今回の記事は『パズル』(山田悠介、角川文庫)です。
TVドラマ化もされた小説で、今までに読んだ山田悠介さんの小説の中では格段に面白かった。
学校を舞台に、主人公の茂央を中心にパズル探しのゲームに巻き込まれた生徒たちの心理の揺れを描きながら進む展開はとても読ませる内容です。
■内容紹介
超有名進学校の、さらにエリート中のエリートだけが選りすぐられたクラスが、正体不明の武装集団に占拠された。
人質とされた性格最悪の担任教師を救うには、広大な校舎の各所に隠された2000ピースものピースを探し出し、パズルを完成させるしかない。
タイムリミットは48時間。
狂気のパズルは果たして完成するのか?
武装集団の目的とは?
いま始まる究極の死のゲーム。
――君なら、どうする?
■感想
今まで読んできた山田悠介さんの小説は読みやすく面白くはあったけれど、展開に不自然さがあり、どうにも受け入れがたい印象があった。
また登場人物にあまり感情移入が出来ないものも多かった。
が、この『パズル』は違った。
パズルの物語に不自然さというものはない。
またパズル探しをする生徒たちの心理の揺れを丁寧に描いているので親近感も湧く。
まさしくこの小説は山田悠介さんの新境地的な作品だなとつくづく思った。
素直に面白かったと書けます。
パズルの舞台となるのは超有名進学校。
主な登場人物たちはそこの生徒たち。
そんな彼らに共通しているのは、頭はいいが人付き合いが苦手だということ。
成績トップを狙うため、クラスメートはみな蹴落とすべきライバルであり、友だちづきあいというものはしていなかった。
また彼らは親の望むとおりに勉強に励み、それ以外のことについては自分から目的意識を持って行動するということはなかった。
そんな彼らが担任教師を助けるためにパズル探しという勉強以外のことを強いられることに。
このパズル探しの過程を、主人公の茂央を中心に個々の内面にスポットを当て描いていて面白かった。
ぶっちゃけ登場人物の大半は身勝手なやつばかりだった。
だけどそこには「負けたくない」という気持ちや、誰かの役に立ちたいという気持ち、初めて自分の意志で勉強以外のことに奮闘することに今まで感じたことのない感情を感じたりなど、それぞれが持つ等身大の気持ちが描かれています。
だからパズル探しに奮闘する生徒たちの姿には共感を覚えました。
これは山田悠介小説では初めてのことだった。
面白く続きが気になり終盤まで一気に読むことができました。
ただ残念だったのは物語の結末の部分だろう。
何ていうか、あまりにもさっぱりとしているというか、ドライな感じで終わってしまうんですよね。
この結末部分に関わる人物の何人かの心情は描ききれていないんじゃないかという気持ちが募る。
また犯人の真意にも少し納得がいかない。
山田悠介さんの小説について。
今回の作品はラストはあまり好みではなかったけれど、面白さ自体は確実に上がってきている。
この『パズル』で飛躍的に面白さが上がったと思う。
これはこの次以降の山田悠介小説にはかなり期待ができそうな予感がする。
評判の良い『スイッチを押すとき』まで早く漕ぎつけたいなーという思いが募ります。
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TVドラマ化もされた小説で、今までに読んだ山田悠介さんの小説の中では格段に面白かった。
学校を舞台に、主人公の茂央を中心にパズル探しのゲームに巻き込まれた生徒たちの心理の揺れを描きながら進む展開はとても読ませる内容です。
■内容紹介
超有名進学校の、さらにエリート中のエリートだけが選りすぐられたクラスが、正体不明の武装集団に占拠された。
人質とされた性格最悪の担任教師を救うには、広大な校舎の各所に隠された2000ピースものピースを探し出し、パズルを完成させるしかない。
タイムリミットは48時間。
狂気のパズルは果たして完成するのか?
武装集団の目的とは?
いま始まる究極の死のゲーム。
――君なら、どうする?
■感想
今まで読んできた山田悠介さんの小説は読みやすく面白くはあったけれど、展開に不自然さがあり、どうにも受け入れがたい印象があった。
また登場人物にあまり感情移入が出来ないものも多かった。
が、この『パズル』は違った。
パズルの物語に不自然さというものはない。
またパズル探しをする生徒たちの心理の揺れを丁寧に描いているので親近感も湧く。
まさしくこの小説は山田悠介さんの新境地的な作品だなとつくづく思った。
素直に面白かったと書けます。
パズルの舞台となるのは超有名進学校。
主な登場人物たちはそこの生徒たち。
そんな彼らに共通しているのは、頭はいいが人付き合いが苦手だということ。
成績トップを狙うため、クラスメートはみな蹴落とすべきライバルであり、友だちづきあいというものはしていなかった。
また彼らは親の望むとおりに勉強に励み、それ以外のことについては自分から目的意識を持って行動するということはなかった。
そんな彼らが担任教師を助けるためにパズル探しという勉強以外のことを強いられることに。
このパズル探しの過程を、主人公の茂央を中心に個々の内面にスポットを当て描いていて面白かった。
ぶっちゃけ登場人物の大半は身勝手なやつばかりだった。
だけどそこには「負けたくない」という気持ちや、誰かの役に立ちたいという気持ち、初めて自分の意志で勉強以外のことに奮闘することに今まで感じたことのない感情を感じたりなど、それぞれが持つ等身大の気持ちが描かれています。
だからパズル探しに奮闘する生徒たちの姿には共感を覚えました。
これは山田悠介小説では初めてのことだった。
面白く続きが気になり終盤まで一気に読むことができました。
ただ残念だったのは物語の結末の部分だろう。
何ていうか、あまりにもさっぱりとしているというか、ドライな感じで終わってしまうんですよね。
この結末部分に関わる人物の何人かの心情は描ききれていないんじゃないかという気持ちが募る。
また犯人の真意にも少し納得がいかない。
山田悠介さんの小説について。
今回の作品はラストはあまり好みではなかったけれど、面白さ自体は確実に上がってきている。
この『パズル』で飛躍的に面白さが上がったと思う。
これはこの次以降の山田悠介小説にはかなり期待ができそうな予感がする。
評判の良い『スイッチを押すとき』まで早く漕ぎつけたいなーという思いが募ります。
書名 | :パズル |
著者 | :山田悠介 |
ジャンル | :小説(ミステリ/学園) |
メモ | :2007年TVドラマ化 |
おすすめ度 | :★★★★ |
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