てのしごと~ながくて風土~

2023年もよろしくお願いいたします✨

2斤のパンを焼く。2斤の型に対する生地の適正量。

2020年09月10日 | 素朴なおやつ、素朴なパン


この夏は、例年になく夏でもオーブンを稼働させてパンを焼き続け、2斤の角食パンをついつい研究してしまいました。

8回目にして、この写真のように、やっとこイメージ通りに焼けました(泣

もうほんと泣いちゃうーー。

今までの1回目から7回目までの迷走も振り返りつつ、このパン焼きの日々をしたためさせていただきます。よかったらどうぞお付き合いください!

実は、角食パンにはあまり興味を持てず、買ってまで食べることも今までそうなくて、家ではごくたまに山型食パンを焼く程度だったんです。

それがこの4~5月、コロナの影響で仕事がお休みになったこともあり、ひさびさに角食パンに手を出してしまったんです。

ホント、すっごいひさびさで、なんだかめちゃくちゃ楽しいって思っちゃったんですよね。もちろん最初は山型に焼いていたんですが、なんとなく角食も焼き始めて。

手持ちの型が1斤だったんですが、小さな型1個ではさすがにオーブンのスペースがたくさん余っていたので、せっかく場所があるのにもったいないな~と思い、もうひとつ1斤の型を買い足して、一度に1斤を2個焼こうと思ったんです。

ネットで型を延々と型を見ているうちに、それならいっそ、1.5斤か2斤の型を買っちゃってもいいんじゃない?と思えてきて、1斤の型に加えて2斤の型も買ってしまいました。

うちのオーブンはかなり庫内が狭く、型を買う時は高さや幅が本当にはいるかどうかかなり入念に寸法を見ます。

市販の角食パン程度の1斤型はたいてい幅12センチ×12センチ×高さ12センチ程度なんですが、2斤はこの倍サイズということで、幅は24センチ×12センチ×高さ12センチで、うちのオーブンでもなんとかギリギリ型が入る計算でした。

このふたつの型に加え、ついでにカンパーニュのバヌトン(籐のカゴ)まで買ってしまい大きな型をまた一気に買ってしまいました…

届いたときものすごく箱が大きくて、収納場所もないのに「またやってしまった!」と思いましたが、なんとかあの手この手で収納場所をひねり出しました。


左…2斤型、真ん中…1斤型、右…手持ちの1斤型です。

1斤は、定義がゆるくて340g以上あれば1斤と言ってよいので、パンの大きさがまちまちなんです。だから型も当然いろいろな大きさや形で売られています。手持ちを同じくらいのサイズがよかったんですが、小さめの1斤でよい型がなかなか見つけられず、仕方なく大き目の1斤を購入しました。

アルタイトの型をいつも選んでいますが、アルタイトは鉄にアルミメッキを施したもので、 下地が鉄なので、熱伝導率が良く丈夫で耐久性があります。

 使いこむほどに油がなじんで型離れが良くなりますが、使い始める前に空焼きが必要になります。 鉄のフライパンなどをお迎えしたときと同じですね。面倒っていったら面倒なんですが、そんなに嫌いじゃないんですよね…。

まず型をきれいに洗ってからオーブンで空焼きして、さらに油を塗って220度から240度くらいで2~3回空焼きをしました。

せっかく1斤の型を買ったので、まずこれで2個同時に焼こうかと思ったんですが、わたしがまず使いたくなってしまったのが2斤の型でした。


2斤の型をオーブンに入れたところ。高さも幅ももうギュンギュンです。

レシピがついてなかったので、適正量をまずは計算せずに粉500gで焼いてみました。…よく考えたら、ここでちゃんと型に対する生地の適正量を計算すべきだったんですが、はじめはとりあえずちゃちゃっと様子見で軽く焼こうと思ってしまったんですよね。

…以降、生地量と発酵の見極めがしきれず、ちんたらちんたら迷走してしまって実験回数が多くなってしまいましたが、この1~8回目までの2斤のパン型でちゃんと角食が焼けるまでの迷走をしたためさせていただきます。

【1回目】


粉500g、きれいにホワイトラインが出現したので、いきなり生地が適正量だったとばんざいだったんですが、何度も空焼きしたはずの型に生地がくっつき型から出すときにボロボロに…!

