瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

ワクワクするような錯覚とガーンと落ち込む現実

2019-12-28 15:40:46 | 特別職国家公務員


あと数日で年越しですね。
ここのところ連日、忘年会続きで、美味しいものを食べています。



コレステロール、塩分、糖分、心配です。
この年始年末、体重をどうにかこのまま維持し、太らない、というのが私の目標です。
(現実的過ぎる!)

時々、授業でも話しているのですが、
私は1992年に産業カウンセラーという資格を取ってから(←これ、産業カウンセラーが国家資格だったときの第1期生です)
人の相談に乗り、人に寄り添い、人を支援する、というのが私の仕事の目的の一つでした。
以来、25年以上、私はお金と、時間と、努力を続けて、
心理相談員、認定心理士、パワハラセクハラ防止コンサルタント、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、と相談業務関連の
資格をずっと取り続けてきました。

30代の時にハマったのはエリック・バーンの「交流分析」です。

次がSGE(構成的グループエンカウンター)
私はここで教育カウンセラー初級、中級という民間資格を取りました。
SGEの授業への援用を考え、研究会に出たり、学会で発表したり、結構がんばりました。

この頃は、新しい知識を勉強することで、ワクワクでした!
実際に頑張ったことで、私は色々な大学で教えるチャンスをいただけました。
それも嬉しかったので、ますます「大いなる錯覚」、自分はカウンセラーが向いている、という考えにのめり込んで行きました。

精神保健福祉士が最も新しい資格です。
これは結構大変でした。50歳を過ぎて、1ヶ月の実習をしなければいけなかったからです。
私を指導してくれたスタッフは私の25歳も年が下でした。
一応、すったもんだしてこの資格を取りましたが、取得しただけです。
現実には何も活かせていませんし、貢献もできていません。

また、ある人気のある資格試験の試験委員を10年間したこともあります。
最初は、自分の実績が評価されて、この業界では有名な大学の先生と一緒に「ああだ、こうだ」と議論したりするのがとても誇らしかったのですが、
6年目ぐらいから、資格試験って、こんな感じでいいのだろうか、と考えるようになり、10年目にすっぱりと辞めてしまいました。

2、3年前、同僚のM先生から、青天の霹靂のご指摘をいただきました。

「もしかして、先生は相談には向いていないんじゃないの!?」

「えっ〜」

びっくり仰天ですよね。
年数だけで考えれば、25年のベテランですから。
冗談ぽい感じでのアドバイスでしたが、ストレートな指摘には、本当に驚きでしたし、やっぱりショックを受けました。

でも、考えてみると、確かにそうかもしれない、と思い当たることがありました。
私はおしゃべりなので、人の話を聞くのが結構辛いのです。
もう、めちゃくちゃアドバイスしたいのですが、「相談」はまず「聴く」ことから始まるのですから
ちょっとイライラしてしまいます。

長い間、中国で仕事をしていたので、
プロセスより「YesかNoか」「できるかできないか」「成功か失敗か」「勝ちか負けか」みたいな
2極に重きを置いていました。

相談とは全く合わないですよね〜。

私が25年以上、努力してやってきたことは、「錯覚」だったのかもしれません。
「自己理解」しよう!
「仕事理解しよう」なんて、人に勧めてきて、自分は還暦を前にやっとそのことに気がついたわけですから

現実を突きつけらました。

再就職を目の前にして、「この仕事は自分に向いている」
「絶対これがいい、今までもやってきたし」と思っている方もいらっしゃると思いますが、
もう一度、自分自身の興味や適正を確認してくださいね。

本当にそれって「錯覚」ではありませんか、って、ね。
そうじゃないと、仕事をしていて、ちょっと苦労するかもしれません。

今は「カウンセラー」という領域から解放されて、私はすごく伸び伸びと仕事をしています。
15年ぐらい早くこのことに気がついていたら、もっともっと色々なことができたかもしれませんよね。

年末って、ものを整理したりするので、こんなことも思い出してしまいました。

それではみなさま、良いお年を!




