二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

工房見学

2015年10月14日 | 日記

二鶴工芸です。
連休中に韓国人のご夫婦が工房見学に来ていただきました。
ただ、通訳無しということでメチャクチャ焦りました(・_・;)
ご婦人が片言の日本語を何とか話せましたが、ほとんどが英語での会話でした。
私は知っている単語とジェスチャーで何とか。
韓国にも伝統衣装に金箔を装飾加工する金箔工芸があるようで、そのご夫婦は加工技術や歴史などを研究し出版もされているようです。
実際、持参された本を見せていただくと日本でいう「摺り箔」と同じようなものがありました。
加工方法は日本の「からかみ」に使うような版木に糊を塗り→糊を生地に写し→箔を接着。
ご主人曰く、スタンプとおっしゃっていました。

日本の「摺り箔」は型(切り型或いはシルクスクリーン型)を使い、糊を摺って箔を接着させています。
布地に金箔を接着させる技術はインド・ジャワから中国、或いは朝鮮半島から日本へと渡ってきたといわれています。
そう思うと各国、創意工夫して接着させていますから加工方法は違って当然ですね。
非常に興味深い。
ご主人の話によると韓国ではこの加工方法しかないとおっしゃっていました(本当かな?)
オンリーワン!と。

しかし、日本は技術のバリエーションが多くて凄い!!と。
それを今回取材させてほしいとのことでした。
日本の技術の用語や加工方法も事前に調査されたようで、ご主人の希望通りに一応は加工してみました。
加工ごとに声(ワオ!グレート!)連発!!
写真や動画も撮影されていました。
この加工の画像を顔は載せないので本に載せてもいいか?と。
OKはしましたが、それならもう少し綺麗に加工すれば良かった(・_・;)

最後に日本の技術が載った本を本屋で探したが無いので貸してほしいと言われましたが、こんな機会なので私の持っていた古い本があったのでそれと、実演で加工した生地をプレゼントしました。
すごく感激されていました。
私の拙い英語で伝わったのかどうかわかりませんが、喜んでいただいたので本当に良かった(^_^;)
でもやっぱり通訳は必要ですね~
後でよく考えると日本は呉服以外の分野でも金箔を使って装飾加工する工芸もありますし、技術のバリエーションの豊富さは世界的にも誇れるんでしょう。
そう思うと先人達は凄い!!


画像は韓国の金箔加工の衣装のようです。
というかなかなか見つかりませんでした(>_<)