かなりショック~と思いましたが、生地量が良いことが分かったし、子どもたちが美味しそう~!と言って喜んでいたのでまあいいかということにしました。

【2回目】


同じく粉500g。2次発酵も適切にとったはずなのに、生地量がたりずてっぺんが蓋に届かず微妙な山型に。しかも側面にまだ生地がくっつき出すときにボロッとなってしまった。


はぁ~。2回目は、型から取り出すのはもちろん生地量か発酵の見極めのどちらかで失敗してしまいました。

1回目があまりにもきれいに膨らんで、しかもきれいにホワイトラインが出ていたので、生地量に問題があると思えなくなってしまっていました。そう思いこんでしまっていたので、きっと発酵の見極が問題だと、発酵時間と生地を型のどこまで膨らませるかに焦点をあててしまいました。

【3回目】



3回目も生地量が足りないか発酵不足かで、てっぺんが蓋に届かずまた山型になってしまいました。

この時点でも、わたしはまだ生地量が少ないのではないかということをあまり疑っていなくて、発酵の見極めが問題だと思ってしまっていました。

型から結構抜けるようにはなってきたけれど、小さいほうの側面にちょっとまだくっつきか強いとろこがあって、ボロッとしていまいました。



はぁ~残念。

【4回目】



ヘラで少しはずすのを手伝うときれいにスポッ!と型抜けするようになりました。

でも、やっぱり生地がてっぺんに届かない。。。ここでやっぱり原因はそもそもの生地の量が足りないんじゃないかと本気で考えるようになりました。次回は100g増やし600gの粉で作ろうと決めました。

【5回目】



計画通り、5回目にして粉600gにして生地量を増やしてみました。

焼きあがってから型にドン!と衝撃を加えるだけで、あとはなにもしなくてもパンが型からスポッ!と抜けるようになった。



これだけでもまあかなりうれしい…。でもまだやっぱり生地が足りてない様子でてっぺんに生地が届いていない…。やっぱり生地量が全然足りていなかったんだ…と知りました。

ここにきてやっと、わたしはいつも初めて焼く型ではちゃんとやっている生地の適正量を計算しました。

1回目にあんなにきれいな形に焼けたから、きっと生地の量は合っているはずだな~って思って(思いたくて笑)今回はそれにとらわれすぎちゃったんですよね。

【6回目】
あらためて、計算。この型は12センチ×12センチ×24センチで3456㏄。型に対する生地の適正量は角食の場合3.8~4.0(38%~40%)なので、1313g~1382g。わたしのベーカーズパーセンテージに直してみたら、粉が720g。

とりあえずこ5回目は600gだったので700gにしてみました。

そしたら、カクカクになりすぎたw



まあ、この角食でもいいって言ってしまったらいいのかもしれないけれど、やっぱりわたしはいい感じのホワイトラインを出したい!


サイドもいい感じだけど…。


やっぱりカクカクだな~。


中身はいい感じ~♡


サンドイッチにし~よおっと。

前回から焼きあがって型にドン!と衝撃を加えるとスポ!っとパンが出てくるようになった。。。まあこれだけでも進歩だ…。うれしい。

【7回目】

5回目と6回目の分量の間をとって、粉を650gにしてみました。


うう~ん、やっぱりカクカク…。でもこれは2次発酵をほんの少し(5分ちょっと)やりすぎたせいに思えて、次回も粉650gで2次発酵を型の7~8分目までにしようと決めて、メモに残しておきました。


ホント、あと1歩だ。今度は絶対うまく焼けそうな気がする~!


中身はふんわりフワフワ~。

角がカクカクになるほかは、味もやわらかさも、型抜けももうイメージ通りなのよ…。

【8回目】

今日はお休みだったので、朝から焼きました。


焼きあがったらすぐにオーブンから出して、型にショックを与えてパンを取り出すと…はぁ~~~もう~~~ついに~~~。。。

てっぺんのふちっこに、きれいなホワイトラインが出ています。

生地量、これでよかったんだ…。

2次発酵、あれでよかったんだ…。

いろいろ感慨深いです。


横顔もなめらか。


正面?ん?違うか。


てっぺん。


斜め上から。。。

もちろん、スポっと型抜けしてくれました。




8回焼いての結果です。

失敗の原因は1回目の過発酵気味で膨れすぎたのパンを、これが適正生地量を思いすぎたことで、生地量が少なすぎるまま焼き続けたことでした。

正式に割り出した計算上よりもやや少ない生地量ですが、わたしの手持ちの材料での配分では粉650gの生地量が適正量でした。

8回焼いてわかったことは、適正量を型に入れて、型の7~8割程度まで生地が上がってきたら2次発酵を終了し、すみやかに焼成に入るという、ごく当たり前のことでした!

