『いきなりはっぴぃベル』は2002年にTeriosが発売したゲーム。
Teriosといえば横田守の絵が看板で、『まじかるカナン』や『ELYSION ~永遠のサンクチュアリ~』を出してこの作品は3つ目である。
プレイしたのは2002年6月。日韓ワールドカップの後。
浪人中に中学校のときの部活の同級生2人がインターホンを鳴らしてくることがしばしばあった。
俺的に彼らは好きではないのだが、何故か彼らは「俺らは友達」的な認識をしていたそうで、今でも理解に苦しむ。(その後彼らと会うのはこの人生で二度だけだった)
俺一人だけとか、同じ部活だった兄(ヤツも彼らが嫌い)はインタホーンの画面を見るや居留守をしていたが、母親は応対するのでその場合はしぶしぶ付き合って外にでる。
友人に連れ出された後、「ユージの家に行こうぜ」と一人が言い出し、ユージ君の家へ。
ユージ君は同じ中学の同級生だけど、クラスも違い、接点も無く、会話も1~2回しかなくて微妙だったわけですが、そこで出会うことになったのが本作。
彼はコンピュータ系の専門学校へ進んでいて、ゲームに大分お熱だったようだ。
部屋に入って目に入ったものをみて、「あれ、これToHeartの来栖川芹香じゃん」と言ったらユージ君がびっくりする。「君はこれを知っているのか?」と。
同級生2人は何も知らず「コイツオタクなんだよねー」みたいな感じで軽くあしらって付き合っていたそうだが、彼の問いに「To Heart面白いよねー」と回答をした。
彼的には旧知(といってもほぼ他人だけど)の人が自分の趣味を理解してくれたことがかなり嬉しかったようで、同級生二人を他所にPCゲームの話に入る。
その時に俺が「最新のゲームって、やったこと無いんだよね」といったときに、「じゃあこれかな」ということで渡されたのがこの作品。
発売して半年以内、確かにそうかも・・・ということでありがたく頂戴する。
さて、『いきなりはっぴぃベル』。
ゲームを起動して1時間ぐらいでまず感動したのは、フルボイスだったこと。
今まで遊んだゲームだとこみパしか音声が入ってない。しかもこみパはイベントの時しか声が無く、日常パートでは声が無かった。
主人公を除き、サブキャラも含めて全て音声が当たっていることに感動をした記憶がある。
同時に、この作品からコッチに声を当てる女性声優の人達に注目をするようになった。
もちろん当時は表の人が裏名義で出ていたこともあまり無く。(たぶん、声優が増える直前だったからかな?当時の新人女性声優が数人ドル売り始めた時期だし。新谷良子とか、野川さくらとか、望月久代とか、うわ、もっちー懐かしい(笑))
どういう人達が演じているものなのかとか、漠然と考えるようになる。
今では『北都南』や『海原エレナ』という名前を見ると「おぉっ?」ってなるけど、初見ではそれもわかるハズもなく。
また、男の声優で言うと「これ、○○の声じゃん」と2名ほど表名義と気付いてしまう始末。びっくりするよね。
シナリオはまぁ学園ラブストーリーチックな何かだった。
正直、このゲームのシナリオはまったく覚えていない。それくらい自分に響くものはなかった。
断片的に記憶にあるのは以下だけ。
・絵は綺麗だったこと(キラキラして塗りすぎと思ったけど、今だとラブライブとか2015年頃のアニメの塗り方に近い。まぁ横田さんの仕事暦を知るとそれなりに納得する)
・同じヒロインでも2種類のエンディング(純愛ルートとえっちなルート)があること
・選択肢の管理がめんどくさくて、初めて攻略サイトをネットで見たこと
・このキャラいいなぁ、と思ったのはまさかの攻略対象外のキャラクター(メイドの鷺ノ宮椎子さん)だったこと
・サブキャラ(男)の声で日暮警部やマスターアジアがいること(笑)
・サブキャラ(女)がツッコミどころ満載の名前だったこと(特にサブキャラエンドシーンの乱葉奈留(らんばなる)の台詞「この風、この肌触りこそ(以下略)」はクソ笑った記憶がある)
とはいえ、同ブランドの中でもまぁまぁの人気らしく、ファンディスクに椎子さん攻略ちっくなものを出したり、続編みたいなものも出たようで。
名前が売れてる絵師がいるところは、なんだかんだ強いと思った次第。
ちなみに、『五等分の花嫁』なんて作品が昨今人気あったっぽいけど、「なんかこのゲームを参考にしたものでもあったのだろうか」とか、タイトルだけ聴くと思わなくもない。
こっちの内容は見た事無いし、このゲームをプレイした人でアニメを今も追い続ける人なんてレアだと思うから比較も何もないだろうけど。
何も知らずの発言なので、ファンの方は不快に思われたらスミマセン。。。
なお、その後ユージ君との接点は無かった。(大学入学後は俺が一人暮らししてしまったので会う機会は無く)
6年後の2008年に開催された中学校の同窓会でユージ君と会ったが、自分の近況(大学生活を謳歌して院に進学する)を話すと、彼は口数を減らして表情を暗くし、去っていった。
彼は無職のフリーターとなっていた。あれから12年経ってるが、今では彼の足取りを知る人はいない。
個人的な経験則だけど、コンピュータ系の専門学校へ進んだ上でパソゲーオタクだった人は、結構微妙な人生を歩く人が多い。
こみパやTo Heartを貸してくれた友人もそうで、正直進路とその後の人生の軌跡は微妙だった。彼は片田舎の長男で土地もあるから、最悪それでいいのかもしれないが・・・。
俺も浪人時代にPCゲームにどっぷり浸かり、彼らと肩を並べて大学に進学をしなかったらこうなってたのかなぁ、とか歳も重ねると思わなくも無い。
とはいえ、趣向品としては非常に面白いものだと思っているので、距離感や程度の問題だけだろうと思うかな。
なんならアーケードゲームのやりすぎで留年した自分もいるし、そういうもんでしょう。
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