.06
この場所は自分が知っているナヨナヨワスレナグサが生息する沼津市の最東端であるが、大型商業施設の建設に伴い埋め立てられてしまった。



スクミリンゴガイをベッド代わりにするドジョウの幼魚 2014.07


夏の水路を猛スピードで泳いでいたのはアブラハヤだった 2015.08


水路で群れるアブラハヤ 2017.11
この水路も埋め立てられ消失していると思われる。



ナマズ 2014.07
ナマズは普段は川などに生息し、繁殖期に田んぼの水路に入り込んでくる。ナマズにとっては侵入する水路を変えるだけで、大型商業施設の建設はあまり大きな問題にはならないのかもしれない。



希少種を購入するのではなく、身近に生息する淡水魚を採集して飼育する楽しさを再認識したのも、ここでのガサガサのおかげだ。



トンボ観察をするようになったのも、ここで撮影したトンボを同定できず、トンボについて詳しくなりたいと思ったのがきっかけの1つだ。

アキアカネ♀ 2009.11
「ナツアカネかアキアカネのメスだろうというのはなんとなくわかった。しかし、翅胸側面の黒条がよく見えないし、褐色で体色でも判断できない。この写真だけでどちらなのか判断できるのだろうか?!」



おそらく、周辺を含めこの一帯を歩いた距離は延べ数千kmに及ぶだろう。しかし、大型商業施設の建設が決まり、田んぼを埋め立てるためにトラックが頻繁に行き来するようになってから(2017年12月以降)は一度も足を運んでいない。かつての田んぼがどのように変わっていくのかは気になっていたが、見て楽しいものではないからだ。

今回行ってみると、大型商業施設の敷地は一部が塀で囲まれ、中の状況をしっかりと把握できなかった。しかし、かつての田んぼやアブラハヤを採集した水路は、その塀の中で既に埋め立てられていることは認識した。そして、来年秋のオープンに向けて急ピッチで作業が進んでいるようだった。



トンボの状況が心配で商業施設の塀の周りを少し歩いてみると、ナツアカネがいた。撮影しようとカメラを向けると、施設の中に飛んでいってしまった。また、トンボ科ではない黒地に黄斑のある大きめのトンボが、商業施設内で交尾飛翔していた。なんとも皮肉な話だ。
ともあれ、状況が把握しづらいので、建設工事が終了し、店がオープンするまでは頻繁に訪れることはないと思う。オープン後に周辺に何らかの水辺が残っているのか、そこに生き物はいるのか、隣接する田園地帯も含めて何か変化があるのか観察していきたいと思う。


ナツアカネ♂ 沼津市西椎路 2018.10中旬


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商業施設内で交尾飛翔していたトンボの種類が気になる。そのすぐ近くでも似たようなトンボを2頭見た。10月中旬に平地の田園地帯やその周辺にいる黒地に黄斑で少し大きめのトンボって何がいるのだろう。ウチワヤンマ系が最初に浮かんだが、近くに大きな池はないので腑に落ちない。オニヤンマが交尾、産卵するような水が綺麗な場所ではない。これが樹林に囲まれた場所ならいろいろな可能性が出てくるのだろうが、アシの群生はあっても、樹林に囲まれた場所は思い浮かばない。自分には飛翔撮影は厳しいので、捕まえるしかない?


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過去に撮影した東椎路の田んぼ

2008.11


2010.06


2012.10


2014.07


2016.05


2017.11