ちなみに、この2斤の型(12センチ×12センチ×24センチ)の型に対するわたしの配分はこんな感じです。

【食パン2斤】

・強力粉500gと薄力粉150g(合わせて粉650g)

・水420g

・粗糖30g

・スキムミルク20g

・塩10g

・白神こだま酵母9g

・バター30g

【作り方】
①ニーダーにバター以外を入れて15分捏ね、バターを加えさらに5分捏ねて20~30分1次発酵させます(夏場なので早めに切り上げます。冬場は40分1次発酵させています)。

②フィンガーテストをして1次発酵がおわっていたら、ニーダーを少し回しガス抜きをしてから生地を取り出して4分割し(292g程度で4個)、それぞれを丸めてベンチタイムをとる。

③食パンの型に食パン用に成形した生地を入れていく。

④40~50分程度2次発酵させ、生地が型の7~8割程度までふくらませる。

⑤200度に予熱したオーブンで10分、180度に下げて20分焼成する。

⑥焼きあがったらすぐオーブンから出し、型を15~20センチくらいの高さから台にドン!と落としショックをあたえてから蓋を開けてパンを出す。




以上です!



はぁ~~~思えばいろいろあった1か月だった。。。大抵1週間に1度のパン焼きですが、週に2回くらい焼いていた。。。使った粉の量は4.6キロ~🙌

しっかり食べる5人家族の我が家でも冷凍庫に常に2~3回分の食パンが冷凍されていました。

ホント1か月角食しか焼いてなかったので、次回はベーグル焼くぞと決めています。




毎回、材料や時間の条件や様子が微妙に違うので、記録を取って写真とメモに残しておくのですが、最終的にふり返るとその過程過程で自分がどんな勘違いや思い込みをしているかがよくわかります笑

今思えば1回目のパンの味は微妙に過発酵だったかもしれないな~。今ならわかる。その時はわからなかった。。

メモには、とにかになにもしなくても型からスポ!と抜けた喜びや、次回こそきれいなホワイトラインを目指すという意気込みが書かれていて笑える。。。


1回目の生地を手で割ったところ。1回目はちょっと過発酵気味だったとは言え、生地の味などは最初からよかったのが救いだったよね。




今週末また焼いて、来週注文してあるシャインマスカットのフルーツサンドをつくるぞ!!と今から考えを温めているんですが、ホントにめっちゃ楽しみです。



あ~もう、すっごく長~いロ~~~ングな記事になってしまいましたが、最後までお付き合いくださった方~~ありがとうございます~♡

思わず即日めずらしく記事にできました。いつも作っても写真撮っても記事にできるまでかなりタイムラグができちゃうので…。

ホント、うれしかったです。ほかのパンもやっと作れます。。。パンづくりもほかのこともそうですが、熱があるうちにやらないと、さまざまなこと忘れちゃってまた再開した時には振り出しに戻っちゃっているんですよね。だからこの2斤の角食をちゃんと作れるまでほかのことできなかったので、ほっとした~・・・。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (うりんこ)
2021-03-12 19:07:56
詳しい情報をありがとうございます。大変勉強なりました。うちの2斤型の適正量は何gかしら
返信する
Unknown (hudo-mau)
2021-03-13 13:23:39
うりんこさん

コメントありがとうございます✨☺️

2斤の型お手持ちでいらっしゃるのですね❤️

型の容量、使われる酵母、粉以外の材料の量などで、適正量が変わってきて微調整が必要だと思いますが、一度レシピが定まるとアレンジも楽だし安定的に作れるし、いろいろ便利ですよね💞💞
返信する
Unknown (まあ)
2023-05-28 09:52:33
初めましてまあと申します。
明けても暮れてもパンに振り回されてもめげないバアバです。
こちらのブログに辿り着きやる気が増々起きました。
お知恵をありがとうございました。
返信する
Unknown (hudo-mau)
2023-05-28 20:40:17
まあさん

コメントありがとうございました✨こんな長い記事読んでくださったんですね!まだまだパンづくり奥深くて修行の道は続いてます🥖お互いずーっと楽しく続けて行きましょうね🥰
返信する
Unknown (梶浦美穂)
2023-08-20 20:07:29
初めまして。私も2斤型でも食パンが作りたくて色々試しているのですが中々上手くいかなくて心が折れそうでした。一度こちらの分量で焼いてみます。イーストは普通のドライイーストでも同じ分量でいいのですか?良ければ教えてください。
返信する
Unknown (mau)
2023-08-20 22:00:22
梶浦さん

コメントありがとうございます。イーストは同量でいいかと思われます。あれから3年、我が家にとって角食はもっとも楽に作れる美味しいパンとなりました✨凹むことも多いパン作りですが、お互いパン作り楽しみましょうね😃
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。