今日のマコなり社長のインサイドストーリーズから
・「なぜ」やゴールにこだわり過ぎるとテンプレっぽくなって自分の頭で考えられなくなってしまうので、やり過ぎは良くない。しかし、無駄なことをやらないためには、考えざるを得ない。さらに、大事なことにも関わらず、多くの人が「なぜ」と「ゴール」の違いがよく理解できていない。
・「なぜ」は、より抽象度が高くて使いやすい便利な言葉であり、一方で、目標やゴールはより現実的で過激な言葉である。
・大切なことは、組織活動においては、抽象的な言葉の概念を揃えていく必要があるということである。
・それぞれの言葉同士には相対的な関係がある。定義を厳密に決めることで、雰囲気で何となく使っている言葉から、どのような相対的関係において使っている言葉なのかが分かるようになる。
・多くの人が表面的に理解している「なぜ」とは、因果を探す言葉であり、「過去から現在への因果関係を明らかにしてほしい」というニュアンスがある。また、より現在の状況を捉えた「なぜ」や未来に向かう「なぜ」もある。「これをやることで、どのような意義があるのか」という意味合いの「なぜ」であり、3つ目の未来に向かう「なぜ」こそが、どのような意義があるのかという本質的な価値を見つめ直す機会をくれる。
・過去から現在に向かう「なぜ」と現在の「なぜ」は長続きしない。未来に向かう「なぜ」こそが、人間を長く突き動かし続けるエネルギーとなる。
・「なぜ」という言葉には、広い意味がある。「因果関係を明らかにする」ということから「人間の生きる意味」「集団の目指すべき人生のゴール」というなかなか決められないような深いことまで迫る一言である。よって、「なぜ」の中にゴールを入れるのは難しい。
・ゴールの良さを「なぜ」と比べると、具体性と明確さである。具体的なゴールは、抽象的な理想や願望を行動計画に変換する橋渡しの役割をする。
・「なぜ」という言葉は、主に原因論的である。なぜそのようになっているのかを考えて、行動の背後にある理由を探る。一方で、ゴールは目的論的である。「これからなにを実現したいのか」「どこを目指すのか」を具体的にする。時間軸の違いで考えると「なぜ」という言葉は「過去」「現在」「未来」を包括する概念で、特に、過去から現在への流れを重視しする。ゴールは明確に未来志向で、これから実現したい状態に焦点を当てている。「なぜ」のほうが根源的で、過去に行きがちである。
・「なぜ」は本質的かつ根源的で、人間の存在意義や哲学の領域まで話が進む。一方でゴールはより現実的かつ実践的で、具体的な達成状況を明確にすることに重点を置いている。しかし、ゴールは逆算しなければならないので、他の道を選べないという難点がある。
・「なぜ」とゴールは、主要文脈が違う。「なぜ」は深い自己理解や他者理解、価値観の探求をするときに使い、ゴールはプロジェクト管理や目標設定、チームの方向性を揃えるときに使う。このように整理すると「なぜ」とゴールはお互いに拒絶し合う関係ではなく、むしろ補完し合う関係ということである。
・イシューを見極める方法は「ゴール」「現在地」「戦略」の3つを同時並行で考え、3条件で評価する。
・「なぜ」は、自分の人生の揺るがない信念として言語化しておくと良い。
・人生の意義とは「なぜ」と目の前のゴール設定の両方のバランスを追求し続けることにある。「なぜ生きるのか」という深淵の問いに向き合いながらも「今日、なにをするか」に集中する。この2つは矛盾するように聞こえるかもしれないが、広く捉える視点と目の前のことに夢中になる視点の両方を持っている。その両方の視点を持っている人が充実した人生を成功させることができる。本質を問う「なぜ」と具体を示すゴールの2つの問いが、人生の羅針盤となる。