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鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.502 (南庄内在宅医療を考える会 世話人会)

2015-04-14 10:33:07 | 日記
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南庄内在宅医療を考える会 世話人会
日時:4月13日 19:00~21:00
会場:医師会会議室
出席者:石橋、土田、中村、三原、ほたる(遠藤、渡邊)
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本年度の「在宅医療を考える会」は、在宅医療を担う医師の互助機能の確立を目指すこととしました。

在宅医療の互助の仕組みとして、現在「ゆきちネット」があります。

ゆきちネットは、看取りが近い患者を在宅で抱えているかかりつけ医が、旅行や出張などで留守にする間のバックアップを一定の謝礼を支払うことで依頼するという仕組みですが、2年間の運用で、実際に利用された件数は限られています。実際にそのようなケースが少ないのか、利用を躊躇しているのか、制度を知らないのか、個人的なつながりで済んでいるのか分析が必要ですが、いずれにしろ機能していないというのが現実です。

有効に機能するあらたな互助の仕組みが必要ですが、それを今年は徹底的に話し合おうということになりました。それには、まずは在宅医療(施設も含む)や看取りに対する意識を医師間で共有する必要がありますし、市民啓発も必要です。また、地域医療ビジョン検討委員会の答申として、在宅看取りを進めるためのネットワークづくりとして「在宅診療コントロールセンター」の創設という提案もでています。このあたりも含めた活発な意見交換を期待したいと思います。

また、通院できなくなった患者さんが訪問診療を希望しても応じない例が散見されることがほたるより報告され話題となりました。かかりつけ医としての基本姿勢は、通院できなくなった患者さんでも、患者さんの希望があれば最期まで責任をもって看るということにあると思います。さまざまな事情で看れないのであれば、少なくとも他院へ診療情報提供書を添えて紹介すべきです。このあたりの医師の意識についても、率直な意見交換ができればと思っています。

本年度の予定としては、まずは、在宅医療の現状について簡単な予備調査を行い、1回目は、今のところ、6月23日(火曜)を予定しています。初回は、酒田の岡田先生をお呼びし、30分ばかり酒田の在宅医療の現状をお聞きした後、忌憚のない話し合いを行いたいと思います。多くの皆さまの参加を期待します。

参考

在宅医療を考える会これまでの内容


支え合いグループ「ゆきちねっと」合意事項

平成25年4月15日

1.支え合いグループの名称を「ゆきちねっと」とする。
2.手挙げ方式で参加を募る(3月の会に出席した中で11名がすでに参加表明)。
3.その中での細かいグループ分けは特にせず、参加表明した医師で支え合う。
4.参加、脱退、再参加は自由とする。
5.参加者のメーリングリスト(ML)をイントラネット上に作成する(yukichiml)。
6.対象とするケースは「予測できる死亡時の対応」にとりあえず限定する。
7.運用の実際
・まずは医師同士で直接依頼し、調整がつかない場合にML(yukichiml)を介してバックアップ医を募る。
・ML上でもバックアップ医がみつからない場合、世話人(石橋、土田、中村)がコーディネート役となる。
・バックアップ医が決まったら、患者情報をNet4Uやイントラネットメールなどを利用して主治医からバックアップ医へ伝える。
・患者情報は「患者の氏名、住所、電話番号、主病名、症状」を必要最小限とする。なお、Net4Uで共有する場合は、その限りではない。
・謝礼について:主治医はバックアップ医師に謝礼を支払うこととする。その金額は1日当たり1万円とし、拘束日数で金額を算定し、必要経費として認められるであろうことから、バックアップ医は主治医に領収書を渡す。
8.以上を合意事項として文書を作成し、ML上で共有する。

  ※今回は、「予測できる死亡時の対応」に限定する。




No501 (こぶし園 )

2015-04-14 10:30:56 | 日記
以前ブログでも少し紹介しましたが、新潟県長岡市の高齢者総合ケアセン
ター「こぶし園」の総合施設長小山剛さんが、60歳という若さで世を去りました。


小山さんの講演は2-3回聴いたことがありますが、生活保護者ですらアパートで、
トイレ、バス付。一方施設は、4人部屋、共同トイレ、浴場。それは、避難所で
あり、収容所ではないか。一人暮らしでも住み慣れた住まいでの暮らしをサポー
トするのが介護保険である。家族がいなくとも看れる在宅サービスが必要、とい
うメッセージはインパクトがありました。

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小山さんは、特別養護老人ホームを小規模化して中学校区に分散。なじみの場所
や人間関係から切り離されずに済むような環境を整えた。

さらに、それらの拠点に地域の在宅を支える機能を持たせた。自宅に365日
3食を届ける。食事介助や排泄介助にその都度、出向く。呼ばれれば、居室をの
ぞくようにテレビ電話で応じる。必要なら、介護職が夜間でも拠点から短時間で
赴く。

目指したのは、「家」に施設サービスを届けることだ。そうすれば、単身者も支
えられる。合言葉は「道路は施設の廊下。自宅は居室」。今から10年ほど前の
話だ。

これが、厚生労働省が平成24年度に創設した介護保険の「定期巡回・随時対応
サービス」のモデルの一つになった。利用料は施設の利用と同様、月ぎめ定額制
だ。

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以下「えにし」だよりからの引用

小山剛さんが亡くなる2週間前、親しい人たちにインターネット回線で語りかけ
た言葉をもとに「えにし」の産経新聞論説委員が佐藤好美さんが小山さんの思い
切った改革の「原点」を伝えておられます。少しだけ抜粋します。

 ショートステイは、在宅介護の高齢者を、特別養護老人ホームなどが数日預か
るサービスだ。介護に疲弊する家族はつかの間の休息を取り、雑事を片付けたり、
自身が医療機関にかかったりする。

 だが、要介護の高齢者本人が「ショートステイが好き」という話は聞かない。
事業者も「ショートステイに行きたい高齢者さんはいません」と明言する。それ
でも、在宅介護の継続には必須のサービスだ。

 その在宅介護の継続が難しくなると、施設入所が検討される。施設では食事が
提供され、食事介助も排泄(はいせつ)介助もあり、24時間誰かの目がある。家
族はやっと息をつく。

しかし、「高齢者には、あまりいいことでもない」(小山さん)。たいていの高
齢者は住み慣れた場所で死にたいと思っているからだ。だが、「子供に迷惑をか
けたくない」と強く思っており、入所を受け入れる。

 在宅では家族が疲弊し、入所では本人が折り合いをつけるのは、在宅介護のサー
ビスが足りないからだ。小山さんは「見てしまった後で、逃げるわけにもいかな
い」と、在宅の要介護者にフルタイム、フルサービスを試みる。

くわしくは以下のサイトを。
http://www.sankei.com/life/news/150404/lif1504040027-n1.html