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1日5%〜恩師の言葉

2019-12-26 17:37:14 | 特別職国家公務員


久しぶりに恩師と会いました。
恩師とは以前に所属していた大学の教授です。

私は恩師のゼミをなんと通算で4年半も聴講しました。
若い大学院生と一緒に、かなりの刺激を受け、一生懸命頭を絞って、新しいアイデアを考えました。
振り返ってみれば、50代になって、これほど勉強するとは思いませんでした。

今回は会社の事業についての相談。
いつでも、真剣にアドバイスをしてくださいます。

教授からは「1日5%」というキーワードを示されました。
とにかく1日5%(15分)、目標をもって何かにチャレンジしてみよう、ということです。
新しいアイデアの準備。
それも、まずは1日5%から、です。

今日で40代のクリスマス集合訓練が終わりました。
一方で、40代、50代の再就職。
「どうにかなる」と思ってもかなり、「どうにもなりません」
「どうにかする!」という意識を持って、積極的に1日5%の準備、続けて欲しいなって思います。

地道ですが、それが自分にぴったりの仕事を見つける近道になると思います。


こうやって人生は続いていく

2019-12-18 12:14:22 | 特別職国家公務員


クリスマスがすぐそこに迫ってきました。
そんな楽しい、そして忙しい時期に家のリフォームをしています。

というか、本当は消費税の値上げ前に終わる予定だったのですが、世間の人が考えることはみな同じ。
消費税前にリフォームしちゃおう、ってことで、大工さんや職人さんはものすごい過密スケジュールで働いているようです。
なんと、工事が遅れに遅れて、今も完成していません(あと、ちょっとですが!)

リフォームをして、家の中を断捨離。物を整理していたら、昔の写真がいっぱい出てきました。
懐かしくて、手を止めて写真を見てしまいました。

下記の写真は20年前の中国のシルクロードの「玄奘三蔵」の史跡調査に随行したときのものです。
後ろは多分、崑崙山脈ですね。



クチャ(西遊記の三蔵法師も留まって仏教を広め説教をしたという亀茲王国があった場所)の市場でスイカを買いました。ウィグル族の住む地域です。


中国のシルクロードは私の大学院の研究の対象でしたから、アルバイトの通訳をしながら、15、6回ほど訪れました。
タクラマカン砂漠の周りをぐるっと回ること、3、4回。今考えると楽しい旅でした。



これもちょっと笑える写真です。旗袍の刺繍も見事です。
後ろのお兄さんがなんとも言えない「いい味」を出していますよね。



家族も変わりました。


15年前、高校生の長男と中学生の次男。主人の髪に白髪が混ざってきました。



今はこんな感じ。恒例の家族誕生日会。年4回、ステーキ屋さんでステーキを食べます。長男が小学生の時から、この店です。



こうやって人生は続いていくのですね〜。今は昔です。


Merry Christmas !




体当たり「日本語教師養成」実践実習コース 募集中

2019-12-13 10:25:15 | 特別職国家公務員


日本語教師という職業に再びスポットが当たっています。

日本は2000年代から留学生の招致に力を入れてきました。
「留学生10万人計画」でまずは10万人の留学生を受け入れようと頑張っていたのです。
次のステップは先進国並みに留学生を増やそうという流れです。
「留学生30万人計画」
これをなんとつい1、2年前に20年かかって達成させました。
でも様々なシステムが変わり、この中にはかつては入っていなかった「日本語学校の学生」も含まれています。
つまり現代の留学生は
日本語学校、専門学校、大学、大学院で在留資格「学生ビザ」を持っている人たちのことです。



日本語教育の世界では今年、かなり大きな変革がありました。
日本にいる在日外国人、例えば会社や工場に在籍する外国人労働者、またその家族に日本語の教育の機会を与えることが法制化され、
各自治体が責任を持って日本語教育を実践することになりました。

今年4月に在留資格(ビザ)「特定技能」新設により、政府は特に人材不足が激しい、建築、造船、農業、飲食、宿泊等の分野に
5年で34万人の外国人労働者を受け入れることにしました。

20年かかってやっと30万人にした留学生ですが、労働者の場合は5年で34万人の受け入れです。

つまり、今後はこれまでも全然足りていなかった日本語教師がもっと必要になり、その働く場所も学校だけではなく、会社や工場、
小学校や中学校と多様化してくるということです。

それに伴い日本語教師の需要も一気に増えてくるでしょう。

このような社会の流れを受けて、今回
『体当たり「日本語教師養成」実践実習コース』を募集することにしました。
今回のコースの特徴は土日祭日を使い1年間かかかって2冊の日本語のテキスト(初級。初中級)が教えられるようになる、
ということです。
1、2回出られなくても大丈夫(その場合しっかり自習してください)
途中、実際にビジネスマンで日本語を勉強している人たちのクラスにアシスタントとして参加し、
1項目を教える(15分程度)実習を組み入れます。



また、他の日本語教師養成講座は日本語教師民間資格の受験講座で理論は勉強しますが、実技や実践は勉強しません。
(つまり資格は取れてもすぐに教えられない、、、ということです)
今回はOJT(学びながら実践する)というコースですから、従来の日本語教師養成講座とは大きく異なります。

再就職を控えて、準備していく自己研鑽のクラスとしては、なかなか面白いカリキュラムを組んでいます。



お知らせは下記です。ぜひ、参加をご検討くだされば幸いです。

外国人に日本語を教える日本語教師が不足しています。日本語教師には大きく分けて2種類あります。
      1)資格を持った日本語教師
      2)資格を持たない日本語教師(ボランティア・その他)

今回は2)の養成です。このクラスの特徴は学びながら、実際の外国人ビジネスマンのクラスに入って、アシスタントとして実践できるところです。
ビジネス日本語のクラスは日本のビジネスマナーも教えます。ビジネスマナーも学べます。英語ができないから、なんて考えないでください。
日本語は日本語だけで教えます。 
資格がなくても、実力があれば、日本語教師になれます(実力は自分で養います)別に大卒でなくても大丈夫。
働こうと思えば、働く場所はあります。
やってみなくてはわからない、ワクワクドキドキ、そしてちょっぴりヒヤリ!の世界にあなたもチャレンジしてみませんか。

2020年1月13日(祝)13時〜17時 神田
1月18日(土曜日)13時〜17時 高田馬場
2月11日(祝)13時〜17時 神田
2月24日(振替休日)13時〜17時 神田
3月14日(土曜日)高田馬場
3月20日(祝)神田
1回5000円 (その他、実費でテキスト代、資料コピー代)
実習場所:日本橋 
主催:株式会社キャリアストラテジー 
共催:一般社団法人外国人労働者生活指導員育成協会
yoshimoto@careersg.co.jp




イタリア人の私の学生さん(今はイタリアで日本のアニメの翻訳者です)



スウェーデン人の私の学生さん(今はスウェーデンの会社の社長さんで、最近日本の会社と提携しました)




メンタルヘルス研修〜数字を読む

2019-12-04 10:26:21 | 特別職国家公務員


十条駐屯地でメンタルヘルス研修を担当させていただきました。

私たち、毎日の生活で結構疲れていますよね。
疲れているときは、メンタルヘルス不調になりやすいです。
そんなとき、不快な気分を吹っ飛ばせるような趣味や勉強、トレーニング等、ストレス解消の方法を
持っていればいいのですが、そんなことを思いつけない、なんて時もよくあります。

100人の会社員のうち、何人ぐらいが強いストレスを抱えていると思いますk?
強いストレスとは「仕事の質、量、仕事の失敗、責任の発生、人間関係等」です。

実は59.6%の人が強いストレスを感じています。
そのまま放っておくとメンタルヘルス不調となり、最悪の場合、休職にまで追い込まれることがあります。

下記の表記を見てください。1人の人が休職した場合にかかる費用です。



およそ14万人の人がいる組織では500人に1人の割合で休職する人が出てくる計算ですから、
280人の人が休職していることになります。
280×1491万円の合計は51億ほど、つまり50億を超える損失が出ているということになります。

メンタルヘルス不調は早期発見、早期対応が大切です。
最も効果的なのは、隣の人がちょっとしたメンタル不調のサインに気がつくことです。
気がついたら、アドバイスや指導するのではなく、まずは何も言わずに「聴いて」あげてください。
いつも気にして、声がけをしてください。
それから、必要に応じて専門家や上司にリファー(つなぐ)のが、教科書通りの対応法です。

でもメンタル不調の人が出ないような職場作りが大切です。
「挨拶と笑顔」
メンタル不調を防ぐのにも、これがいちばんの方法のようです。



もう12月に入りました。
東京も紅葉が綺麗になってきましたね。
素敵な晩秋をお過ごしください。









働かない・働けないおじさん問題〜賃金カーブから未来を考える

2019-12-03 22:23:20 | 特別職国家公務員


巷では「働かないおじさん問題」が巻き起こっています。
ドキッとしますが、「働かないおじさん問題」は個人が働かないというのではなくて、
日本型雇用の問題です(比喩です)

賃金カーブを見てみましょう。


厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
*1976年、1995年、2018年の各調査年での男女計の「20〜24歳』の平均所定内賃金額を100とした時の各年齢階級の平均所定内給与額を表している


50代を境にガンガン、賃金カーブが落ちてきていますよね。
若い時には給料は安く、生産性を上げなければいけないから、一生懸命働かざるを得ません。
ところが、50代前後になってくると、賃金は上がっているが、生産性が低く、賃金に見合うだけの働きをしていない、人が出てきます。
「これ以上働いたって、昇進するわけではないし、給料はそもらえるのだから、まあ、それなりに働くか、、、」という感じ、です。

でも、どんな人も70歳ぐらいまで働かないと生活が苦しい時代がやってきます。
政府は定年延長を奨励していますが、お金は出しません。
そうすると、いずれは40代〜50代の賃金は徐々に下がってきて、20代、30代の働き盛りの人たちの賃金を上げていく、、、
つまり、賃金カーブはフラットになっていくということです。

いつか定年して、再就職を考える時期がきます。
再就職すれば、現在より賃金の条件は良くないでしょう。
再就職=即戦力ですから、生産性・業績が賃金に直結、実力のある人とない人の賃金に格差が出てくるはずです。

自分自身どのように働いていきたいですか?
家族はどのような状況ですか?
それを考えて考えて、考え抜いて、きっちりと準備を重ね、長期的なキャリアプランを考えていただけたら、とても嬉しいと思うのです。



世界の片隅で〜十条

2019-12-01 17:58:10 | 特別職国家公務員


埼京線の十条は面白い街です。
大学がいくつか、そして自衛隊の補給統制本部もあります。

十条駅を挟んで、いくつかのエスニックレストランがあります。
インド料理、中華料理、イタリア料理は日本中、どこの街にも見つけることができますが、
十条駅の南側、昭和の雰囲気をしっかりと残すお惣菜市場みたいな十条銀座側にパレスチナレストラン、
北側にはクルド人オーナーが経営するクルド家庭料理のお店があります。
駅前、ドトールとタピオカのお店に挟まれた小さなビルの3Fにあり、駅から1分もかからない場所ですが、
よ〜く見ていないと通り過ぎてしまいます。

今回はこのクルド家庭料理を出すレストラン「メソポタミア」を訪れました。



埼玉県の川口市にはクルド難民がたくさん住んでいる、というのは知っていましたが、クルド人と会って話すのは初めてでした。
オーナーは東京外国語大学の非常勤講師のワッカス・チョーラクさんです。
国を持たない世界最大の少数民族クルド人、およそ4500万人。
彼らは私たちにも馴染みの深いチグリス・ユーフラテス、メソポタミア文化圏のクルディスタン(トルコ、イラク、シリア、イランにまたがる山岳地帯)に住んでいます。
紛争の地ですね。
ワッカスさんのお兄さんは、日本で難民申請をされていましたが、昨年、突然、入管局に不法滞在で収容されてしまいました。
強制送還されてしまえば命を奪われる危険があるそうです。



クルド料理はトルコ料理とよく似ています。
野菜を使ったトマト味の料理、キャベツのサラダ、など、健康的な料理を出してくれます。



チョーラクさんは難民の歴史や生活について色々話してくださり、十条にいて、遠い世界のクルディスタンのことを知ることができます。
未知の世界ですね、、、。

最後に飲んだ、クルドコーヒー。
コーヒーと思って飲むと微妙な味です。
コーヒー豆とピスタチオ、カルダモン等の香辛料が入っています。
でも、異国の味です。

一度、ぜひクルド料理を味わってみてください。


<お知らせ>
ワッカス・チョーラクさんのお話を聞く会
「クルド難民の歴史と現在」
日程:2020年1月25日(土曜日)午後1時から3時
場所:新宿日本語学校1号館
会費:1500円
懇親会:クルド料理のメソポタミアにて午後5時より
主催:一般社団法人外国人労働者生活指導員養成協会
共催:株式会社キャリア・ストラテジー
お問い合わせ:https://careersg-oneonone.jp